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2006年11月3日

201 PHPV persistent hypertrophic primary vitreous 第一次硝子体過形成遺残

図は(後部)第一次硝子体過形成遺残の眼底写真です⇒出典へ   (管理頁
第一次
眼底に視神経乳頭から立ち上がる線維性の索状物が前に向かって伸び網膜もゆがんでいるのが見えます。

通常この疾患では視力が不良で、小眼球、網膜の裂孔を伴う牽引性網膜剥離、異常な血管からの硝子体出血などが起きることが有ります。

通常、その視力不良は斜視や眼振によって引起こされます。

桔梗第一次硝子体過形成遺残の発生:

卵から動物の体が形成されてゆく過程で眼は神経管という将来は脳や脊髄になる組織から2つの眼盃として伸びだしてきます。

やがてこの眼盃は周りの組織を包み込んで眼内の構造物として形を成してゆくのですが、はじめに眼球の中央で眼球を満たす成分になるのが第一次硝子体(だいいちじしょうしたい)と呼ばれるものです。

通常この第一次硝子体は後に透明なゼリー状の硝子体に置き換わるのですが、人によってはこの置き換えが充分になされないで、硝子体の中で水晶体(眼の中に備わったレンズです)の後面と眼球内に現れた視神経の前端を前後に結ぶような形の紐状の白い濁りを残します。

これがPHPV(第一次硝子体過形成遺残)と呼ばれるものです。

この疾患のお友達友理さんの記録に⇒リンク

場合によっては水晶体の後ろの面を一面に覆うために、目を正面から見たときには本来黒い色をしているはずの黒目(瞳孔)がその後ろの白いものの為に茶目の中央が白く見えます。

この疾患であれば、出生時にはもうPHPVの増殖は止まっています。

その白い構造物がその眼の視線をさえぎり、視力の発達を妨げ、またその混濁を取り除くことで正常に近い視機能の発達が期待できるのであれば、硝子体茎離断術(ビトレクトミー)の対象にもなりえます。

このように新しく生まれた赤ちゃんの瞳の中が白く見える状態を白色瞳孔と総称します。

桔梗われながら不思議に思うのですが、私は28年前に出された眼科の試験問題を今も鮮明に覚えています。

それは、昭和53に私が医学部の6年生だった時の卒業試験の4-5問題のうちの一問です。当時の東北大学の水野勝義先生が出された問題でした。

当時も英語のタイプライターはありましたが、日本語のワープロはまだ普及してなくて、数問の問題がわら半紙を縦において、それに謄写版印刷で書かれていました。

白い瞳孔
その問題はこの”小児に白色瞳孔を来たす疾患を多い順に上げて、そのそれぞれを説明せよ”というものでした。

当時は知っていることや想像できることのありのたけ書き並べたものでした。

今その答案を自分の知識と経験(当時は見たことも無い疾患の知識でしたが、その後それぞれの疾患の患者さんを実際に治療する経験には恵まれました。)で答えると次の様なものとなります。

白色瞳孔を示す疾患には、

先天白内障
1)先天的な白内障:(生まれたときからすでにある白内障という意味です。ちなみに白内障は、目の中にあるレンズ=水晶体の白い濁りです。)これは母体の風疹感染や子供がダウン症候群であるなど胎児の時の何らかの原因で発生しますが、生後にはあまり進行しないです。眼底が見難いほどのものが片眼にあるならば比較的早期の手術対象にもなりえます。(⇒図の出展にリンク)

第一次
2)PHPV、persistent hypertrophic primary vitreous; 軽い物まで含めれば頻度は2番目程度に多いかも知れません。手術するとすれば硝子体切除に赤ちゃんに対する人工レンズの移植まで同時に行うことを考える必要が出てきます。
未熟網膜症
3)未熟網膜症retinopathy of prematurity:生まれたばかりの赤ちゃんの網膜の未熟性を原因としておきる網膜血管の引きつれとその結果で見られる網膜剥離です。低体重児では早期に発見し網膜の無血管領域に対して網膜光凝固や網膜冷凍凝固などを施して網膜剥離を予防します。進行した網膜剥離には硝子体茎離断も試みられます。水晶体後面線維増殖、retrolental fobroplesia レトロレンタル ファイブロ プレジアは未熟網膜症の進行したかたちでした。(本ブログの別項目に未熟網膜症をやや詳しく説明を書きました。⇒リンク)(⇒図の出典

FEVR
4)FEVR(家族性滲出性硝子体網膜症)familial exdative vitreo retinopathy:網膜剥離をきたす遺伝性の疾患でその網膜の変化は未熟児網膜症に似ています。生後も網膜の引き攣れは増強してゆき、難治性の網膜の剥離に進展する場合があります(⇒図の出典にリンク)

網膜芽細胞腫写真
5)網膜芽細胞腫:(赤ちゃんに見られる網膜の癌です)、癌ですが家族性(遺伝性)の要素もその発生には見られ、可能であれば網膜冷凍凝固などの眼球は残すような治療を試みます。

この記事では眼底写真を世界各地のHPから拝借して有ります。お許しください。

今日も最後まで眼を通してくださりありがとうございます。
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