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2007年5月8日

299 眼瞼痙攣、片側顔面痙攣の清澤眼科医院における最新の治療について

03032清澤眼科医院における眼瞼痙攣、片側顔面痙攣の治療について (管理頁

眼瞼痙攣のボトックス治療も、白内障や網膜剥離の手術と同様に、充分に症例数の多い医療施設をお選びになることをおすすめします。たとえば、左右眼計12箇所を30秒以内に注射し終われる程度に手馴れた医師なら安心でしょう。遅いと痛みが増します。

03035ざっと考えただけでも、神経眼科を専門とする眼科医である私の眼瞼痙攣の治療は、ボトックス注射だけではなく、次のような各ステップがあります。眼瞼痙攣治療は単にボトックス注射をしているだけでは済みません。

03038眼瞼痙攣を専門に治療している眼科医師でなければできない項目も多いと思います。

本1、眼瞼痙攣かどうか?眼瞼痙攣だとしても原因が何か?を探るためのあらかじめ準備された型式に従った問診。(井上眼科病院の若倉病院長の発案、これは点数で評価されます。)

シルマーhttp://www.help-dryeye.com/virtual/step3.html2、一般の眼科検査に加えて、涙液の量(シルマーテストなど)と質(涙液層破壊時間など)に対する厳密な評価が有用です図の出典

PET3、神経画像診断は、その必要性の有無を専門知識に基づいて判断した上で、目的部分を絞り込んだ指示を出し、これに従ってCTまたはMRIの画像診断を指定の画像センターで撮っていただきます。
そして場合によっては、PETによる脳局所ブドウ糖消費測定や脳内神経受容体分布の測定を特定の画像測定施設に依頼します。この検査では大脳基底核などの変化が検出されます。

涙点プラグ4、治療の第一歩は、まず合併するドライアイに対する厳格なコントロールです。
?風除け眼鏡の調整、?各種保湿剤点眼薬(ヒアレイン、マイティアなど)の適正な種類と回数での点眼指導、?室内の適正な加湿指導(加湿器の設置)、?涙点プラグの適正な使用 などの対策を立てます。これらによって、多くのミオキミアや軽症の眼瞼痙攣はボトックス注射の前までの治療でコントロールが可能です。

5、”まぶしさ”もこの疾患の大きな症状です。まぶしさの緩和にはサングラスの処方とその使用が一般的に可能です。また、まぶしさは角膜の刺激でおきていることが多く、やはりこのまぶしさに対しては知覚刺激を減ずる目的でのラクリミン点眼の処方も例外的には考慮します。この点眼液は眼圧測定などに用いられるべノキシール点眼を8倍に希釈されたもので、普通は流涙症に用いられるものです。

ボトックス瓶6、ボトックスの投与はこの次のステップです。適切な注射位置と注射量によるボトックスの投与計画が必要です。原疾患の種別(原発性眼瞼痙攣、薬剤性眼瞼痙攣、片側顔面痙攣、ベル麻痺回復時の眼面痙攣など)と前回注射時の反応を見て一箇所あたりの投与量をデザインします。ボトックス投与量は一点宛て1ユニットから5ユニット程度の大幅な増減を行うことが必要です。また投与箇所も症状によって6-20箇所(眼周囲6箇所、口角の周り4箇所、眉間など)と変えます。

7、ボトックスの効果は、予め用意されたフォームに従ってボトックス投与後1週での有効性を半定量的に評価します。(これも若倉先生の定式です。)

8、ボトックス注射の合併症はすべて一過性のものですが、しばしば起きる皮下小出血や、まれに見る眼瞼下垂や複視などへの適切でタイムリーな説明と対応も必須です。副作用は投与前の同意書取得時に説明しますが、投与後数日ないし一週で再診してその存在をチェックし、もし起きていれば適切な治療ト説明で対応します。

口の横が口角9、ボトックス投与一週後に、初回注射前には自覚のなかった同側口角や対側眼周囲での痙攣の残存部位を見出します。もし追加が必要なら、その部分への短期間(一週から1月以内)での追加注射を決定し、実施します。

ribotori-ru10、重症症例でボトックスだけでコントロール困難な限られた症例に対しては必要最小量でのリボトリールやアーテンなどの内服薬処方の追加を考慮します。

クラッチ眼鏡11、開瞼失行症を合併するような必要でさらに限られた症例にはクラッチ眼鏡の調整をします。これも処方箋発行だけでは不十分です。私は自医院内に招聘した眼鏡技師に調整をさせ、できた眼鏡にも微細な補正を施させます。快適な使用にはセンソリートリックを介したクラッチの動作原理を患者さんに説明し、更に患者さんへの適切な装用法の指導も必須です。

12、一ないし数ヶ月ごとに注射後の追跡を行い、次のボトックス投与の時期を探ります。

郵便13、経過観察からの脱落症例に対しては、郵便によるフォローアップの勧奨も時に応じて行います。

昔の電話機14、適切なボトックス注射の時間間隔は2月から12ヶ月と症例によるばらつきが大きいのですが、本人の受診または電話での申し出と、医師による痙攣症状の再評価に基づいて、ボトックスの追加投与を決めます。遠方の患者さんもいるので、本人からの2度目以降の注射申し込みは、電話でも受けつけています。

眼輪筋切除http://www.blepharospasm.org/apraxiaf8.html15、重症症例でボトックスを注射しても痙攣がコントロールできず、特に適応があると判断する場合には、眼輪筋切除が適正にできる限られた医師の紹介と、其の医師への手術の依頼とをします。

眼瞼下垂16、これとは別に、眼瞼皮膚弛緩や眼瞼下垂で上眼瞼が瞳孔領を覆う場合には、余剰皮膚の切除や挙筋短縮術を勧奨し、必要に応じて限られた医師のへ紹介と、其の医師への具体的手術の依頼とをします。

03036自分でも纏めてみて眼瞼痙攣の治療が広範多岐にわたっているのに驚きました。神経内科や皮膚科などでも眼瞼痙攣のボトックス治療を行なっている施設は多いでしょうが、眼の問題は眼科医に一日の長があると思います。最適な治療をお受けください。

03037経過観察からの脱落症例に対しては、郵便によるフォローアップの勧奨も時に応じて行います。という分類に属する12月までにボトックスの注射を受けてくださり、その後受診の途絶えた患者さんへのお手紙です。

患者友の会の会報第3号と”とれぼーの3月号”を同封しました。

03038拝啓
お元気でおすごしでしょうか?しばらく拝見できませんでしたのでお手紙差し上げます。このたび八社会のフリーペーパーに医師の四方山話を載せていただく機会がありましたので其の印刷物と第3号の友の会会報を同封申し上げます。
 お役に立てることがありましたらご来院ください。下に書きましたのは患者さんの質問に答えて作りました清澤眼科医院での眼瞼痙攣、片側顔面痙攣の治療についての概要です。
 その際、もしボトックスを注射するご希望がございましたら、予約日に薬剤を確保してお待ちしますので、前もってお電話での予約をお入れくださると幸甚です。
        清澤眼科医院 清澤源弘      電話5677-3930 敬具

今日も最後まで眼を通してくださりありがとうございます。

ボトックスに関する情報は297 清澤眼科医院通信81B号(2007年3月3日)にまとめました⇒リンク

清澤眼科医院通信最新ページへ(リンク)します

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