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2006年11月30日

219 国際神経眼科学会 11月29日(初日)の演題から

◎ジョンスホプキンスのNiel Millerさんによると、網膜中心動脈の閉塞にも最近心筋梗塞などで行われるようになったTPA (Tissue plasmin activator)をカテーテルで注入する治療が選ばれる時代が来そうです。一医師としてこれに対応するには、一刻を争うものなので治療適応の条件を予め特定の血管外科の医師との間で決めて置き、もしそのような患者が来たら即刻眼科の適切な評価を行って、一時間も無駄にしないで即刻治療血栓溶解の手術を開始してもらう体制を血管外科治療の得意な特定の脳外科医との間で作っておく必要が有ります。

◎脳血管障害による半盲患者の視野回復は発症3月以内に起こります。それを促進しようとする試みがあり、これに関した発表がイギリスのkennardさんと、エモリー大学のNancy Newmanさんからありました。後者は、毎日1時間のリハビリ訓練をするもので、視野が本当に回復するのか、訓練で注意と視線を半盲視野内に導くのか、単に偽薬効果なのかの判定は難しい様ですが、今後の発展が待たれます。

◎Neuro-Ophthalmology Virtual Education Library (NOVEL) Projectという北米神経眼科学会から公開されている神経眼科教育のための膨大な資料の紹介がありました。授業のスライドなどに借用するには有用なものの様です

◎レーベル病は代表的な視神経が萎縮に陥るミトコンドリアに原因がある疾患として知られて居ますが、その発生にはアポプトーシスや酸化ストレスに対する抵抗性などを決める二次的な本人の素因に関連した要因が関与しているようだと、慶応大学からの真島先生は話していました。

○カリフォルニアにあるDoheny研究所のSadunさんはブラジルの集団でのレーベル病の話を、英国ニューカッスル大学の中国系のManさんはx染色体にあるレーベル病の発症に関連する部位の話をしていました。

○上丘の上の部分は固視に関連し、上丘の下の部分は急速な眼球運動に関連しているのですが、医科歯科大学の杉内さんはその機序を単電極の実験結果で詳しく説明していました。井沢さんの発表も垂直の衝動性運動を同様の方法で極めたものでした。

◎Dell’Ossoさんは眼振をとめる筋の一部切除について豊富な眼球運動の記録を使って説明をしました。日本には眼振を減らす手術を頼める先生はどの程度居るのでしょうか?

◎今日の午後の話題では、瞳孔を持続的に収縮させるメラノプシンを含む神経節細胞を介した神経機構が新たに解明され、それが特異的に青色光に強く反応するというアイオワのGamlinさんの新しい話が聞けました。そういえばアイオワシティは瞳孔の大家スタンレートンプソンさんの居た町です。私が石川哲先生に神経眼科の手ほどきを受けた頃何人ものアメリカの大家を紹介してもらって、怖いもの知らずに話を聞いたのですが、このトンプソンさんもマイアミのグレーーザーさんもこの会にはでて見えなくなりました。フィラデルフィアのヘッジスさんはまだ見えています。

kawasaki Akiさんはスイスに住んでいる日系アメリカ人ですが、このメラノプシンに関連した系を使って、網膜性の病気か?視神経の病気か?を区別できる可能性があるという話をしていました。

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