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2007年5月22日

344 麻疹(はしかmeasles)流行,眼の症状は?

麻疹の流行を聞いて、目の症状は? (管理頁

bara1都内の各大学で麻疹(はしか)が流行しており、先日の上智大学などに続き早稲田大学でも休講が報道されています。これはどういうことでしょうか?そこで麻疹に見られる眼の症状も調べてみました。

bara2麻疹(ましん、はしか、measels)は感染力の強い,伝染性の病気です。最近は、はしかに罹ったことのない人(免疫のない人)が増えてきており、18才以上の人が罹ると重症化し易いことが今回の報道の重要点です。

bara3はしかは,日本では毎年春から夏にかけて流行し、空気感染(咳による飛沫感染)によって,感染します。感染後10-12日後に高熱(38-39℃),咳・鼻水等の上気道炎症状,そして眼(結膜)の充血がほぼ同時に出現,2-4日間持続し,続いて全身の皮膚(顔や頚―胴体―四肢の順)に発疹(赤いぶつぶつ)ができ,発疹出現の3-4日後から,熱が下がり発疹が治り始めます。合併症がなければ7-10日の経過で回復します。

bara4麻疹ウイルスに暴露されると,免疫のない人はほぼ全員が感染し,乳幼児と18才以上の人が罹ると重症化して肺炎や脳炎を起こし易く,死亡する場合もあるとされます。

bara5罹ったら:
1.発熱、上気道炎、結膜充血を見ましたら、登校・出勤せず、最寄りの病院を受診してください。

2.初発症状(発熱,咳・鼻水,眼の充血)が出てから平熱にもどった後3日間は,他の人に移す可能性が大きいので,欠席・欠勤の上,病院受診以外の外出を控えてください。

3、麻疹はインフルエンザ、水痘(水ぼうそう)咽頭結膜熱(プール熱)などと並ぶ〔第二種〕学校伝染病(飛沫感染する伝染病で児童生徒の罹患が多く、学校において流行を広げる可能性が高いもの)で、登校の停止が定められています。

bara6予防接種
子供の頃はしかに罹った人は,ほぼ感染しませんが、はしかの免疫のない人がウイルスに暴露されると,ほぼ感染します。予防は麻疹ワクチン接種のみですが,接種したことがあっても,10年経つと効力が低下してしまいます。

bara7ワクチン接種をお勧めしたいところですが、当院出入りの薬剤問屋さんに聞くと都内にはもうワクチンが無いという話もあります。日経メディカルオンラインでも“麻疹の流行に伴い、麻疹の単抗原ワクチンが不足し始めています。単抗原ワクチンが手に入らない場合、在庫が豊富な麻疹・風疹混合(MR)ワクチンで代用できますが、妊婦や妊娠予定の女性には使用できない点には注意が必要です。”と伝えています。
(なお、ちなみに当眼科医院では予防接種は扱ってはいません。)

bara9麻疹の眼症状:
カンスキーの臨床眼科学にも、日本語の標準的教科書にも出ていません。おそらく軽い結膜炎があって、両眼の眼球結膜に充血しますが、眼球内には炎症は広がらないことが多いということと思います。(このあたりは詳しく調べて近々追加記載します。)

ぴったりの記載が有りました。原らの1976年の麻疹流行における眼症状です。 (Am J Ophthalmol. 1979 May;87(5):642-5. Ocular manifestations of the 1976 rubella epidemic in Japan.Hara J, Fujimoto F, Ishibashi T, Seguchi T, Nishimura K.)

この文献によると、”1976-1977年の麻疹流行時の79例の麻疹症例で56人(70.9%)が軽い結膜炎を示しました。 内6人(7.6%)が表層角膜炎を示しましたが、実際に症状を示したのは約2%でした(75例の麻疹のうち2例のみ)前房と眼底には炎症の兆候は無し。この点状の混濁の直径は平均0.1mmでしたが、数は数個から100個に及んでいました。多くの場合には皮膚の発疹が出てから1週間で現れ、1週で後形無く消失しました。”ということです。

点状表層角膜炎は、これも同じウイルス性の流行性角結膜炎で見られる物ですね。1979年は私が研修医をしていた頃。この頃の論文はこのようにシンプルだったのですね。

麻疹への罹患に気をつけて元気でお過ごしください。

追記1:本日(2007年5月22日)お昼に江東区医師会から麻疹発生時の全数調査という郵便が来ました。医師会も動き出したようです。

追伸2:本日(2007年5月26日)大学の同級生の小児科医に聞きますと、町の検査センターでのはしかのIgG抗体検査はすでに検査薬の欠乏によって受付が中断され、できなくなっているそうです。また、単抗原ワクチンもMRワクチンもすでに無くなっていて、50本の発注に対して5本しか入荷が無く、実際上はもう予防接種はできないという状況ということでした。

今日も最後まで眼を通してくださりありがとうございます。

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