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2006年6月19日

115 調節緊張?心因性視覚障害?(Q and A)

調節緊張 ジュネビーブさんからの相談  [小学校2年生 調節緊張]

患者の気持ちにある当医院の質問欄によせられた質問の答えです。

今年2月中旬から「目の前に紫色の水玉が見える・朝起きた時目の前がぼやっとする・頭痛」などの症状が出たため診察を受けたところ調節緊張と診断され、目薬が処方されました。

3月下旬の健診では視力など全て正常値に戻ったものの、先月からまた調節緊張(吐き気や目の下が痙攣するなどの症状がでる)になってしまい、「学校が休みになると全く正常になる。環境要因が大きいのでは」と指摘を受けました。

1年生の健康状態からみて(友だちとトラブルがあったり、テストが続いてプレッシャーがかかる日々が続くと、夜に下痢をしたり、吐いたりしたことが度々ありました)
両親とも近視、父親は緑内障です。娘は1日の読書時間が朝・帰宅後1時間程度、ゲームはしません、テレビは水曜日に20分、日曜日に50分ほどです。

答え
お子さんの眼の症状につきお問い合わせありがとうございます。

調節緊張は仮性近視とも呼ばれ、過重な近くを見る作業を続けることを原因として、一時的な近視が学童に見られる現象です。

小学生が学校検診で裸眼視力の低下を指摘されて受診し、眼科で行った視力検査でも近視が検出されるが、ミドリンで散瞳すると近視が減るということで診断できます。
多くの学童の近視は、眼球軸の延長による(確定した)近視とこの調節緊張が重なったものが多いと思います。

したがって、小学生の近視にはしばしば近視と共に調節緊張の病名がつけられ、ミドリンMが処方されます。

(キヨサワ眼科医院通信の記事”近視と調節緊張(学童の眼鏡)”を参照ください。
(https://www.kiyosawa.or.jp/archives/50459335.html)
しかし、この小児の調節緊張には通常は吐き気や頭痛のような症状は見られません。

心因性の要因で見難くなるものに、心因性視力障害があります。しばしば、この場合には視野の螺旋状(測定しているうちに狭くなってゆく)またはトンネル状の狭窄(遠くで測っても近くで図っても見える範囲の面積が変わらない異常な視野。通常は遠くなるほど見える面積が広がる)も見られます。

これは精神的な苦しさを体調の悪さに転換して表現しているわけで、精神神経科の用語では転換性障害と呼ばれています。
(視覚の症状ばかりではなく、歩けなくなったり、腹痛を訴えたりする場合もあります。古くはヒステリーとも呼ばれていました。)

この疾患では普通は、身体には視力や視野の障害、そして吐き気や嘔吐を引き起こすような本当の病気はありません。
それが、休みの日には苦しがらないと言った症状の現れ方に関連しているのでしょう。

このような症例では、よその家のことながら、親御さんの子供への期待があまりに強く、”これでは子供も大変だろう”と感じられる場合もあります。
また、親御さんが”ずいぶん健康を理屈で理解しようとしすぎている”と思われるようなケースもあります。

この疾患が疑われて、器質的な疾患(脳腫瘍などの本当の病気)が除外できれば、多くの場合には継続的な経過観察だけでよくなってくることが多く見られます。
ご両親が問題の本質(精神的な負担)に気がついたことが症状の改善をもたらすのだと思います。

精神科でこのような症状の子供さんの治療を得意とする先生も居られますが、多くはそこまでの治療は必要ありません。
(希望があれば紹介いたします。)

多くの場合には、ご両親が心理的な負担に気がつくことで数ヶ月以内にだんだんに視力も改善してきます。

しかし、気のせいだ、精神的なものだと思っていると、実際に治療すべき脳の病気を隠し持っている場合もありますので、今までの症状をまとめてご説明になった上で、改めてMRIなどの画像診断を含む精密な検査を受けてみるのも良いのではないでしょうか。

○お蔭様で無事に、開院14月目の診療を無事終われます。感謝いたします。
お祖母ちゃんにも分かる目の病気:病名解説索引にリンク

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職員2007.9.15改丁

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