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2006年6月19日

116 眼球打撲後の飛蚊症

外傷後の飛蚊症 11才男児

これまた患者の気持ちに在る当医院の質問箱に寄せられた質問の質問と答です

はじめまして。
ネットで検索していてたどり着きました。
丁寧に説明されてるのを見て本当に患者の気持ちになって接しておられるのだと感心致しました。

実は、11才の息子が今年1月に眼を打撲し、下瞼を5針縫合し「眼球の浮腫、眼底出血、隅角が裂けている」と言われました。
視力は落ちていないようですが最近打撲した方の眼が反対に比べ下方が見えない、右に透明のミミズみたいなのが日に7~8回見えると言い出し眼科を受診しました。
医師と向かい合っての簡単な視野検査と散瞳して眼底検査もしましたが大丈夫と言う事でした。

そこで質問なのですが、視野検査は両目でしたのですが片方づつしなくてもいいのでしょうか?(両目だと見えない目の欠けた部分を反対の目が補うような気がするのですが・・)
打撲から5ヶ月以上経っていますが、飛蚊症・視野狭窄などになったりしますか?
(他の事が原因でしょうか?ゲームとかよくしますが・・)
眼底検査で大丈夫という事は、硝子体剥離はなかったんだと思いますが、打撲による飛蚊症でも眼底検査で分からない事はありますか?
治療法もなく11才でこれから一生飛蚊症と付き合って行くしかないのかと思うと心配でなりません。

お忙しいところ、質問ばかりで大変恐縮ですが宜しくお願い致します。

答え


子供さんの眼の怪我と言うことですのでさぞご心配なことでしょう。
眼球を打撲するといろいろな眼の怪我を生じます。

1)まず下瞼の裂傷は縫合されたと言うことですから問題はすんだと見てよいでしょう。よく縫わせてくれたと思います。11歳は局所麻酔で処置できる限界的な若い年齢です。

2)隅角解離は、眼球を前から押すような外力が加わったときに虹彩(茶目)と水晶体(眼の中のレンズ)が後ろに無理やり押し下げられて下がって、虹彩の根元が角膜との間で裂けておきます。
軽くともあとで眼圧上昇の原因となりますから、数ヶ月は眼圧の継続的な測定が必要です。
また光が通るほどに裂けると複視をおこしますのでその場合には場合によっては虹彩根部の逢着も考えられます。
この外傷で注意すべきものは遅発性の眼圧上昇(緑内障)です。眼圧と視野を見ていただいてください。

3)網膜硝子体出血がおきると、飛蚊症を訴えます。
出血以外にも眼球内に外傷に伴う濁りがあれば虫が飛ぶと言う訴えはありえます。
しかしこの症状自体は次の網膜剥離さえなければあまり心配する必要はありません。
いずれ消えるか慣れるかしてしまうでしょう。

4)網膜剥離(当ブログ内のより詳しい解説にリンク):眼球打撲ではしばしば網膜の最周辺部に裂傷が出来、網膜がその裏の網膜色素上皮から剥離します。その場合には、瞳を散瞳して眼底検査をすればその存在が分かります。この病気は見つかったら即時、手術が必要です。
(硝子体が網膜から剥がれる硝子体剥離だけならば問題は少ないです。)
上に網膜剥離があれば、視野は下が欠けてきます。対座法と言って指が見えるかどうかを聞くだけの方法もありますし、視野検査の機械を使う場合もあります。
この場合、問題になっているのは片目の視野なので、片目ずつ両眼を調べるのが良いでしょう。
殊にゴールドマン視野を図って裏返して重ね合わすとどこが狭いかが良く分かります。

5)このほか、やや鈍的に眼窩内の軟部組織が圧迫されるような外力を受けると吹き抜け骨折と言って、眼窩を構成する骨のうちの内側や下側の壁をなす薄い部分が骨折し(薄い板が割れる感じです)、この結果眼を動かす筋肉が挟まって量目で見たときにものが二重に見える障害(複視)をおこす場合があります。複視が酷い場合には耳鼻科や形成外科で手術を行います。

6)視神経が眼球から後方の視神経管(視束管ともいいます)を通って脳に向かって入ってゆきます。こめかみをぶつけるようなぶつけ方では、このあたりの視神経に(直接の挫滅であったり、微小な血管の障害であったりの)障害が起こって視力の低下や視野の欠損が起きることがあります。このような障害を外傷性視神経症と言います。視神経管骨折というのはその最も激しいもので、事故の一瞬に骨折がおき、視神経が圧迫され挫滅して視力が失われるものです。耳鼻科手術などで圧迫の解除が試みられますが、その視力予後はあまり芳しくありません。

ご質問の点をもう一度整理して示して、再検査をお近くの眼科でお受けください。

今日も最後まで眼を通してくださりありがとうございます。
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