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2021年3月14日

12699:最強通貨・ドル、じつは間もなく「紙くず」になるかもしれないワケ…!金に対する通貨価値下落の歴史

清澤のコメント:暴落しそうで中々暴落しないで値上がりする日米の株。そしてハイパーインフレ期待にもかかわらず昨夏以来3割も下がっている金などの貴金属。素人投資家の資金を奪う目的で、ニューヨークではビットコインに資金が流れたともうわさされますが、大手資本が金の先物の空売りで売り崩しと投げ物の安値での総ざらいを狙っているのだろうとも考えられています。これはギリシャ危機があった2013年4月ころに福島孝彦氏が解説した景色と、とても似ています。それとは別にこの大原浩氏のように、ドルの増刷が続くから早晩インフレになるはずだという人もいて、この記事はそのような意見の一つのようです。

  --  ---抄出採録です-------

最強通貨・ドル、じつは間もなく「紙くず」になるかもしれないワケ…!

じつは「日本円」も安泰ではない…

大原 浩国際投資アナリスト 人間経済科学研究所・執行パートナープロフィール

米ドルが実は危ない

100年スケールで考えると、2月8日の記事「コロナ危機で、じつは『銀行預金』より『株』が安全になりそうなワケ」の冒頭で述べたように、「金に対するドルの価値」は約90年で概ね100分の1になっている。第2次世界大戦後に預金封鎖が行われた日本だけではなく、世界の主要通貨が金に対して下落を続けていることが分かる。

どのように下落しているのかは、「Why Do Most Nations Use Fiat Money Today?(なぜ世界の国々は不換紙幣(金に交換できない)を使用するのですか)」という記事の、「All Major Currencies Have Depreciated Relative to Gold(世界の主要通貨は金に対して下落している)」の図が分かりやすい。

政府がその流通を規制しなければ、紙幣は究極のコモディティであり、文字通り紙屑にしか過ぎない。中央銀行の「マネーサプライ」などの金融政策が非常に重要なのだ。そのため、先進国の政府は日々、通貨流通量のコントロールに励んでいるが、長期的な流通量のコントロールには無頓着だ。その典型が米国であり、特に1971年のニクソンショックによって「事実上の金本位制」を放棄した後は、世界中にドルをばら撒いた。2020年の大統領選挙の混乱とバイデン政権の誕生は、(20~30年周期の)「米国衰退のサイン」にも思える。

始まりは「ユーロドル」

特に経済・社会が不安定な発展途上国では、「ドル紙幣」が普通に流通している。最近、世界中の国々の通貨が「ドルとの交換レートで表示される」ことはよく知られている。例えば、外国為替市場では、円とスイスフランを交換するときにも、その間に「それぞれの通貨とドルとの交換」が介在するので「クロス取引」と呼ばれる。政治思想で激しく米国と対立していた国々も、「自国の通貨は信用できすにドルを頼っていた」というわけだ。

金融制裁はなぜ効果があるか?

現在の共産主義中国でも同様だ。胡錦濤一族の100兆円ともいわれるものを含めた蓄財のほとんどは「自国通貨の『元』」ではなく、貿易戦争や人権問題で激しく対峙している米国の通貨である「ドル」で行っていると推定される。自国通貨の元など信用していない。共産党に支配されている国民も同じ。共産主義中国は自国通貨である元の持ち出しを厳しく制限するのだ。そうしなければ、多くの国民が資産を安全な外国に移し、中国国内は空っぽになってしまうだろう。

ビットコインの価格が上昇し始めたのは、中国などの投資家が「海外へ資産を合法的に持ち出す手段」として目をつけたからともいわれる。しかし、その後当局の規制の網がこの分野にもかけられた。「上に政策あり、下に対策あり」と言われるたくましい中国の民衆のドルへの渇望はますます強まっている。

ニクソンショックの比ではない

1971年のニクソンショック「金ドル交換停止」はそれほどの激震であったのだ。しかも、当時の東京外国為替市場の取引高など、現在から比べれば米粒のようなものだ。現在の市場規模で「ドルが紙くずになる」ことがどれほど恐ろしい影響を与えるのか想像もつかない。

なぜ「ドルの価値」は危ういのか?

対外債務の残高や、逆に海外に保有している資産などのデータを全く無視するわけではない。重要なのは「海外で流通しているドル=ユーロドル」の量である。紙幣(法定通貨)というものは、その成立の過程から明らかなように「永遠に返済しなくてもよい国家の借用証」といえる。その永遠に返済しなくてもよい借用証(ユーロドル)の規模が膨れ上がった現在は大変危険だと言える。ユーロドルは、前述のようにもともと冷戦時代の共産圏国家の預金から始まっており、現在でも政府高官の不正蓄財資金などの裏金が大きな比重を占めているから、その実態をつかむのは難しい。しかし「とてつもなく巨大」であることだけは明らかだ。

膨れ上がった「ドルの価値」を世界中の人々が信じているのは主に次の3つの理由からだと言える

1.世界最強の軍事大国である

2.借り手として巨大だ

3.世界最大のGDPを生み出す経済大国である

1については、近年弱体化が語られてはいるが、今でも世界中の国々が米軍の力を恐れている。「借金返してくださいよ!」と詰め寄って、逆に爆弾を落とされても困るから、「借り手の方がむしろ強い」といえる。

2については、米国だけではない。日本での融資においても多額の借金をしている企業は、「倒産すると貸し手の金融機関も巻き添えになりかねない」からむしろ立場が強くなる現象はよく見られる。米国を倒産させてしまったら、自国も危ういから返済を迫れないというのが世界中の「貸し手」の事情だ。

3については、米国の産業構造に懸念がある。ここ数十年間、米国は金融とIT分野に注力し、GDPの多くもそれらの産業から生み出されるが、それがいつまで続くのであろうか?

投資の神様・バフェットは鉄道会社や電力会社のように、一見、資金効率が悪く見えるインフラ産業の重要性を強調している。バフェットも「バ―チャル」とも言える米国の産業構造に懸念を抱いているのかもしれない。

もちろん、1~3の条件がすぐに崩れるわけではないと思うが、2020年の選挙が大混乱し、バイデン大統領就任後も「ほとんど何も解決していない」。米国は、南北戦争という悲劇が起こらなくても、1971年のニクソンショック、そして1975年の事実上のベトナム戦争敗戦以降の「暗くて長い」時代に向かっているような気がする。

日本は家族に金を借り、米国は他人から借金をする

日本の巨額の財政赤字も議論の的だが、海外から借りまくっている米国とは違って日本は身内(日本国民)からの借金が中心だ。我々の資金を運用している投資信託、年金をはじめとする機関投資家は大量の日本国債を保有している。

だから、日本は米国のように海外からの借金が返せなくなって破綻することは無いという意見は正しい。しかし、それは「破綻の被害者が外国人なのか日本国民なのか」という違いだけである。

預金封鎖については、現行憲法の規定に基づいて行うことは難しい。しかし、日本国債が償還不能になったり、あるいは金利が高騰して暴落したりすることはあり得る。日本の場合は円(紙幣)が紙くずになることよりも「国債」が紙くずになることを心配したほうが良いかもしれない。

もちろん、昨年4月14日の記事「コロナ危機で、じつは日本が『世界で一人勝ち』する時代がきそうなワケ」で述べたように、日本の将来には強気だが「いつやってくるのかわからない危機に常に備えるべき」ことはバフェットも強調している。日本の目覚ましい発展の前には、黒船来航や第2次世界大戦敗戦などの危機があった。 パンデミック以上の危機がやってこない保証はないから「備えあれば憂いなし」である

Categorised in: 社会・経済