お問い合わせ

03-5677-3930初診受付

ブログ

2020年8月9日

12160:中国、科学論文数で首位 研究開発でも米国と攻防:日経記事紹介です

清澤のコメント:日本の学術研究の水準を示す論文数は私が大学を離れた15年前の2005年辺りを最後に、世界から置いてけぼりを食らったことが読み取れます。海外に留学生として暮らした1986-7年ころの日本は米国に次ぐ2位のGDPを誇っており、ヨーロッパでも米国でも日本人であることに自信と誇りを感じた日々でした。それからの日本の経済停滞と学術研究の退潮(研究資金の減少も伴う)はまさに目を覆うばかりです。私も今は少なくなったとはいえ、依頼原稿に加えて原著論文も含め年に1-2編は実際に分担する部分の有る論文に名前を入れてもらっています。最後に、中国人で医科歯科大学留学後米国に渡って大成した眼科研究者ホウ・ケイケイJi-jing Pangさんを紹介した記事を紹介します。

ーーー記事の抄出ーーーー

2020/8/7 17:00 (2020/8/8 5:06更新)

自然科学分野の論文数で中国が米国を抜いて1位になったとする報告書を、文部科学省の研究所が7日公表した。中国は研究開発費でも米国を猛追。研究者数は最多で、米国留学などで育成を進めた。貿易や安全保障の分野で対立が目立つ米中間の攻防は、軍事や企業活動の根幹をなす科学技術の分野も含めて激しくなっている。

科学論文の数は国の研究開発の活発さを測る最も基本的な指標だ。文科省科学技術・学術政策研究所は米調査会社クラリベイト・アナリティクスのデータを基に主要国の論文数などを分析した。年による変動が大きいため3年平均で算出した。

中国の17年(16~18年の平均)の論文数は30万5927本。米国の28万1487本を上回り1位となった。3位はドイツで6万7041本。日本は6万4874本で前年と同じ4位だった。

米中2強時代は鮮明だ。論文の世界シェアをみると中国は19.9%、米国は18.3%。3位は4.4%にすぎない。

これまでに全米科学財団の報告書で、中国が米国を抜いたとするものはあった。今回は、査読などで一定の質があると判断される学術誌に掲載された論文のデータベースを使い算出したという。

中国は論文数を年々伸ばしてきた。伸びは20年前(1996~98年の平均)の18倍、10年前(06~08年の平均)の3.6倍にもなる。

中国は論文の質でも米国に迫る。優れた論文は引用数の多さで評価される。被引用数が上位10%の注目論文のシェアをみると、17年の1位は米国の24.7%、中国は2位で22.0%。さらに注目度が高い上位1%の論文では米国は29.3%、中国は21.9%となった。

米中の得意分野は分かれる。中国は材料科学、化学、工学、計算機・数学で高いシェアを誇る。米国は臨床医学、基礎生命科学が高い。

中国の躍進を支えたのは積極的な研究開発投資や研究者の増加だ。18年の研究開発費(名目額、購買力平価換算)は前年比10%増の約58兆円。米国は同5%増の60兆7千億円で1位を保ったが、中国が肉薄している。

特に論文を主に生み出す大学への投資の伸びが著しく、18年は00年の10.2倍に増加。1.8倍の米国などと比べて突出している。

中国は鄧小平時代の1982年、科学技術の近代化推進を国家目標として憲法に盛り込んだ。93年には投資の推進を示した「科学技術進歩法」を公布。第10次5カ年計画(2001~05年)では、それまで1%以下だった国内総生産(GDP)に対する研究開発投資の比率を1.5%にする目標を掲げた。その後も目標を上方修正しており、20年は2.5%以上に拡充する方針だ。

中国の研究者数は約187万人で、米国(約143万人)を上回り世界1位。米国際教育研究所のまとめでは、米国で学ぶ中国人留学生は5年前に30万人を突破。その後も増え、18年度(18年8月~19年7月)には約37万人に達した。

日本は退潮傾向だ。論文数は20年前には世界2位だったが17年は4位。注目論文は20年前の4位から17年には9位に沈む。政府は研究開発投資の目標額を示してきたが、96~00年度の期間以外は達成していない。研究者数は横ばいにとどまる。

ーーーーー

清澤のコメント:振り帰って見ますと、私も多くの中国人研究者と交友を持ってきました。特にパン先生は私を刺激してくださり、日本への留学の後にご自分で米国へのさらなるステップを求められて、ご本人も大きく成長された方です。近年、米中の対立が深まる中、ご苦労も多い事かと推測しています。古い記事になりますが、下記は彼との思い出の一つです。

Categorised in: 社会・経済