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2021年3月13日

12692:日本が凋落していった原因は3つ。「バブル崩壊」「冷戦終結」もう一つが(世代交代)【中野剛志×黒野伸一】:記事抄出紹介

清澤のコメント:私が米国に居た1987年。日本はロックフェラービルを買い世界に雄飛していました。帰国したらバブルのさなか。乗り遅れたと感じました。しかるに今の日本の凋落ぶりはなぜ?ずっと思って居ました。その答え、日本を凋落に導いたのは「バブル崩壊」「冷戦終結」「指導者の世代交代」であると。長大な内容なので、短くしてみましたが、それでもまだ長いです。バブルは起こるべくして起こり弾けるべくして弾けた。冷戦の終結は共産主義社会だけでなく自由主義社会も崩壊凋落させた。そして、新世代が以前の制度の良さを理解せずに徹底的構造改革を唱えても、所詮はうまくはゆかない。:ということのようです。

https://news.yahoo.co.jp/articles/1da15b33bdcc5162f7edfe515e417c6f6c36de81

  ---記事抄出-----

 3/12(金) 7:00配信

2021年3月1日、菅直人元首相と小泉純一郎元首相が会見を開き、脱原発を訴えた。このふたり、今も昔もやっていることは実は一緒。世代交代はゆっくりと進む……

バブル崩壊から長期デフレ不況で経済が衰退しているところで襲ってきたコロナ禍の日本。この国はこのまま崩壊してしまうのではないか? 最新刊の小説『あした、この国は崩壊する ポストコロナとMMT』(ライブ・パブリッシング)を発売した小説家・黒野伸一氏。『目からウロコが落ちる 奇跡の経済教室』(KKベストセラーズ)を著した評論家・中野剛志氏と、「日本経済崩壊の本当の理由と、この国のゆくえ」について熱く語りあう。

中野:ポイントは、国家の経済政策と民間企業での経営活動というのは、別物だということです。景気が悪い時に民間企業が節約するのは合理的ですけど、みんなで節約すると不景気になります。不況時に節約するのは、ミクロで見ると経済合理的ですが、マクロで見ると不合理になる。これが「合成の誤謬」

中野:いい加減な会社を潰したいというのは当然の心理なのですが、やり過ぎると、そこの従業員が失業者になり、需要がなくなり、回りまわって自分の給料が下がることになる。その時こそ、政府が支出を拡大し、バランスを採って、「合成の誤謬」を回避する。

中野:奇しくもその時、冷戦が終わってソ連が崩壊したので、「それ見ろ、やはり大きな政府はダメなんだ。これからは小さな政府だ」と。実際には、日本は社会主義どころか、OECD諸国で人口当たりの公務員の数も少なかった。

中野:人口当たりの公務員数は、アメリカよりはるかに少ない。だいたい、戦後日本が官主導だったのは戦後復興期の一時的な現象で、55年体制以降の日本経済は、官主導などではなかった。

中野:インフレで調子がいい時は、政府はやることがない。民間が頑張ればうまくいく。景気が悪くなったら、特にデフレになったら政府の出番で、そういうデフレになったのが、1998年から。日本経済がどうなったら、どういう政策を打つべきかなどという訓練を全くやっていなかった。

中野:バブルに話を戻すと、あれは民間だけを責められない。ラザ合意のあと日銀は金利を凄く引き下げた。もっとも、円高不況だから金利を引き下げて助けるっていうのはまあ仕方なかった。ところが、問題は、その後。日銀が金利を上げる機会をうかがっていたところ、87年にアメリカがブラック・マンデー、金融危機。

中野:もし日本が金利を上げたらアメリカのお金を吸い上げちゃってアメリカの金融危機を深刻化させてしまうので、日本は金利を上げなかった。当時のアメリカは自分たちの貿易赤字を減らしたいので日本にもっと内需を拡大して輸入しろと圧力をかけた。日本は、バブルを防ぐために金利を上げたかったが、アメリカが金利を上げるなと圧力をかけてきた。そこで、日本は長きにわたって金利を低めに維持せざるを得なくなり、その結果、バブルが起きた。だから日本のバブルというのは、アメリカの圧力で起きたものだとも言える。

中野:日本は自分で国を守れないから、アメリカの圧力に屈するしかない。そこに、問題の根があった。戦後復興や高度成長は日本人が立派だったせいだけではない。米国は、日本が貧しいままだと共産化するかもしれないと考え、アメリカにどんどん輸出していいぞってやってくれた。

■日本の成長が止まったのと、冷戦が終わった時期は一致している

中野:戦後日本の経済成長は、冷戦期に西側にいたおかげという側面が多分にある。日本の成長が止まって凋落したのと、冷戦が終わった時期というのは一致しているのには、理由がある。冷戦が終わったら、アメリカが日本を豊かにしておく理由はなくなった。冷戦後もアメリカの言うとおりにやっていればいいんだと考え、外圧に従って構造改革だなんだとやって、今に至る。橋本自身が、日本をデフレに叩き込んでしまった後で、自分の間違いを認めた。

中野:国民は、反省している橋本を叩いて、構造改革という、かつての橋本と同じ間違いを犯そうとする小泉純一郎を支持した。さらに構造改革をやり続けたので、日本のデフレは長期化した。そのあと、2009年の民主党政権も構造改革路線とほとんど同じ方向を向いていた。国民が選んだ第二次安倍政権もまた、似たようなことをやっていた。基本は、新自由主義。選択肢がないというのが、日本の不幸。

普通、リベラルは弱者の味方。資本主義社会では、放っておくと強者が好き放題やってしまうから、弱者を守るためには、「大きな政府」の強い力が必要になるそれが、例えば福祉国家。日本のリベラルは、政府を大きくするのを阻止しようとしてきた。そして、民間主導を唱え、規制緩和や財政支出の削減にも賛成した。リベラルも新自由主義が大好きだったわけ。要するに、我が国は、竹中系の新自由主義と、朝日系の新自由主義の二つの選択肢しかない。政権を交代しようが何しようが、どうにもならない。

 黒野:民主党政権の時に、最初の鳩山さんは社会福祉国家を目指そうとしていた。緊縮財政もほどほどにして、庶民のことを考えましょうよと……。事業仕分けを始めて官僚をつるし上げた。事業仕分けなんて必要ないわけ。そして菅(直人)さんになったら消費税を上げると言い出した。東日本大震災が起きて……。その対応もメチャクチャでした。一段落したら今度は野田さんが三党合意で消費税を上げる。

■“秘伝のタレ型”改革であれば、“継ぎ足し型”改革でいい  

黒野:フランス革命は収拾がつかなくなった。ジロンド派とジャコバン派の間に争いが起きて、そこにマクシミリアン・ロベスピエール(革命家)が出てきて、反逆者は全部斬首にした。それでナポレオンが出てきて皇帝を名乗った。結局、絶対王政、絶対君主制がすごく時間をかけて共和制民主主義になった。 黒野:そういう理性的にものを考えることができる人が世の中にいっぱいいればいいんだけど、人間って集中攻撃してしまう。

中野:バークのような意味での保守というのは日本には殆どいなくて、「抜本的改革」とか、「ゼロベース」とか、「ガラガラポン」って言っていたわけ。本物の保守は、学者とか政治家とか、オピニオンに影響を与える人にはまずいない。サッチャーが出てくる前までのイギリスがそうだったかもしれない。

中野:近代というのは、“秘伝のタレ”を否定する時代。バークの何がすごいかというと、フランス革命を見て、近代の危うさに気づき、こんなやり方やっているとぶっ壊れて何もなくなるぞと示唆した。

中野:本当の意味での保守本流です。私は革新派を必ずしも全否定していなくて、保守と革新がバランスよく並び立っているのが大事だと思う。ところが日本の場合は戦争に負けたときに、前近代的な古い日本がいけないんだと丸山眞男一派が唱えて、それが主流になった。要するに、日本があんな不幸な戦争をやったのは、近代化していなかったからだというストーリーにした。実際には、その逆で、近代化したから戦争したのすけど。戦後は、さっきの“継ぎ足し型”の保守本流が本当に弱ってしまいました。もっとも、戦中派の世代が引退していなかったときはまだいた。岸信介とか大平正芳とか。彼らが健在だったときは、もちろん彼らもいろいろな問題はあるが、まあ、戦前と戦後で継ぎ足し部分をまだ残していた。でも、戦後の教育を受けた世代が出てきて、戦中派にとってかわった。戦中派の継ぎ足し派がいつくらいから引退し出したかというと、80年代の終わりから。1993年に細川護熙が出てきて、ここから改革が始まったが、これをおぜん立てしたのが小沢一郎ですよね。小沢一郎、細川護熙、この人たちはみんな戦後生まれの政治家。

■90年代、日本凋落の原因は「バブル崩壊」と「冷戦崩壊」そしてもう一つは?

中野:90年代って、バブル崩壊と冷戦崩壊があったってさっき言ったが、もう一つが“世代交代”。戦前生まれの爺さんたちの引退が80年代終わりから90年代初頭で、そこで「俺たち新世代の政治家が日本を抜本的に改革して、本当の民主国家にするんだ」と言って小沢が書いたのが、『日本改造計画』。そこで二大政党制、要するにアメリカ的な政治にしたいと主張した。「俺たちは選択肢がないんだと、重鎮がずっと政治を握っている自民党一党支配の体制は、本当の民主主義ではないんだ」という戦後生まれの連中が40~50代になって実力をつけて出てきたのが、90年代初頭。ただ、僕は、今後の新しい世代に期待している。

世代交代って、ゆっくりと進む。「抜本的改革!」とか叫んでいるのは、もはや爺さんばかり。

中野:年寄りの冷や水で改革派ぶっているんだけど、だから、それが古い。世代交代は時間がかかるし、人間そんなに簡単に変われない。ですが、今の若い世代が社会の中核を担う時代になったときに、日本はたぶんだいぶ小さくなっちゃうかもしれないけれど、精神的にはかなり足腰の強い国になっている可能性はある。高度成長期やバブル期をだらしなく過ごしてきた世代とは違って、今の若い世代は、それこそ生まれた時からデフレ不況下でサバイバル・ゲームをやって、自分を鍛えていますから。基礎体力が違いますよ。

構成:後藤高志/写真:アフロ

Categorised in: 社会・経済