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2006年6月17日

114, 小児の心因性視力障害

先に患者さんからの質問があってお答えを出しましたが、心因性視力障害はしばしばその診断に迷うことが多い疾患です。

その症状はしばしば視力障害/視力減退/視力低下/見えない/見にくいなどとも表現されます。

このうち、小児の心因性視力障害は大人のそれと違って比較的はっきりとした診断が出来やすいのですが、これは通常学校での視力検査を契機に発見されることの多い疾患です。

大阪医科大学の内海隆先生がその臨床的な特徴を2004年の神経眼科第4号にまとめて下さっています。それを参考にこの疾患を説明してみましょう。

小児の心因性視力障害の好発年齢は6-14歳で、実際に発生した時期ははっきりしないことが多いです。女子の患者数は男子の患者数の3-4倍います。

性格的に特定の傾向はなく、むしろ“良い子”と言う印象の子供が多いようです。家庭内暴力などの社会的な問題行動はまず起こしません。原因として“家で弟や妹が自分よりかわいがられている”、“クラブ活動や勉強が負担である”、“友達にいじめられている”とか、特定の心理的な原因が推定できることもありますが、それが見出せないことがむしろ多いと内海先生はいっています。

測定される矯正視力(眼鏡合わせを行って最も適した眼鏡を掛けたときに読める最良の遠見での視力)は0.2から0.7くらいのことが多く、それ以下の視力には下がりにくいです。

そのほとんどの症例では視力の低下は両眼に起きています。らせん状やトンネル状の視野の異常(前回のブログ記事参照)や、色覚の異常が約半数に見られます。

点滅する光を何ヘルツまで点滅と認識できるかと言うことを示す、中心フリッカー値は視神経の疾患で低下することが多いので、その低下例では視神経の疾患が疑われるのですが、小児の心因性視力障害でも測定できないことも多いので注意が必要です。

そうと決まったものでもないとは思いますが、内海先生は“心理学的検査から、第一子では多くは母親の接触不足が検出されるので患児をもっと構うように、末っ子や一人っ子では母親が与える愛情の方向と患児が求める愛情の方向にずれが検出されることが多いので患児の求めを読み取って応えるように、支持的に指導しながら治療してゆく。“とその指導の方針を述べています。

心因性視覚障害の治療としては、ストレスの原因を見つけ、それを取り除く様に務めることが大切です。保護者や担任教師が疾患を理解し、その状態であることを受け入れてやることが重要です。眼科で治療するような疾患はないわけですから、長期的には自然に軽快してきます。

子供と保護者との両方の信頼を眼科医が得ることが最も大切です。

心因性視覚障害の予後は、周囲の状況の改善、つまり保護者や担任教師の理解やその状態を受け入れることなどが重要です。症状が発見されてから1年以内に視力が改善してくる場合がほとんどです。

○お蔭様で無事に、開院14月目の診療を無事終われます。感謝いたします。
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