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2007年1月7日

250 嚢胞様黄斑浮腫、cystoid macular edema、CME、

嚢胞様黄斑浮腫

黄斑部は網膜の中心であり、網膜の視力に最も関係する領域です。この黄斑部に網膜の血管から水分が漏出して黄斑網膜の膨化、嚢胞形成、そして非裂孔性の網膜剥離等を伴う変化を起こすことが有ります。これが嚢胞様黄斑浮腫CME(黄斑浮腫)です。原因疾患としては糖尿病網膜症(糖尿病黄斑症)、網膜静脈閉塞症などの血流障害を引き起こす疾患、このほか網膜色素変性症やぶどう膜炎、硝子体による牽引などでも見られる事が有ります。白内障の手術後にも見られることがあります(Irvine-Gass症候群:http://dro.hs.columbia.edu/pscme.htm)

CME-color白内障の術後に、はっきりした網膜の変化がないのに視力が中等度に低下しているような場合にこの疾患を考えて検査を進めます。

FAG-CME最も有効で普遍的な検査方法は、腕野静脈からフルオレッセンNaを注射しながら蛍光眼底写真を撮る方法です。

フルオレッセインは血漿のアルブミンと結合していますので、水だけではなくて高分子のアルブミンまでが血管からもれて出るような状態が網核にあると蛍光の漏出が網膜に現れます。この網膜からの漏れ具合を調べたり、眼底に中心窩を囲む菊の花のような形の蛍光貯留が見られます。蛍光眼底検査は、吐き気を催すなどのアレルギー反応を示す危険がありますので、私は大学病院に連れて行って行ってもらうようにしています。

optical coherent tomographyまた、最近は光干渉断層計(optical coherence tomography:OCT)が有用です。(図はhttp://www.eyetec.net/group7/M37S1.htmからの借用)

層構造スキャンの仕組みまず最初の網膜の構造とOCTの仕組み、それに正常な眼のOCTです。

OCT正常

DMCMEOCTで網膜の断層像を見ますと、網膜の中層に水のたまった構造物をはっきり見る事ができます。この画像は糖尿病での黄斑浮腫と紹介されています。

OCTは優れた方法ですが、機械が高価ですので、私はこの検査が必要と判断した場合、関連病院にお連れしてそこで行うようにしています。(つまり、水曜日午前の医科歯科大学眼科外来です。)

 CMEの治療は基本的には原因疾患の治療が第一です。しかし、黄斑浮腫の治療として、浮腫を早く引かせるさまざまな治療法が行なわれています。

内服薬として循環改善剤(カルナクリン)、血管拡張剤、プロスタグランディン阻害剤、炭酸脱水素酵素阻害剤(ダイアモックス)、点眼として炭酸脱水酵素阻害剤(トルソプトなど)、非ステロイド性消炎剤(ジクロード点眼液、ニフラン点眼液)、点滴としてプロスタグランディン阻害剤、血小板凝集阻害剤などがを用いることができます。

星状神経節ブロック、高圧酸素療法、汎網膜光凝固術、黄斑部の格子状光凝固なども行われます。これらは、いずれも黄斑部の血流の改善を促すものです。

もうひとつ、積極的な方法としてぶどう膜炎ではテノン嚢内にステロイド(ケナコルト)の注射を行うことも有ります。これは全身的な副作用も無く、眼圧さえ気をつけて行えば良い方法です。

硝子体牽引CMEまた、硝子体の牽引がその発生に関与している場合には、硝子体手術によって硝子体からの網膜黄斑部への直接的な牽引の除去、硝子体中の炎症物質の除去、内境界膜の除去、硝子体への直接的薬物の投与(トリアムシノロン、ネオバスチン)、網膜への直接的酸素供給により黄斑浮腫の軽減および視力上昇が期待できるようになりました。(この図の左右上方への引き上げが無くなれば網膜内の空洞もつぶれてくれそうに見えますでしょう。)

黄斑浮腫は、これまで治療の効果が期待しにくい疾患でしたが、硝子体手術を受けた場合などでは浮腫消失期間が短くなっています。黄斑浮腫の治療はここ数年の進歩で劇的に変わってきました。ご相談ください。

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