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2006年2月2日

43慢性進行性外眼筋麻痺(CEOP)

慢性進行性外眼筋麻痺、外眼筋ミオパチー
chronic progressive external ophthalmoplegia (CPEO)

CEOP
○ この疾患は眼瞼下垂と進行性の全方向への左右対称的な外眼筋麻痺による眼球運動の制限をきたす疾患で、顔面筋と四肢の筋も同時に侵される点が、重症筋無力症に似ています。この疾患の患者は、“若いときから気が付いたら瞼が上がりにくく、両眼がよく動かなかった“といった訴えをします。(先頭の図の出典

CEOP眼底
○ 眼球運動の制限のほかに、運動および知覚に関連する神経系の麻痺や、心臓の障害、それに眼の症状としては沈着色素のはっきりしない網膜色素変性を伴うことがあります。(図の出典)
○ 最近の分子遺伝学の進歩によってこの疾患がミトコンドリアの遺伝子に特異的な変化があることによって起こっていることが分かって、正確な診断ができるようになりました。


赤ぼろ繊維○ 眼の周囲の筋肉を一部採集して精密に調べると、異常なミトコンドリアが眼の周りの筋肉に集積したラッグド レッド ファイバーが見られます。(図の出典)この原因となるミトコンドリアの遺伝子は、母親から遺伝していますが、その症例の多くは家族歴がない孤発例です。

○ Kearns-Sayre症候群はその1つの系で網膜色素変性症と心臓の伝導障害を示すことが知られているタイプですが、多くの症例はその不全型と考えられます。

○ 鑑別されるべき疾患には
1)筋無力症(抗アセチルコリン抗体が陽性でテンシロンの注射で一時的だが症状が改善することで診断できます。)
2)甲状腺眼症(甲状腺機能の亢進があったり、甲状腺関連抗体が陽性であったりすることで診断することができます。)
3)脳血管障害による脳神経障害(MRI などの所見が参考になります。)などが有ります。

○ 治療は眼症状に対する対症的な治療と、心臓循環器などの全身的な管理を同時に必要とします。眼瞼の下垂は視力障害と外見上の問題を引き起こすので、少量の挙筋短縮を繰り返すことが出来ますが、切除量が多過ぎると閉瞼障害(兎眼)により角膜をいためるので注意が必要です。比較的複視の訴えは少ないのですが眼球運動の制限は徐々に進行し、場合によっては斜視に対する手術の適応を考えます。薬剤では補酵素Q10、ビタミンB1,B2Cなどの投与が試みられます。まだ一般的には用いられるにいたりませんが、遺伝子治療の研究も進められています。

1)伊佐敷 靖、これならわかる神経眼科、pp256、文光堂、2005、
2)井上洋一、眼科診療ガイド、pp588、文光堂、2004、
3)http://www.medscape.com/viewarticle/410870_3を参考にしました

今日も最後まで眼を通してくださりありがとうございます。
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