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2006年5月22日

100 書評:目と視覚の不定愁訴・不明愁訴(玉井 信 先生)

f054a5e5.jpg目と視覚の不定愁訴・不明愁訴(若倉雅登、清澤源弘ら、金原出版)への書評を
東北大学先進医工学研究機構長の玉井信先生に戴きました。

玉井先生は東北大学眼科の先輩であるばかりではなく、理屈っぽい信州人(長野県)としての私の、表も裏もみんな知って許してくださる大先輩です。

平成18年4月4日

 患者さんを診察する場合、得られた情報の中からポイントを出来るだけ整理し、一方診断名とその治療法を並べた引き出しから一番合致した病名を選ぶのが常道である。ところが患者の主訴がはっきりせず、それが診断名のつくようなものでない場合はどうしていいかわからない。そのような場合は研修医であれ、ベテランの眼科医であれ悩んでしまう。 そのような悩ましい患者が本書の扱う中心事項であろう。

 本書は一般に「不定愁訴」として扱われる患者の主訴、それを引き起こす考えられる病態、典型的な症例を具体的に示し、さらに区別しなければならない鑑別診断をあげている。いずれも感覚器である目とそこからの情報を処理している視覚中枢、さらに目を支配している遠心性の神経支配部位の活動に起因すると考えられる説明をあげている。神経眼科分野の患者を多く経験していない小生には、それが正しいか否かを判断することは出来ない。しかしよく文献を調べ、病態を述べていることに感心した。それがおそらく正しいかといわれれば著者も判断できないのではないかとひそかに考えている。

 最後の項目「診療神経眼科からのアプローチ」に書かれているような患者がどれだけ自分の前に現れるかは別として、精神科の専門家(石郷岡教授)に加わっていただいているわけで、読んで見るだけで大変参考になった。このようにまとめて視覚に関する変な訴えに関する少なくとも医師側からの考え方、説明を知っておくことは重要である。

本書の表紙に「解決!」とかかれているのを見て、「これではテレビの番組ではないか!」と小生などはへそを曲げたくなるが、いままでにない事項を取り扱い、少なくともそれは「何故か?」を説明しようと試みたことに敬意を表したい。それぞれの専門家に尋ねれば別の説明をする項目も多いと推察されるが、一般の眼科医が悩まされる患者を迎えて右往左往しないですむためには役に立つかもしれない。

いずれにしてもこれは若倉、清澤両氏のコンビだから出来たことであろう。

今日も最後まで眼を通してくださりありがとうございます。
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