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2006年11月7日

206 眼瞼痙攣治療の現場から(投稿原稿)

眼瞼・顔面けいれん友の会
会報の第3号に原稿を掲載してもらえる事になりました。

内容は「治療の現場から」ということで治療する立場から
何か患者に言いたいこととか、日頃感じる事を
1ページ分掲載してくださるそうです。

思うままに考えて書きました。(括弧)は短縮したところを補ったものです。

眼瞼痙攣治療の現場から 清澤眼科医院 清澤源弘

ブログ“清澤眼科医院通信”にも私の思いを書きますので、御覧ください

1、 手で上瞼を支えて眼を開く(開瞼失行の傾向の有る)患者さんにはクラッチ眼鏡が意外と良いです。患者会で聞き、当医院で患者さんに試したら5割以上の支持率でした。(眼鏡の縁に隠れますから)あまり目立たず、価格も(一個)5000円程度で、(設置は)片側だけでよいです。軽い刺激効果で自力での開瞼を助けます。

2、 注射するボトックスの量は、原発性眼瞼けいれん>片側眼瞼けいれん>顔面神経麻痺後の異常神経支配の順で良いです。ベル麻痺から回復して片側顔面痙攣の状態になっている患者さんでは、通常量(2.5-4.0単位)を使用すると多すぎで、麻痺が再現してしまい、具合が悪いです。一点宛の注射量を1.25単位などごく少量にすると評判が良いです。

3、 注射量が多いと顔の表情が乏しくなり、流涙や乾き眼感が強くなります。私は(開業後)少し注射量を少なめにしています。注射量が少ないと効きが悪いとは言われることになりますが、(大学で経験した)効き過ぎて眼瞼下垂や複視をおこす(事例)よりは余程救われます。

4、 “今回のボトックスは効きが良くない“これも良く聞く患者さんの声です。私は、ボトックス初回では2日、1週、1月で3回再来予約とし、2度目以降は1週と1月の2回再来予約とします。慣れてくれば、電話で”注射後の状況がよく、(今回は)予約キャンセル“と伝えてもらいます。”今回はまずまず”と再来で言っていただくとうれしくなります。他の(ボトックスを打っている)先生に聞いても、効きの強い時と弱い時があるようなお話。実際の力価のばらつきは(ドニくらい有るのでしょうか)?1週か1月でどうしても効きが弱いとおっしゃる時は(無料での追加投与も)考えることがあります。

5、 難治例に対する炭酸ガスレーザーを用いた眼輪筋切除術を兵庫医科大学の三村先生がしているそうです。これは上瞼の皮膚を一定の幅で柳葉状に切除します。術後患者の満足度は高いそうですが、術後もボトックスの使用頻度は減らないそうです。新治療を受けるという心理的効果と、皮膚切除による効果も助けての有効回答か(も知れませんが、それの優れた治療のうちです)?当院にはレーザーが無く、行うとすると挟瞼器とメスを使うことになります。三村教授は(私の質問に答えて)それでも良かろうと答えてくださいました。

6、 ボトックスを長年打っていると、顔見知りの患者さんが増えてきます。再来日に見えないと風邪でも引いたかなど心配します。しかし、ボトックス注射予定日に(無断で)現れない患者さんはほとんど居ません。値段が高いこと以外は、総体的にこの薬効は(患者さんをこれだけ引き付けるくらいには)良いということだと思います。
7、 抗精神薬や眠薬に因る遅発性ジスキネジアも眼瞼痙攣を示します(有名な若倉先生の論文があります)。基の病気の治療薬は(なかなか)止め難く、(治療薬を替えていただくための)精神科主治医との交渉も(精神科の先生は皆さん優しい性格ですが)結構気疲れします。

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