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2020年4月11日

11748:検査・薬で政府と厚労省医系技官に溝:日経記事を抄出し紹介

清澤のコメント:朝7時半で世界の確定患者168万、死者10万です。コロナ対策に派手な政策を打ち出したい政府と、急変を嫌う厚生省医系技官の見解の相違が目立つという記事です。確かにそういった側面はあるかもしれません。PCRを抑えて発症しない感染者は隠して患者数を多くは見せたくないというのは政府の隠れた方針かと思っていました。新薬の認可は事故を生むかもしれないという危惧もありましょう。初診への遠隔診療取り入れは実際的ではありません。患者さん側が自分のスマホにソフトを入れないといけないので、当面はその事業者を喜ばせるだけなのではなかろうか?と思います。悪口も聞かれますが、日本の死者が2桁というのは驚異的に優れた現状でしょう。中国と韓国はすでに山を越え、ヨーロッパでも山を越えそうですが、日本及び東京での新規患者数の伸びはまだおとろえてはいません。

ーーー記事の抜粋ーーーー

新型コロナ政治 2020/4/11 2:00日本経済新聞 電子版 

記者団の取材に応じる安倍首相(10日、首相官邸)

記者団の取材に応じる安倍首相(10日、首相官邸)

日本国内で新型コロナウイルスの感染者が出て3カ月近くがたった。前例のない危機対応に直面する首相官邸に対し専門的知見を盾に厚生労働省が壁になる構図が目立つ。政府内の足並みの乱れはさらなる対応の遅れを招きかねない。

4月上旬の首相官邸。「PCR検査はなぜ増えないんだ」。安倍晋三首相は加藤勝信厚生労働相や西村康稔経済財政・再生相らとの協議で不満を示した。同席した厚労省の医系技官から明確な返答はなかった。

首相「検査なぜ増えぬ」

厚労省は37.5度以上の熱が4日以上続くなどに絞って検査をしてきた。各国の検査数が増える中で異質の対応だった。

理論的支柱となってきたのは医師免許を持つ医系技官らだった。科学的な根拠や専門知識で政策を立案する。国民の生命や健康に関わる技官らは政治から一定の独立性を保つ。人事への政治の介入も限定的だ。2017年に次官級ポストで新設された医務技監には3年近く鈴木康裕氏がいる。

今回の危機対応ではその独立性が動きを鈍くした。重度に応じ区別するしくみを早急に作り検査の数を増やす方向にいかず、軽症者の入院が増え続ければ重症患者に手が回らなくなる「医療崩壊」への懸念という以前からの姿勢が先に立った。

「検査は誤判定もあるうえ、陽性でも8割は無症状や軽症だ」。こうした見解に基づく厚労省の対応は海外から批判を浴びた。米国大使館は4月3日「罹患(りかん)した人の割合を正確に把握するのが困難だ」と米国民に帰国を呼びかけた。

クルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」からの入国者の経過観察でも医系技官の説明は揺れた。当初は14日間だった期間は10日間や12.5日間と変わった。「世界保健機関(WHO)の見解です」。医系技官の大坪寛子審議官の説明に、首相は不満を持ったという。

官邸が期待を寄せる治療薬も同じ構図だった。

製薬会社「富士フイルム富山化学」が新型インフルエンザの治療薬に開発した「アビガン」。菅義偉官房長官は2月の時点で「すぐに承認の手続きをとるように」と厚労省に指示を出した。

厚労省は手続きに着手したが官邸にあがる報告は芳しくないものばかりだった。「重症者に効果が出ないといっているのに、なぜ重症者からやるんだ」。首相が厚労省に問いただすと「医学的には重症者から始める」との回答が返ってきた。

首相は厚労省以外のルートを使った。「世界の人々の不安を和らげるため何よりも治療薬が重要だ」。3月16日夜の主要7カ国(G7)のテレビ首脳会議。首相は世界が注目する東京五輪の話題より先にアビガンを念頭に治療薬の話をした。

医務技監「薬、承認に時間」

緊急経済対策でアビガンの海外供与を盛り込んだ。50カ国以上に無償で供与する代わりに投薬データを受け取る。承認を後押しする異例の手段だった。

この間も厚労省は消極的だった。4月上旬、首相はアビガンの承認時期を鈴木医務技監に聞いている。鈴木氏は「承認には時間がかかる」などと答えるだけだった。4月に入ってアビガンと同成分の薬を実際の患者に投与して有効性を確かめたとする中国の論文が取り下げられたと伝わっていた。

当初から医系技官の間には胎児への悪影響など副作用の懸念があった。ーー

オンライン診療は官邸と厚労省の溝が公の場ではっきりした。政府の規制改革推進会議は3月下旬から「受診歴のない患者にも初診から可能とすべきだ」と主張して厚労省を押し切った。

「全面解禁なんて認められない」。厚労省がオンライン診療を初診患者にも期間限定で解禁する方針を固める直前まで、医系技官は反対し続けた。オンラインは得られる情報が限られ、重症化の兆候を見逃し誤診の恐れがあるとの理由だった。

技官らには日本医師会の後ろ盾もある。横倉義武会長は3日、首相に全面解禁に反対すると伝えた。ーー

過去に苦い経験がある厚労省。危機を乗り越えようとする政権。その間には、厚労行政に影響力を持つ自民党の支持団体・医師会も控える。前例のない危機のなか3者の足並みは乱れたままだ。

Categorised in: 社会・経済