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2020年7月5日

12054:新型コロナで“別の医療崩壊” 受診抑制で医療の問題点が明らかに〈週刊朝日〉:記事紹介

清澤のコメント:この記事では感染症を受け入れた様な基幹病院の過剰負荷による医療疲弊崩壊とは別に、受診抑制による診療所経営の破綻による第2の医療の経済的崩壊を論じています。最近私もその点に言及していますが、実はこちらの方が私には国民医療への影響が大きいと思います。その記事の要点を抄出します。

  ---要点---

6/26(金) 16:00配信

「3月から5月の間で、患者さんは2割から3割減りました」 新型コロナウイルスへの感染を恐れて、受診控えが起こり、家族が薬を取りに来るケースがほとんどだ。「患者さんの体調が心配ですが、『高齢なのでクリニックに連れていくのは……』とご家族に言われてしまうと、何も言えません」

内科A医師(60代)も、「収入が25%減。うちはまだいいほうで、90%減の耳鼻咽喉(いんこう)科や小児科があると聞いている」 「医院の維持は無理。診療報酬の前払いも始まり、半分ぐらいの医療機関が申請しているようです。当院も預貯金を全部切り崩して乗り切るしかないです」

B医師(50代)のところも、患者が3~4割減った。風邪の患者だけでなく、定期的な通院が必要な慢性疾患の患者も来なくなったという。 「不要不急の患者さんが来なくなって、重症の方を救えるようになった点では喜ばしい。一方で、経営を見直さなければならない時期が来たとも考えている」 今後はパートを減らしたり、スタッフの給料を下げたりと、経営の縮小もあり得るという。

「国の支援は陽性者を診察した医療機関に対してであり、間接的に患者減などの影響を受けた医療機関は無視されている。中小の病院は淘汰(とうた)されていくのではないでしょうか」

本誌では6月上旬約1500人から回答を得た。 その一つが、“地域医療の様変わり”だ。患者の受診控えが進んだ医療機関が目立ち、そのなかには経営に苦しむところもあった。京都の内科医は、これを「受診抑制による、別の医療崩壊」と表現する。

医療崩壊というと、新型コロナに対応する医療者の逼迫(ひっぱく)した姿をイメージする人も多いだろう。だが、今回、アンケートから見えてきたのは、患者の激減によって、経営に深刻なダメージを受けている一般の病院、診療所の苦しい実情だ。  

今回のアンケートで「患者が減った」、あるいはそれに近い内容を回答した医師は、なんと4人に1人にあたる約350人にものぼった。

受診控えによって、ほかの疾患が手遅れになる可能性が高くなることを心配する声も出ている。ちなみに、回答を見る限り、感染者数が多かった地域だけでなく、国内のどこでも受診控えはみられるようだ。 一方、不要な受診が減ったことを好意的に受け取っている回答もあった。

ただ、診療科による差もあるようだ。産婦人科医(60代)は、「内科は激減しましたが、産婦人科は減っていません」。千葉県東金市にある病院の精神科医(30代)も、取材に「一時期、患者さんは減りましたが、戻ってきています。受診せざるを得ないという事情があるので、そこまで影響はないと考えています」と答えた。

「患者が多ければ儲(もう)かるという、日本の病院経営の脆弱性が浮き彫りになった」と、日本の医療制度に言及した回答も少なくなかった。

(本誌・山内リカ、秦正理) ※週刊朝日  2020年7月3日号

Categorised in: 社会・経済