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2020年7月3日

12044:「院内感染」の重い代償、医療現場で続く苦闘と挑戦:記事紹介

インサイト: https://jp.reuters.com/article/insight-seibu-hospital-covid-idJPKBN2424HL

清澤のコメント:ここ数日の都内での新型コロナ感染の再発に伴い、この記事のように大きな病院の現場では病院内にクラスターを作らぬための苦闘が続いた模様です。病院は5月の売り上げが半分程度に落ち込み収益が大幅に減少して、「全く経営が成り立たない」という。あまり報道されませんが、市内の開業医レベルでも4月から5月にかけての受診患者の半減に伴う収支の悪化を受け、多くの開業医も診療所継続に疑念を持ち国民医療の維持をむつかしくする事態が生じています。

―――記事抄出紹介;宮崎亜巳 斎藤真理―――

[横浜市 1日 ロイター] – 救急医療の専門家として30年を超すキャリアを持つ桝井良裕医師(58)にとって、医療現場にあれほどの驚愕と動揺が広がった日はなかった。

横浜市旭区の聖マリアンナ医科大学横浜市西部病院で4月22日、新型コロナウイルスの院内感染が発覚した。その規模は瞬く間に拡大、感染者数は病院職員を含めて80人(1日時点、同病院調査)に達し、13人の患者が死亡。全国で最大規模の院内感染に発展した。

「感染対策を担当していたチームもあわてまくり、まさに驚愕だった。病院閉鎖を意識した」と、同病院で救命救急センター長を務める桝井医師はその時の混乱ぶりを振り返る。

病気を治すべき病院でクラスター(感染者集団)が発生するという異常事態。同病院の医療スタッフは、増え続ける新型コロナ患者の治療に忙殺されながら、失墜した病院の信用をどう回復するか、重い課題と格闘する日々が続いた。

  ――――

<感染対策に予想外のほころび>

同病院は6月初め、3日間にわたりロイターの院内取材を受け入れた。患者や地域に対し「誠意をもって謝罪し、包み隠さず真実を話す」(桝井医師)べきだ、という判断からだ。取材に応じた医師や看護師らの表情は一様に硬く、見えないリスクと相対する不安と緊張感がにじんでいた。

同病院では、院内感染の発生以前から感染者専用の病棟を設け、様々な措置を徹底してきた。しかし、立ち入り検査を実施した横浜市当局の判定は厳しかった。

「共用パソコンやタッチパネルの消毒が不十分」、「防護服の着脱時に髪を触るなど不適切な動作がある」。対策に、予想もしないほころびが次々に見つかった。

<疑似症でも積極的に受け入れ>

同病院では、コロナ患者の収容や治療に積極的に取り組んできた。上層部も「地域の中核病院として当然の役割」との判断に至り、クルーズ船から5人が同病院に入院した。しかし、4月に入ると、市中感染の患者も増え、病院職員の仕事は増加。院内感染後は、スタッフの7割が自宅待機を余儀なくされた。一方、院内感染を起こした同病院にも抗議の電話が相次ぎ、スタッフ家族が言葉で傷つけられるケースも報告された。

<医療者としてのプライド>

コロナ患者に対応しない病院がある一方、受け入れた病院が院内感染という重い代償に見舞われる。その矛盾や葛藤。地域の信頼が、院内感染により一瞬のうちに失われた。

<診療再開に残る課題>

同病院は6月8日に院内感染の終息を宣言し、制限していた外来・入院診療を慎重に再開した。しかし、医療スタッフの不安が消えたわけではない。院内感染は同病院の経営にも後遺症を残した。5月は売り上げが半分程度に落ち込み、全く経営が成り立たない。

<失敗を次に生かす>

桝井医師は、あと数年でこの病院を去る。現場の責任者として院内感染について「僕は全責任を負う立場、当たり前です」と同医師から率直な言葉が返ってきた。(編集:北松克朗)

Categorised in: 社会・経済