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2020年1月26日

11462:平成を演出した冠動脈バイパス術、その後への挑戦 天野 篤順天大教授 聴講印象記

第43回日本眼科手術学会学術総会が下記の日程で行われました。どのような内容が話されたのかと思ってホームページを開きましたら、会期中で特別講演と教育講演がネット公開されており、順天堂大胸部外科天野篤教授の特別講演を拝聴することが出来ました。見事なご講演でした。
  • 会 期:2020年1月24日(金曜日)~26日(日曜日)
  • 会 場:東京国際フォーラム
  • 総会長:天野 史郎(医療法人社団済安堂 井上眼科病院)

招待講演1 平成を演出した冠動脈バイパス術、その後への挑戦 座長:高橋浩(日本医大)

平成を演出した冠動脈バイパス術、その後への挑戦 天野 篤 順天大

講演で聞き取れた要旨:

心臓外科医としての人生を話す。最高の医療と最善の医療は違う。8項目のインフォームドコンセント内容が有る。最高はすべてがAランクで保険外診療。全例には施行できないが、これがEBMのとりかかりになることもある。居合い抜きの極意は外科手術に通じ、最高のタイミングで、迷わず、勝って次の戦いへ向かう手術もかくありたい。外科医になる人に情熱を保たせることが必要。「手術ができる外科医になりたがる」できるとは?自分の欠点を知っている。そして左手の使い方がわかっている、正確な解剖の知識などをさす。手術が上手とは?出血が少ない、合併症が少ないなど。

留学して臨床力が得られるか?5人中3人が何とか使えるようになるが、2人は臨床医からは消える。自分がイニシアチブを持たない留学は良くない。(ちなみに天野先生は留学をしていないとのこと。)現状の各国の手術状況①インドと中国の手術数は多い。②米国の手術数は血管内手術に変り総数が減った。③日本での治療のレベルは良いが、担当できる数は少ない。

インドの病院の紹介。手術数が多く毎日、順天堂大での2週間分である31例を行う。貧困層を支える為、私費を足して差額ベッド代を払う患者の確保が必要。共通言語としての英語を使う。留学先にはよい。

順天堂大で行う高校生の医療体験コースの紹介。医学部生3割、7割は受験生。医師育成には資金がかかる。日本の保険診療は、患者には軽費で平等だが、早期の治療が増える傾向を持つ。医師育成には6年で1憶1千万かかる。つまり日本の医師には公平な医療を行う義務がある。現代の名医とは?合併症の防止も大切。

外科医は相当意識して進化せねばならない。外科医には特徴がある。天野式としては、絶対にあきらめない事が必要。粘着気質であることが必要。誰にも第一例はあったわけであり、そこで得た経験なのだから、日本では外科医にインセンティブは付けるべきではない。水準以上の仕上がりには5000例が必要。医療は社会インフラと考える。

心臓外科医として:術後に脳梗塞を起こすことが有る。脳梗塞の原因となる術後の心房細動では2.5%もあり、大変危険。左心耳に血栓ができるから、バイパスや開心手術時に心耳に4-0ものフィラメント糸でたばこ縫合を置いて左心耳を切除する。血液凝固の薬剤管理は難しい。この処置はIRBを通して治験として2000例行っている。左心耳切除群では合併症増は無くて脳梗塞が少ない。

人生の転機:良くあたる占い師に「絶」に入ると予言された。もっと多くの人に役立つことをせよ。手術だけでなく、論文などの書き物が必要とされた。順天堂に教授として赴任直後に、医療事故等が出てしまった。

56歳の時に、天皇の手術。いくつかの道徳の教科書等に紹介してもらった。ゴッドハンドとしても紹介された、これが勲章。震災の翌年に天皇の手術を予定通り終了でき、56日の入院。

天皇は国民を労う旅行を重視していた。公平の原則を重視し、この手術が役に立って平成の終焉を迎えることが出来たことに天野先生は満足した。患者さん側にメリットが有る今できる最善な事を重視する。

脳外科の福島孝徳先生との出会い。今も、手術機械の開発をする点が偉く、自己開発能力が高い人と思う。頂上の上に上が有ることを教えてくれた人だと。

天皇の言葉の前半を新聞で読み、思うところもあったが、その言葉の後半を見て天皇陛下だけでなく国民の役に立ったという納得ができた。国民を思い、国民のために手術するという姿勢が重要で幸せなことだと。

順天堂大はベトナム国防大学とも提携した。アジアとの交流も有効であろうと。

Categorised in: 社会・経済