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2007年5月27日

349 顔面神経痛(三叉神経痛?、顔面神経麻痺?、片側顔面痙攣?)

bara15顔面神経痛という医学的な言葉が無いにもかかわらず、この言葉をGOOGLEで探すと194000もの項目が現れます。

私のブログにもこの単語をキーワードにたどり着く患者さんが時々居やれます。
いったいどういうことでしょうか?

bara13三叉神経痛? 
まず顔の一部が痛いのですから、顔の痛みを扱う感覚神経である三叉神経の神経痛、つまり三叉神経痛のことを言いたいのか?と考えることができます。三叉神経というのは12対(つまり左右12本、全部で24本)有る脳神経の5番目のもので12本のうちでも顔面神経と並んで結構太いものです。

ここに、近くにある血管が触ったりすると痛みを感じ、しかもその痛みは神経に動脈が触った部分の痛みではなくて三叉神経がもともと分布する範囲の顔面に感ずるので、左右片側の頬やこめかみを手で庇う様な状態になります。痛みは強いですからそちら側の目も閉じたくなるのは容易に想像できます。

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三叉神経という名前は左右がそれぞれ上下3つに分かれているからつけられたもので、1)目より上を支配する部分は目(眼窩)のすぐ上の眉毛の辺りから、2)目と口の間の部分は頬の上あたりの部分で、3)そして下あごを支配する部分はあごの横辺りで顔の表面に出てきます。

bara14三叉神経痛(⇒リンク)は、刺すような突発性の痛みで、耐え難いものであるといいます。
この三叉神経痛には、痙攣をとめる薬であるテグレトールなどが有効ですし、また神経とその神経を圧迫している血管の間にシリコンスポンジを挟むというジャネッタ手術という脳外科で行われる手術もあります。

bara9顔面神経麻痺?

顔面神経にこだわるならば、顔面神経麻痺?と考えて見ましょうか。
顔面神経は7番目の脳神経でこれも左右に一本ずつあります。
顔面神経は8番目の聴神経と特に近接していて、脳幹を出ますと聴神経と一緒に耳の中の骨である側頭骨の錐体という部分にある内耳孔に入ってゆきます。この骨の中で(聴覚や平衡覚を扱う)聴神経と分かれて、顔面神経は耳の下辺りで顔面に現れ左右から顔の正中の線(眉間、鼻梁、鼻尖、上下の唇の中央、そしてあごの真ん中を結ぶ線)に向かって広がっています。

顔面神経の麻痺にはベル麻痺という人の名前の着いたものがあります。ベル麻痺では、ある日突然に片方の顔面神経が麻痺し、顔の左右の半分が下がり、唇がしっかり閉じないので口の中のお茶が口角からもれるといった症状も示します。
この疾患は耳鼻科で治療されますが、やや長い日数をかけて回復してゆくことが多いと思います。

bara10目を閉じる筋肉(眼輪筋)も麻痺して緩むので、目がしっかり閉じなくなり目の乾きや充血を訴えて眼科にも尋ねてくるることがあります。
顔面神経の麻痺にはウイルスの感染などによる場合もあるとされていますし、ゆっくりと発生して難聴を伴う場合には、先にお話した内耳道あたりに顔面神経の良性腫瘍(聴神経腫と呼びます)ができている場合もありますので、原因の検索のためには画像診断も必要でしょう。

bara11この顔面神経の麻痺が起きてから数年して、顔面神経麻痺が回復してきますと、少し
麻痺した側の顔面神経の働きが反対側に比べて強すぎる状態になって、いつも患側でウインクをしているような表情になってしまうことがあります。

外見も良くは無く、また目の周りの疲れも著しいですから、これは私たち眼瞼痙攣の治療をする医師による治療の対象になります。実際に顔半分に強い痛みを感ずることは少ないのですが、片目をしばしばと閉じているのを見ると軽い痛みが無いか聞きたくはなります。

片側顔面痙攣?

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片側顔面痙攣は眼瞼痙攣のような痙攣が、顔面神経の分布に従って顔の左右のいずれかに起きる疾患です。
顔面神経は顔面の筋肉の運動を支配する神経ですから、顔面神経への過剰な刺激は顔面の筋肉の病的な痙攣を呼び起こします。

bara6その原因は、一番上の三叉神経痛の解説に述べた様な屈曲した動脈が神経を圧迫するというケースが多いであろうと考えられています。
私の印象では眼瞼痙攣よりも若い患者さんも居られるように思います。

この疾患でも基本的には痛みは必須では無いのですが、目の周りの開閉瞼運動の不調に伴ってドライアイや瀰漫性表層角膜炎が生じたりして痛みを訴えることは少なくありません。

bara5この片側顔面痙攣の治療には、ボトックス治療が行われます。血管による片側の顔面神経の圧迫を解除するにはやはりジャネッタの手術が可能ですが、私が治療している患者さんの多くでは、顔半面へのボトックス注射がとてもよく効いていますので、そこまでの手術は不要としています。時には抗痙攣薬なども補助的に使うことができますが、私は、漫然と経口の抗痙攣薬を使うよりはボトックス注射をお勧めしたいと思います。

こうして見ますと、顔面神経痛と巷で呼ばれている物は、三叉神経痛であるか、あるいは片側顔面痙攣であるかのいずれかである場合が多そうです。
一度ご相談願えれば、そのすべてが私の手の中で治療を完結できるわけではありませんが、的確な診断をつけてもっとも適した治療への道筋に乗せて差し上げられることが多いかと思いますので、ぜひ一度ご相談ください。

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