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2007年3月15日

306 Duane’s syndrome:デュアン症候群

030711○ Duane’s syndrome:デュアン症候群は先天的な外眼筋の神経との接続異常で、典型的なⅠ型では外直筋にも動眼神経の線維が入るので眼球の外転が弱くなっています。小児に先天性の外転神経麻痺が疑われるような場合にはその可能性も考えてみるとよいといったものです。 (管理頁

そもそもデュアン症候群は、先天性の障害で、

1、片方の眼球の外転障害(眼球が外側に向かう動きが足りない)(および症例によっては内転障害も見られる)

2、内転時の眼球後退(眼球が後ろに引っ込みます)

3、内転時の瞼裂狭少(2の後ろに引っ込むことによって瞼が下がるのですが、実際に目を閉じる眼輪筋も同時に働くかどうかははっきりしません)が主症状です。

このほかに

4、内転時の眼球の上下の変位(上下に眼球がずれた上下の斜視が見られます。)

5、牽引試験での抵抗感(挟んでも痛くないように点眼麻酔しておき、特殊なピンセットで麻痺している方向に引っ張ると特有な軽い抵抗があります。)

6、筋電図で見られる異常神経支配(外眼筋に双曲電極を置き、筋電図を記録すると通常見られる内外直筋が交代に放電するパターンではなく、同時に放電するのが記録できます。ただしこの検査装置は、筋肉の働きを調べる神経内科の大きな施設にしか通常はないものであり、通常の病院の眼科にはないものです。報告書を作るなどの特殊な目的でなければ普通は行いません。)

などが見られます。眼位は正位が多いが内斜視も見られます。

先天性のものなので複視の訴えは少なく、斜視、外転障害、眼球後退あるいは頭位異常を訴えます。

Ⅰ型では外転障害のみ、Ⅱ型では内転障害のみ、Ⅲ型では内外転の障害を持ちます。

Ⅰ型は最も多い型で、外転ができず、内転時には内直筋のみでなく外直筋にも放電が混じます。その原因は外転神経核の形成不全です。

Ⅱ型では内直筋は正常なのに内転ができず、内転時に外直筋が内直筋と共に強く放電する異常神経支配を持ちます。

Ⅲ型は内直筋および外直筋に異常神経支配があります。

デュアン症候群にはワニの涙(食べ物を見ると唾液が出るべき場面で涙が出るというもの)、難聴、脊柱側湾症などを伴うことが有ります。

昨年来日されたBosley先生が発見した3つの疾患のひとつがこのあたりのものでした。
Bosley-Salih-Alorainy 症候群 (BSAS; OMIM 601536),がそれでBSAS患者はhomozygous なHOXA1 を持ち、両側性のDuane眼球後退症候群3型と両側の難聴を示します。 神経画像は外転神経核の欠損と内耳の著しい変形そして内頚動脈の異形成を示します。これらの3疾患では神経画像所見は病気の臨床像およびその責任遺伝子が持つと考えられる構造の欠損に対応しています。

多くのケースで「外転神経核」とよばれる脳神経核の欠損ないし低形成が原因で起こります。

デュアン症候群の手術治療
1)正位では普通は手術しないが、内転時に眼球陥凹や瞼裂狭少が強ければ外直筋の後転を行ってよい。
2)内斜視なら内直筋後転、それで不足なら上下直筋の移動
3)外斜視なら外直筋後転、内直筋の前転はその後考慮

(斜視、弱視アトラス、丸尾敏夫、久保田伸枝著などを参考にしています。)

今日も最後まで眼を通してくださりありがとうございます。

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