三叉神経痛とは、(眼窩神経痛とは)(管理頁)(
概念:
顔や口の中など三叉神経によって支配される領域に発生する神経に原因のある痛みです.三叉神経が脳幹から出たところでは、髄鞘にもともと欠損部位があり、このあたりが血管や脳腫瘍によって圧迫されると其の部分の知覚線維に過敏性が生じます。この状態のところに疼痛誘発領域からの知覚刺激が加わると、痛みの感覚に抑制が効かず、激しい痛みが其の神経支配領域に放散します。これが三叉神経痛です。(図の出典)
(図:三叉神経痛、三叉神経痛の多くは、三叉神経の根本での血管による圧迫によって誘発されます。図の出典)
病態:。脳幹部から三叉神経が出現した近くで動脈により圧迫されるために発生するものが多いが、脳腫瘍やヘルペスなど様々な原因でも発生すします。
症状:
痛みは突発的な電撃痛で持続時間が数秒程度続きます。稀に持続痛の場合もああろます。痛みは顔面に触れるなどの行為で誘発され、歯磨き、食事などをきっかけに痛みが発生し、歯磨きや食事ができないと訴えます。
顔に寒風が当たるだけで痛みが誘発されることもあります。頻度は10万人に4~5人、高齢者で女性に多く通常は一側性です。
三叉神経の第2枝、第3枝、第1枝の順に痛みが生ずる頻度が高く、痛みは,頬のあたり,口の周囲,口の中,顎のあたり多いです、眼窩のこともあります(眼窩神経痛)。
痛みの誘発部位は各患者により一定で、疼痛誘発領域と呼ばれます。
三叉神経によるものなので、痛みは右側あるいは左側のどちらかに発生し,正中を越えません。
合併症、鑑別疾患:
動脈瘤の拡張に伴い眼窩深部に痛みを訴えることがあります。また、副鼻腔疾患が眼窩に進展する場合に痛みを訴えることがあるので漫然と三叉神経痛と診断するのは危険です。
ドライアイでも角膜の痛みとしてではなく、眼窩深部の痛みと訴える患者がみられます。
診断:臨床的特長を勘案し、必要に応じてCT ないしMRI の画像診断を加えて診断します。薬物に対する反応性も診断の材料になります。
治療方針:診断確定後まず薬物療法を試み、この段階でペインクリニックへの紹介も考えます。
難治性のものには神経ブロックや手術的治療法もあるので、適切な時期に眼科医から専門医への紹介も考慮してもらうのが良いでしょう。
具体的治療法:
薬物としては抗てんかん薬のテグレトールが有効です。テグレトールの服用でめまいを生じることがあります.テグレトールが,無効な場合や治療中にその効果が弱まる場合には、高周波熱凝固や神経ブロックなども行われます。
原因が血管による圧迫の場合には顕微鏡下血管減圧術(Janetta手術)も考慮されます。これは三叉神経を圧迫している上小脳動脈や前下小脳動脈と三叉神経の間にテフロン綿などを挟み、圧迫を取る目的で行われ、血管の圧迫により発生する三叉神経痛に関しては手術治療効果が期待できるとされています.
予後:手術治療でも約20%に再発が見られることがありますが、おおむね薬剤を併用してコントロールすることが可能です。
今日も最後まで眼を通してくださりありがとうございます。
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