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2006年2月15日

48 フィッシャー症候群、Miller Fisher syndromeの眼症状

フィッシャー

フィッシャー症候群、(ミラー フィッシャー症候群)   (管理頁

フィッシャー症候群は外眼筋麻痺、運動失調、深部腱反射の消失という3つの症状が突然発症する病気で、ギランバレー症候群と呼ばれる疾患の亜型です。

ギラン・バレー症候群は人口10万人あたり年間約1-2人がかかり、フィッシャー症候群はその約5%であるといわれています。(ギラン・バレー症候群が全身、フィッシャーは眼の筋の麻痺です)

外眼筋麻痺では、両目で見た物がダブって見えるという症状が現れますので患者さんは大変びっくりします。

外眼筋を支配する動眼・滑車・外転神経の麻痺によって、外眼筋麻痺が引き起こされると考えられています。(上の図:Miller Fisher syndromeの患者の顔貌、出典

しかしフィッシャー症候群は、咽頭・頚部・上肢の筋力低下を主体とするもの、両側顔面麻痺を主体として表情のない容貌になるもの、両下肢の麻痺のみを呈するものなど、その症状はきわめて多彩です。

運動失調ではふらつきやめまいを訴えます。

深部腱反射の消失というのはアキレス腱反射や膝蓋腱反射などが消失することで確かめられます。

男性には女性の2倍ほど起こり易く、40歳くらいの中年に発症することが多いとされています。

70%ほどの患者さんでは、先行感染といって上の3症状が出現する直前に風邪や下痢のようなカンピロバクターという細菌の感染症状を聴取して確認することが出来ます。

フィッシャー症候群では、この感染をきっかけに神経の構成成分の一部を攻撃する免疫抗体が体内で生産され、その攻撃によって神経の麻痺が起きて、上の3症状が現れると考えられています。

この抗体は抗ガングリオシド抗体またはジーキューワンビー抗体(GQ1b抗体)と呼ばれ、このIgG抗GQ1b抗体が約8割の患者さんで認められます。採血による血液検査でこれを確認して、臨床症状と併せて確実な診断をつけることが出来ます。

この疾患の予後は比較的良好で、多くは2週間以内にピークに達し、その後徐々に回復します。再発はほとんどなく、本邦では4%程度と推測されています。

通常は平均10週程度で複視の症状が消失し、長くても6ヶ月程度で完全に治癒することが多いのです。

したがって、血漿交換などの治療法も提唱されていますが、一般にはこの病気であるという診断が付けば安静にして回復を待つだけで特別な治療をしなくても良いと考えられています。

私は、この診断が疑われる患者がいれば神経内科で確定診断をつけてもらい治療は任せます。複視が完全に消失するまで約半年くらい眼球運動の記録をとって、経過観察を続けます。必要なら複視を軽減するプリズム眼鏡の処方も考えますが、それが必要な例は多くはありません。初期には片目に眼帯をして複視を避ける場合もあります。

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今日も最後まで眼を通してくださりありがとうございます。

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