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2006年4月11日

78 コンタクトレンズ洗浄液に関連した角膜真菌感染症の報道に接して

KONTAKUTORENNZU

コンタクトレンズ使用の衛生指示を守らなかった患者に起きた角膜潰瘍の例;上の図の出典にリンク

◎今年の2月23日にシンガポールから角膜感染(真菌性角膜感染症)の報道がありました。

39例のフザリウムによる真菌性角膜感染症がコンタクトレンズの使用者に発生していて、そのうちの34人がボシュロム社のレニュー(これがあとで述べるレニューのどのタイプのものかは記載されていません.どうもロックとマルチプラスの両方が流通していたらしいです。)を用いていたと言う報道でしした。

真菌性角膜感染症39人のうちの92%は2005年の後半に集中して起きていて、15歳-24歳が半数そして25-34歳が半数であったということでした。

http://translate.google.com/translate?hl=ja&sl=en&u=http://depts.washington.edu/einet/newsbrief83.html&prev=/search%3Fq%3DSingapore,%2BCONTACT%2BLENS%2BINFECTION%26hl%3Dja%26lr%3D%26sa%3DX

フザリウム
フザリウムの絵の出典

追加;その後シンガポール厚生省で把握している真菌角膜炎は75件に増え、レニューブランドのマルチパーパスソリューションの使用に警告が出ています(4月12日シンガポール厚生省)。

◎4月11日、ボシュロムジャパン社から私は次の内容の連絡を受けました。
(ほぼ同じ内容でアメリカ眼科学会American Academy of Ophthalmologyの会員への警告でもApril 14, 2006 Consumers Advised to Not Use Bausch & Lomb Product as Fungal Keratitis Investigation Continuesが会員に通知されてきています。)

“1、米国ボシュロム社が真菌性角膜炎の発生に関連して、日本では発売されていない製品であるレニューモイスチャーロックの出荷を一時的に停止した。この措置は米国の疾病管理予防センターCDCと食品医薬局FDAの調査に協力するためのものである。

2、米国CDCに拠れば、109例の真菌性角膜炎の発生があり、そのうち28例がコンタクトレンズ装用者で、そのうち26例がレニュー製品のユーザーであることを報告している。9例は就寝中もコンタクトレンズを装用していた患者であった。“

しかし、元の文を探して読んでみると(本社のプレスリリース原文にリンク)109例のうち30例を調べたら28例が、、、ということの様なので、原因は分かりませんが、このアメリカで市販されているレニューモイスチャーロック洗浄液はかなり疑わしい(汚染しているのではなくて、真菌に対する消毒の力が弱いということか?)と思われました。

追記;13日朝現在、ボシュロム社の告知ページは正しく翻訳されています。

ボシュロムジャパン社では“現在日本で販売しているレニューとレニューマルチプラスの成分がPHMB(塩酸ポリヘキサニド)であるのに対して、レニューモイスチャーロックはアレキシジンでまったく別物であるから、日本でのレニューの販売予定は変わらない。“と言っています。この主張は私にもよく理解できるものです。

もろこし
(フザリウムのついたとうもろこしの写真:出典にリンク)

◎コンタクトレンズの洗浄液に関連しては、先日、チバビジョン社のエーオーセプト(AOセプト)にカナダ工場での製造過程で、純度の低い材料が混入したという事故による出荷停止がありました。

この出荷停止は現在も続き、AOセプトを使ってきた利用者に混乱を与えています。

◎振り返って、日本国内でコンタクトレンズをお使いいただくユーザーを考えますと、フザリウムなどによる真菌(つまりカビ)の感染症(真菌性角膜炎)には通常の抗生剤、抗菌薬(クラビット点眼液などのことです。これが角膜感染を見たらどの眼科でも使う点眼薬です)が効きませんから(ピマリシンなどの抗真菌剤の使用が必要と考えられます)、コンタクトレンズの清潔な取り扱いには従来から十分な注意が勧められているところです。

シンガポールの真菌性角膜炎の事故を聞いた時には、”南国では気温も高いことであるし、製品の問題と言うよりも水道水ですすいでしまうなど使い方の問題ではないのか?”という印象でした。

しかし、米国においても同様の真菌性角膜炎の発生が多数起きているとすれば、これは狂牛病並みの大変危険な状況と言うことになります。

◎今年の4月になってコンタクトレンズの処方に伴う諸検査の国民健康保険における扱いが変わりました。

このため、保険の扱いでの定期検査はできなくなったとされています。

しかし、コンタクトレンズ利用者が充血や痛みを自覚して眼科を再受診する場合には、すでに今回保険扱いが禁止されたコンタクトの定期健診や、再処方のための再診ではありません。

まったく別の治療を必要とする角膜潰瘍や角膜炎などの病気がおきている可能性を考えなくてはなりません。

ですから、コンタクトレンズの使用中に充血や違和感があったりした場合にはすぐに、コンタクトレンズの使用を中止してレンズを処方された眼科医師の許へ戻ってきてください。

今はまだ、洗浄液では何がよくて何が危ないのかははっきりしていません。はっきりしているのは、”角膜の真菌感染は永続的な障害を残す恐れがあって、大変危険なものだ”と言うことです。

自分の眼は自分で守ると言う心掛けで、慎重にコンタクトレンズをお使いください。

◎角膜真菌感染の症状(コンタクトレンズを使っていてこんなことを感じたら危険です。すぐ眼科に来てください。)
 ○ぼやける
 ○眼の痛みと充血
 ○光がまぶしい
 ○目やにの増加
汚いケース

◎レンズ使用の注意(ぜひ守ってください。)
石鹸で手を洗う;清潔な糸くずが出ないタオルで拭く
保存液は毎日換え、レンズケースも3ヶ月で定期的に換える;
(当院ではあたらしいソフト用レンズケースを無料で差し上げています。こんな汚れたケースは使わないでください:上の図の出典

なお、日本眼科医会でもコンタクトレンズによる眼の障害の調査(リンク)をしています。今後何らかの報告も出てくるでしょう。

(私の話の中に勘違い等ありましたらコメントをください)

(さらに興味がある方は;以前の記事:コンタクトレンズに適した消毒液は?にリンク)https://www.kiyosawa.or.jp/wp/archives/50341799.html


今日も最後まで眼を通してくださりありがとうございます。(清澤 源弘)(清澤眼科、清沢眼科、きよさわがんか)

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