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2006年12月4日

220 国際神経眼科学会 2,3,4日目の演題から

この記事は筆者の覚書的な意味の強いものです。興味の薄い読者は読み飛ばしてください。

2001◎シンポジウム4、眼球運動

気になった演題
Marianne Dietrich、(Johanes Gutenburg大学、マインツ、ドイツ、彼女は知らないヒトからのe-mailを絶対に受けない人で画像診断の演者にしようとしても連絡がつかず新潟の高木先生と苦労をした思い出深い先生です。)演題は、脳の画像と眼球運動それに前庭系。 彼らには、前庭系刺激での脳血流への影響を見る実験がすでにしてありました。今回の発表は、
1、 脳循環障害で平衡覚に異常を起こした患者を集め、急性期と慢性期を比較したもの。
2、 下向き眼振の患者の脳糖代謝を調べその原因病巣を考えたもの。

この演題は後知恵としてはペットの研究に関与している私は、ぜひ聞くべきもので、演者にもぜひ声をかけるべきものでしたが、ぼんやりしていて聞き逃しました。

5001ランチョンセミナー 2、
徳島大学の梶龍兒先生。顔面筋に対するボツリヌス治療:顔面筋が痙攣を示すあらゆる疾患のビデオを示して、そのおのおのの特徴と治療のコツを丁寧に解説されました。明るい第二聴取室で弁当を食べながら聞いたので、眠くもならず、よく理解できました。(ぜひこの内容の書いてある文献を今後入手したいと思いました。⇒リンク)
全体写真:増上寺の本殿前で集合写真を取りました。J Neuroophthalmolのための現場役員の集合写真も撮ってもらいました。

5001◎シンポジウム7、神経眼科におけるロービジョン(低視力)

シンポジウム8、多視症 polyopia
まず大阪の不二門先生がレンズや角膜に原因があっておきる多視症を解説しました。この後、慈恵の仲泊先生が多視症と変視症を起こす後頭葉に原因がある病変の症例について述べました。また大阪の池尻先生が痴呆に伴う多視症の解説をしました。大変面白い話題ではありましたが、なぜこの話題がシンポジウムひとつに取り上げられるほどに重視されたのかが今ひとつ私にはわかりませんでした。

2001◎シンポジウム9、甲状腺眼症と重症筋無力症

次回会長が予定されているAnthony Arnoldさんの発表に拠ると、どうも眼筋無力症はステロイドで最初から治療し全身化を防いで全身化を10%程度に抑えたほうが、漫然と複視を抑える治療をしてしまって約半数を全身化させてしまうよりもずっと良い模様です。

なお彼はオルガナイザーのピナール アイディンさん(私の留学仲間)と向野先生に頼まれて、このイーグルという多施設共同研究共同研究があることを紹介しただけで、このメンバーではそもそもがないのだそうです。

現在、標準的な治療法を決める為の多施設トライアル(すなわちイーグル)が進められているらしいのですが、重鎮のトローべさんは、特に発言に立って、いまさら黒白がこれほど明らかなものに二重盲検を多施設でやって見ようなどというのは倫理的に問題がある。私は自分の患者が悪いと解っている治療法に当たるかもしれないようなくじを引くのはいやだからこの他施設トライアルへの参加を拒否したのだ。と強い語調で発言していました。

” border=”0″ alt=”2002” hspace=”5″ class=”pict” align=”left” />3002◎講演5、ビル ホイトと石川 哲の“世界中の厳選された症例報告“

私の友人でも有るタイのワニーチャさんは慢性のメタノール中毒があることを報告しました。この演題でワニーチャさんは後日優秀賞を受けました。

この日は7時半までのところですが私は6時で早退し、医院に戻って月末の雑務整理をしました。

21712月1日 金曜日

朝、コンビニで明日の講演のネタに使う分度器などの小物の購入。その後、学会本部の部屋を借り、明日の機械を使わない神経眼科検査の原稿の英語への下翻訳。さらに会場で講演を聞いていたBosley先生にお願いし、その校正までしていただきました。襟に留めたピンで突いて痛覚を調べるような検査はエイズに感染させる恐れから今ではすでに許されないことであることなども教わり、20年前に帰ったような楽しい瞬間でした。日本語でよかろうと考えていたところ、前後がすべて英語なのでそれではだめかと気がつき急遽英語にコンバートしたのです。見通しの甘さと準備不足を大いに反省しています。

” border=”0″ alt=”2002” hspace=”5″ class=”pict” align=”left” />3002◎オーラルセッション5
この日の朝には、韓国からMoonさんの“眼と口蓋のトレモールでは下オリーブ核のグルコース代謝は正常である“というPETを使った発表があったのですが、うっかりこれも聞き逃しました。

後日、同僚でPETを研究中の鈴木君や堀江さんの感想を聞くことにしましょう。

◎シンポジウム10 神経眼科における斜視

◎シンポジウム11 井上達治脳シンポジウム 座長はHortonさんと井上健治先生
Keiji Tanaka先生の話は、ものを見るときの型紙のような有限個のパターンが側頭葉下部にあるという彼の得意な話でした。打ち合わせ、スライド渡しのときに、偶然一緒になったので、”以前医科歯科に居た清澤ですが、15年ほど前の日本眼科学会のシンポジウムでご一緒させていただきました”とご挨拶申し上げましたら、覚えていますよと答えていただき感激しました。発表は、以前よりもさらに数学的な処理を加えて対象になる物体が分類されているのが印象的でした。

3003◎ランチョンセミナー3
石郷岡 純先生が“神経眼科を訪れる患者の精神的な側面”を解説しました。これも大変聞き易い良い話でした。演者は若倉先生が主導で作った不明愁訴と不定愁訴で山田先生と私と共に共著者荷を務めた精神科の先生です。

4001◎シンポジウム12 画像診断 1(臨床の話題から) このセッションは座長を私、清澤源弘がMcFadzeanさんとともにいたしました。
まず最初はKeltner先生、視神経炎の網膜と視神経の高解像度画像。網膜画像の解像度は驚くほどに発達していました。

次は滋賀医科大学の西田先生で、人の頭頂後頭葉における立体視中枢の話。以前すでに論文化された話ですが良くまとまった話でした。座長の不手際をカバーして口演時間も少し短めにしてくれました。

3番目が共同座長のMcFadzean先生。CTアンギオグラムで動眼神経麻痺患者で動脈瘤を捜すという話でした。画像はきれいですし、CTでできるといえばそうなのですが。日本ではMRIを依頼するとMRIアンギオは撮らなくていいですか?と聞かれる様な状況なのでCTアンギオがMRアンギオよりも特に良いのか?と座長として聞きました。どうも、演者はそういう意図ではないようでした。

4番目はわれらが鈴木幸久君の原発性眼瞼痙攣の脳糖代謝の演題。前回のこの学会でも一部を出したデータで、ボトックス後に痙攣が止まっていたものと止まってなかったものの比較を加えて、その差がはっきり出ました。すでに前回のこの会初め何度か出したデータですが、J Neurologyにこのデータを加えて最近やっとアクセプトされています。質問は“同一患者の注射前後は見たものがあるか?“というホートンさんのものでした。単にやってないので”ノー”または“アンフォーチュネットリー ノー“でよいのですが、控えめな鈴木君は言いよどんでい渡しが助け舟を出しました。
そしたら、次の演者のボーズレーさんは登壇の間際に壇から降りてきた鈴木君の肩に手をかけて、大変良い発表だったとわざわざ声をかけてくれました。そんな心遣いをしてくれるボーズレーさんに付けたことに私はまたまた感激しました。鈴木先生の研究には今後の発展を一層期待します。

”ペットでボトックスの前後を見るといいよ”というのは良い意見です。また昨日の梶先生に質問したアメリカ人のジョンソンさんの場外での私への意見は、片側顔面痙攣も見れば眼瞼痙攣の様なジストニア的な変化がきっと基底核に見られるはずなのだという意見でした。これも今後検討の余地が大いに有ります。

最後のボーズレーさんの話は原因遺伝子がすでに特定できた3種の脳の形成不全での脳幹での発達異常の話でした。ネイチャー・ジェネティクスやサイエンスにも載り、あまつさえサイエンスの表紙も飾った話です。私は月曜の大学での講義を聞いていたのでよく解りました。

3003◎シンポジウム13 画像診断2(基礎です)
座長は高木峰雄先生とNachevさん。
まず最初は慈恵の吉田先生の話でMRIを用いて繊維の走行方向を書いてやると半盲などでの視放線変化が画像上で見えるという話でした。これには質問をしました。各個人のデータ処理はどのくらいかかるか?実用的レベルかと聞いたところ、約30分との事でした。

最後は新潟大学の中田力先生でいつもの中田先生の節でした。3-7T のHigh fieldでの視覚領の画像の話題でした。

5001◎シンポジウム14は眼球運動の制御
まずシャープ先生の脳幹に付いての新旧の話題
次が医科歯科大学、神経生理学の篠田教授のお話
Del Osso先生は例によって眼球運動をそのまま記憶装置に入れてその原因も考えるという話。
最後はロンドンの万能な神経内科の大家のケナード先生でした。

4001◎この晩は東京プリンスホテルでのバンケット。ウイリス眼科の経験者に集まってもらい一テーブルにしてもらいました。娘の誕生日でもありましたので、家内とともに連れてゆき、優秀発表の賞状授与係の時には、娘を連れて演壇にも登壇しました。
私にはもう二度とくることの無いであろう最高の学会のバンケットでありました。

12月2日(学会は第4日目)
午前の大半はアジアで行われるウォルシュソサエティー(症例、画像、病理のトレーニング会)。大変よく出来てましたが副会長の一人の柏井先生は日本人の病理医と神経放射線医が集められなかったと残念がることしきり。

4004昼のランチョンはいよいよ私の出番。“藤野貞先生に学ぶ機械を使わない神経眼科検査の実際”というスキルトランスファーです。自分で言うのもなんですが、神経眼科の神様3人(William Hoyt, Thomas Hedges II,それに向野先生)に囲まれた割には笑いも取ってまずまずのできでしょう。岡部先生の批評は辛く、1)このような場面のマイクはヘッドマイクにすべきだ。2)何をしているか遠くて分からないから、実技の拡大写真が欲しいとのこと。私の準備不足は明白で反省点多しです。

午後は本会議場は英語でアシノスが行われ、第二会場は日本語での神経眼科学会でした。
以前医科歯科にて少し神経眼科野研修もされたニポン・チラパパイサンさんも10年間に有った症例の眼窩偽腫瘍の多数例のまとめを出していました。

夕方はアシノスの理事会。次回は台湾です。
この役員会の後、小会場で解散パーティーが行われました。

3人の副会長野一人が言ってははばかられますが、大変良く企画され、多くの参加者も集まった最高に良い会になったと思います。

(改定 2006、12、4)

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