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2006年10月21日

190 第2回神経・筋疾患に関するボツリヌス療法懇話会 印象記

高輪プリンス貴賓館
10月21日
高輪プリンスホテルで第2回神経・筋疾患に関するボツリヌス療法懇話会が開かれました。帰りに脇を通ったホテルの貴賓館は明治の建物で美しかったです。

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第1部:症例の検討;
1、2 (略)
3、涙の多い眼瞼痙攣の症例に対しボトックスを涙腺に注射して流涙をコントロールする。という演題:中村記念病院 阿部剛典 先生

清澤のコメント:ボトックスは汗や涙などの分泌も止めることが出来るのですが、私自身ではこのようなボトックスの使い方の経験はありません。若倉先生は眼科の立場で経皮的に打つのでは無く、結膜を2重翻転して直視下に涙腺にボトックスを入れることが出来るとコメントを追加して居られました。

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第2部
1、痙性斜頚に対するリハビリテーションアプローチ 国立病院機構村山医療センター 田中尚文先生

清澤コメント:バイオフィードバックとボトックスを組み合わせて痙性斜頚を治療するというような話でした。

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2、ボツリヌス毒素による脳性麻痺患児の治療経験および治療効果の評価法の検討
佐賀整肢学園こども発達センター 整形外科 劉斯允 先生

清澤コメント:脳性麻痺の強い子供で後弓反張が強く、痛みで眠りも取れないような子供の脊柱の左右に打つことで、休めるようにすると”介護の手間”で評価した点数が改善されるという話でした。なるほどという感じ。

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3、眼瞼痙攣・片側顔面痙攣の長期予後 兵庫医科大学 眼科 三村治 先生

眼瞼痙攣、片側顔面痙攣とも初回注射後90%以上の患者が再注射を希望し、その後の経過で眼瞼痙攣17%、片側顔面痙攣19%の患者で軽快終了することが出来た。一方無効、副作用、経費などで各12%、8%が脱落した。長期入院や転医などでさらに多少脱落した。ボトックスの投与間隔は長期投与しても、延長も短縮も特定の方向性は無かった。また、炭酸ガスレーザーによる眼輪筋切除も大変喜ばれてよい方法であるが、ボトックス投与は終われるわけではなく、ボトックスの間隔には変化がないとの事。

清澤のコメント;眼瞼の皮膚が弛緩して瞳孔にかかるものや、痙攣が強くてボトックスの利きが不十分なもの、それに開瞼失行症などには眼輪筋切除はよさそうである。通常の挟瞼器でも手術は充分出来そうである。

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4、尿失禁に対するボツリヌス毒素膀胱排尿筋内注射療法の経験 鳥取大学腎泌尿器科 宮川征男 先生

清澤コメント:膀胱内にボトックスを打つと尿漏れをとめることが出来る。脊髄損傷などで導尿をしている患者ではこれでよいが、そうでないと腎臓を傷めてしまうのでその対策も必要とのお話。

この膀胱内への使用も新たなボトックス治療の展開です。痛覚の抑制や外分泌ノ調節(手掌発汗や流涙の抑制)などにもボトックスは利用価値ががあるらしく、頭痛に使ったりその他もろもろの使い道が次々に示されています。

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意見交換会:
昨年は講演をさせていただいた会でしたが、今回は多少の質問をした以外は、話を聞くだけにとどまりました。若倉先生(井上眼科病院)、三村教授(兵庫医科大学)、中馬先生(宮崎医科大学)、丸尾先生(丸尾眼科、帝京大学)、岩田誠先生(女子医科大学神経内科⇒関連記事にリンク)、堀内正浩先生(聖マリアンナ医大)、梶龍児先生(徳島大学)、本田明彦 氏(GSK社マーケティング本部副本部長)など錚々たる方々と直接お話が出来、有用な半日でした。

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