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2006年12月15日

233 滑車神経麻痺、上斜筋麻痺

眼球を内側に向けてこれを下に向けるときに働く筋肉が上斜筋です。今回はこの筋の麻痺を説明いたします。
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眼球を動かす神経のうち、滑車神経という第4番目の脳神経(これが左右一本ずつ有るのです)が上斜筋を動かしています。ですから、上斜筋麻痺と滑車神経麻痺はほとんど同じ意味を持っています。

12123この筋肉には眼球の前後の軸の周りを、眼球の上端が内側に向かって動く方向に廻旋させる働きもあります。このため、この筋の単独麻痺では上下や内外への左右の眼で見える画像のずれだけではなくて、廻旋性の傾きのある画像のずれ(複視)を生じます。つまり、水平線が左右の眼では違った水平線を示すような事態が発生します。

12124さらにこの筋肉は内側に視線がよったときに眼球を下に向けて引っ張る働きもありますから、内転位では麻痺側の眼が上にずれることになります。

出血、梗塞、脱髄、外傷など多くの原因でこの神経は侵されます。
たとえばRushによると腫瘍が4%、外傷が32%、動脈瘤は2%、虚血が18%、その他が4%で不明なものも36%あります。

Bajandasの教科書では大雑把に見て、新生物と動脈瘤で10%、虚血が20%、不明が30%、外傷が40%と教えています。

12125この教科書では、滑車神経麻痺の記載の大きな部分をパークスとビルショフスキーの
3段階テストというものに使っていますが、これは大掛かりな道具を使わずに滑車神経麻痺を見出す方法です。一般の患者さんや家族の役には立ちませんのでここでは省略します。

12126治療法には一般的な保存療法のほかに上斜筋のタッキングというのがあって、上直筋の下あたりでこの筋肉を縫い縮める手術が行えます。上下のずれなので、プリズムを試しても良いですが、傾きが補正できないので直筋の麻痺で得られるような患者の満足を聞くことは難しいと思います。

12126この筋肉が細かく痙攣するのが上斜筋のミオキミアです。患者は発作性で廻旋性の細かい片眼視野の振動を訴えます。この薬がミオキミアに効果を持つ理由はともかく、緑内障の治療薬のベトプチック点眼なども処方されます。

12127先天的な癒着や外傷などでこの筋が眼窩の上内側の前端に有る滑車と癒着して運動制限をうければ、それがブラウン症候群(Brown症候群)と呼ばれるものです。眼球運動の障害は単なる筋や神経の麻痺なのか筋の伸展や運動の障害かを見分けることも治療の前には是非必要なことです。

12111滑車神経麻痺で見られる”垂直性の複視”をきたす鑑別すべき疾患には、眼筋無力症、甲状腺性眼症、(腫瘍、外傷、炎症、吹き抜け骨折を含む)眼窩疾患、動眼神経不全麻痺、(スキュー)上下斜視などがあります。

今日も最後まで眼を通してくださりありがとうございます。

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