お問い合わせ

03-5677-3930初診受付

ブログ

2019年6月16日

10824:日本関連タンカー攻撃の真犯人「イラン革命防衛隊」か「反政府テロ組織」か:記事紹介

清澤のコメント:安倍総理のイラン訪問中に、日本のタンカーに対する襲撃が行われた。 世界的な衝突が此処でも勃発しそうなのは間違いない。 今回の事件で犯行声明を出した組織は未だにない。米国はイランだと言い、イランはそれを否定している。その状況を軍事専門家が解説している。軍事ジャーナリスト黒井文太郎氏によるJun. 14, 2019記事抄出。実に真実は闇の中。

――記事の概要――― 

安倍晋三首相がイラン訪問中の6月13日、ホルムズ海峡に近いオマーン湾のイラン沖で、日本関連のタンカー2隻が何者かの攻撃を受けた。犯人は現在のところ明らかになっていない。

アメリカのポンペオ国務長官は同日、「イランに責任がある」と発言した。その根拠は「米情報機関の分析」で、特に使用された武器や作戦規模が国家の軍隊レベルであり、それが可能で、しかも動機があるのはイランということだが、明確な証拠は示していない。

アメリカは、5月に起きた石油タンカーなど4隻への攻撃でも、ボルトン大統領補佐官(国家安全保障担当)が「イランの機雷によるものであることはほぼ確実」と断定しているが、やはり明確な証拠を示していない。

証拠はまだ一切出ていない

今回のタンカー攻撃の背景にあるのはもちろん、アメリカの軍事的圧力とそれに対抗するイランという構図である。――「動機」の点、さらには「能力」の点でも、イランが関与を疑われるのは仕方ないだろう。ただし、イランとアメリカの間の緊張を高めることを狙った、「なりすまし」犯行である可能性は否定できない。重要なのは、現時点では誰も犯行を認めていないこと。匿名で行われた謀略的なテロ工作で、しかも犯人は「不明」である。現時点では「イラン説」も「なりすまし説」の両方とも可能性がある

  • イラン説なら、実働部隊は「イスラム革命防衛隊」:第1容疑者は「イスラム革命防衛隊」。「能力」も「動機」もある。
  • なりすまし説なら、反イランのテロ組織:イランとアメリカの間の緊張を高めるという「動機」がある。問題は、軍事的能力で、そこは微妙。現時点の情報だけでは判断しにくい。イランには「ムジャヒディン・ハルク」など1979年のイラン・イスラム革命以来の反体制派組織があるものの、こうした武装闘争は久しく行っていない。

武装テロ活動を行っている組織;イラン南西部で活動する「アフワズ民族抵抗」があるが、活動エリアが一致しない。

第1の容疑者はスンニ派の「ジェイシュ・アドル(正義の軍隊)」という反体制派ゲリラ組織。

第2の容疑者は、IS(イスラム国)。ISにとってはアメリカもイランも敵なので、互いに殺し合えば都合がいい。が、今回のような匿名の謀略工作は考えにくい。

犯行が露呈したときのリスクから見えてくるもの

ほかに容疑者として考えられるのは、第三国の工作機関。イランを悪者にしたいという動機で、たとえばアメリカ、サウジアラビア、アラブ首長国連邦(UAE)、イスラエルなどに動機と能力はある。しかし、露呈した場合の政治的ダメージが大きすぎ。可能性の高さの順位なら、第三国による謀略工作の可能性は高くない。

頻発する「海賊行為」の可能性は低い:

こうした状況を考えると、容疑者としては「革命防衛隊」と「ジェイシ・アドル」がやはり有力だ。ただし、現時点での情報ではあくまで「不明」。

追記:米中央軍は6月13日付で、日本の会社が所有するタンカーから、イラン革命防衛隊の小型船が不発の吸着機雷を回収する場面のビデオ映像を公開した。安全のために回収した可能性もあるが、革命防衛隊による証拠隠滅だった可能性も濃い。


黒井文太郎(くろい・ぶんたろう):フォトジャーナリスト、軍事ジャーナリスト。

Categorised in: 社会・経済