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2020年3月12日

11608:市場に響く「非常事態宣言」 パニックを戒め:記事紹介です

清澤のコメント:外来が暇で、パソコンに向かう時間の多い一日でした。日経新聞編集委員のトークとしてはこれでよろしいのですが、私には今回は尋常なことでは済まないという印象です。米国はイギリスを除くヨーロッパからの入国制限を発効させました。これで人の動きも商品の動きも大きく縮小することでしょう。

コロナウイルスはブラックスワンでしたが、それがなくとも金融資産は現実の裏図家のないままに際限なく膨らんでいたわけで、いつかは化けの皮が剥がれる体制にあると思っておりました。この記事で言う金融規制は果たして実効性を持つのでしょうか?以下が小平氏のコラムの要約です:
――市場に響く「非常事態宣言」 パニックを戒め:記事紹介です
編集委員 小平龍四郎 2020/3/12 14:45 日本経済新聞 電子版
要約――
米ダウ工業株30種平均は高値からの下落率が20%を超え「弱気相場」に入った。2008年の金融危機を想起させる、有力ファンドからの「非常事態宣言」も相次ぐ。危機の再発防止のために導入された金融規制の有効性が試される局面でもある。米国の弱気相場入りは、市場関係者にある程度の覚悟をもって迎えられた。3月に入り変調をかぎとったグローバル投資家が、顧客に注意を呼びかけていたからだ。
◎中国などアジア市場に積極的に投資している米有力ベンチャー・キャピタル(VC)のセコイア・キャピタル。3月5日の「コロナウイルス 2020年のブラックスワン」というメモでは「今後の展開に備えてしっかり心構えをしておくべきだ」と語った。具体的に検証が必要な点として(1)手元資金が十分にあるか(2)売上高の低下懸念はないか(3)コスト管理は適正か――などをあげ、投資先の企業対応を強く求めた。
2008年:「良き時代、ご冥福をお祈りする」。市場にあふれるマネーが資産価格を押し上げ、それが楽観と強気相場を演出する時代は完全に終わったとする内容で、発表当時は悲観的すぎると評判が悪かった。
◎世界中にファンが多い米オークツリー・キャピタル・マネジメント創業者のハワード・マークス氏。「誰も知らない・その2」と題する3日付メモで、疫病に関する専門知識に基づかない楽観論を戒めつつも、「コロナウイルスは1918年のスペイン風邪の再来ではない」と述べ、過剰反応をしないよう呼びかけた。――08年9月19日の「誰も知らない」では市場を覆う不確実性の強さを指摘する一方、「世界が終わってしまうかのような極論」に走ることを強く戒めた。
共通するのは「正しく恐れる」ことの重要性。「適切な備えをしていれば嵐はいつか過ぎるし、企業価値に照らし価格が安すぎる投資対象も出現する。その時を冷静に待つべきだ――。」百戦錬磨の運用者の伝えたいことは、これだ。
◎ゴールドマン・サックスのストラテジスト、ピーター・オッペンハイマー氏らは9日のリポートで「弱気相場」を(1)構造的もの(2)循環的なもの(3)一時的な出来事によるイベント・ドリブンなもの――の3つに分類した。(1)は不均衡の是正や金融バブルの崩壊が引き起こし(2)は景気循環による。(3)は戦争や新興国危機などが原因だ。オッペンハイマー氏らの見立てでは、現状の株価下落はイベント・ドリブンであり、構造的な弱気相場などに比べて期間は相対的に短いという。
企業の市場調達やファンドによる投資活動などは止まっていない。銀行も融資先を探している。市場の激震はまだ金融システムを痛めるには至っておらず、それがリーマン・ショックから金融危機に至った08年と現在との違い。
その意味で問われるのは、金融危機の再発防止を目的として、過去10年間で導入されたさまざまな金融規制の有効性。現代の金融機関はリーマン・ショックの前に比べて高い自己資本比率を求められ、顧客の資金を高リスク取引にさらすことも禁じられた。経済環境の激変を想定したストレス・テストも何度も実施されている。導入当初には過剰とも思われたさまざまな手立ては、ブラックスワンの激しい羽ばたきがもたらす風圧から市場を守る防波堤となっている。

Categorised in: 社会・経済