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2006年10月30日

199 ビジョンケアセミナー2006(医療経済とコンタクトの話題他) 印象記

ビジョンケアセミナー2006が10月28日・29日にジョンソン・エンド・ジョンソンの主催、東京都眼科医会の後援で開かれました。 (管理頁

ジョンソン・エンド・ジョンソン社は日本でも最大のコンタクトレンズ販売シェアを誇る会社です。その会社の社会貢献の一環としてこのセミナーは開かれています。同じテーブルには山形市の井出醇先生(⇒リンク)、数寄屋橋で眼科医院をなさっている深沢先生、世田谷のT先生、私のコンタクトレンズ診療の師匠の佐野先生等がおいでになり楽しく意見交換もできました。

セッション1はまず医療経済で大鹿哲郎先生が座長。

第一の演題は吉田博先生の”2006年保険法改正のポイントとコンタクトレンズ診療への影響”というお話でした。

この話題が今回のセミナーでは最も私にとって聞きたい話でした。

現在のコンタクト診療では、”診療所長とは名ばかりで責任医師以外の資本に支配された(営業利益を追求する)診療所において、診療所職員がレンズ選びをもっぱら行い、眼科医としての教育訓練も受けていない(アルバイト)医師がコンタクトレンズ処方のサインだけをするという質の悪い眼科医療がなにがしか混在してしまっている”と考えられていました。

また眼科保険医療全体の中で、コンタクトレンズ診療に取られる医療費が占める割合があまりに肥大化してしまったという現実がありました。

その是正の為に、この4月の医療費改定では眼科診療所を(1)コンタクトレンズ患者が70%未満の一般の眼科診療所と、(2)コンタクトレンズ専業でコンタクトレンズ処方患者が全体の70%を超える眼科診療所に自己申告で分けられました。

そして、一般の医院でもコンタクトレンズ診療に関する診療費は切り下げられ、更にコンタクトレンズ専門の診療所のコンタクトレンズ診療に関連する診療費はさらに大幅に切り下げられたわけです。

その結果、吉田先生の示されたデータではコンタクト専業ではないが地方の典型的な、コンタクトレンズも取り扱うような医療機関の月当たりの保険請求総額は2-3割も減少したもようです。

しかし今度の改正には、最初からいくつかの矛盾点がありました。

最近の再度の改定の告示によって、網膜や視神経の疾患や緑内障などがあって、その診療が適切に行われている場合には(コンタクトレンズの処方は請求せず)、従来の疾患の治療費を算出する方法での請求ができるというように、指示が変わりました。

今回の講演の要旨と、聴衆がもっとも聞きたかったのはこの部分の詳細であったと思います。

4月の改定の結果、コンタクトレンズ専業の診療所では閉院となったところも出てきましたし、一般の眼科診療所でも”家はコンタクトレンズを扱いません”と宣言するところが出てきています。

ある先生が質問されたように、”質の悪いコンタクト診療を振るい落とそうとしたら、患者さんが毎日必要としていたコンタクト診療を行っていた診療所までもがコンタクトレンズの扱いから手を引いてしまい、結局迷惑をこうむっているのは患者さんである。”というような現場でのおかしな混乱が続いています。

この問題が落ち着きを見るにはしばらく時間がかかることでしょう。


第2の演題は経営コンサルタントの垣岡淳先生の”患者視点から見たコンタクトレンズ診療のあり方”というお話でした。

コンタクトレンズを買いに患者さんが訪れる場合、眼科医療の従事者にとっては”保険証を持ってまず眼科を受診”が常識です。

しかし、初めての患者さんには”コンタクトレンズ販売所のドアと医院のドアのどちらを開いて入ったらよいのか?”というところから説明してもらわなければわからない、というところから話が始まりました。

さらに、眼科医に対するいくつかの注意点が示されました。曰く、

1、レンズ決定に必要な検査の目的と内容を必ず検査の前に説明すべきである。

2、検査が済んだら、患者の目の状態につき、説明(フィードバック)が必要。

3、患者の目の状態やコンタクトレンズの利用状態に合わせて、複数の選択肢の提示が必要である。

4、患者は”決めるのは私だ”、と思っているから、プロフェッショナルとしてのさりげない推奨をすべきで、選ぶレンズの種類を押し付けてはならない。

5、患者の医院に対する印象を決めるのは販売窓口である。だから、購入商品の説明、確認、各種案内(購入者の特典は何か?、左右はどうなっているか?、次はいつ受診すべきか?など)の説明(これをサービスを終了するという意味でクロージングと呼ぶ。)は充分丁寧に行うべきである。

これは、患者さんを(尊重しないまま、)患者様と呼びかえれば済むといった事柄ではなく、サービス業としてのハートの問題です。医療従事者が持ちがちな”どんなレンズを買わせるかは医師が決める事柄”という態度はまったく時代遅れということです。

自分が本当に最適と思うものを論理的に説明し、顧客(患者さん)を納得させて推薦品目の購入に導く事のできるのがこの場合はコンタクトレンズ診療のプロということでしょう。

私も、自分のコンタクトレンズ処方の為の検査と説明の手順内容を、この辺も再度考えて、再構築したいと思いました。

大鹿先生のコメントで、”診療を待つのは許せるが、会計を待たされるのは我慢がならないという患者心理がある。”というのも大変印象に残りました。

診療が終わった患者さんの会計は、次の新患カルテの表紙書きよりも優先すべきなのかも知れません。

私は従来から気にはしていたのですが、カルテを新たに作る患者さんでは、住所、氏名、保険証番号および電話番号などの表紙情報だけを先にもらって、受診理由の記載は、診療開始までの待ち時間で十分な時間を与えて、ゆっくり埋めてもらうのも手かもしれません。

第2部のテーマは”シリコーンハイドロゲルの現状”大橋祐一先生と前田直之先生の司会でした。

日大の伏見典子先生は”シリコーンハイドロゲルレンズの特徴”、
梶田雅義先生は”シリコーンハイドロゲルレンズ処方のコツ”、
工藤昌之先生は”シリコーンハイドロゲルレンズのケア”を話されました。

現在、日本で販売されているシリコーンハイドロゲルレンズはチバビジョン社のオーツーオプティクスだけです。

このレンズは私も推奨しているものなのですが、今回このセミナーでこれが演題に選ばれたということは、ジョンソン・エンド・ジョンソンが近日この素材のレンズを発売するという重大な事情が隠されています。

第3のB社も近日販売開始予定を持っていますから、頻回交換(デスポーザブル)コンタクトレンズ市場の中でシリコーンハイドロゲル(シリコンハイドロゲル)の占める重要性はこの一年で急増することでしょう。

(すみません、第2日は失礼をいたしました。 ⇒二日目のことを記載したO先生の記事へリンク)

今日も最後まで眼を通してくださりありがとうございます。
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