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2019年5月1日

10674:人工透析の中止はがん終末期患者の治療中止とは全く意味が違う;記事紹介

清澤のコメント;本日から令和の御代が始まりました。「人工透析の中止はがん終末期患者の治療中止とは全く意味が違う」。患者と医師とでは専門の知識が違う。『透析をやめますかと聞くことは<死にますか>と聞くことと同じ。その判断を身体的、精神的に追い詰められている患者に迫るのは酷なこと』というのは共感できる言葉です。東北大学艮陵会関東連合会の佐々木先輩の発言記事です。

特別編都立駒込病院名誉院長 佐々木恒雄

  • 2019年05月01日の日韓ゲンダイ紙面から抜粋抄出
  •  人工透析を受けている患者ががんになった時、「手術は可能かどうか」を含めて患者の状態を十分に検討し、安全を確認しながら行われます。――、透析で抗がん剤を体外に排泄する必要があり、投与日と週3回の透析とのタイミングを合わせることが重要です。――透析患者に対して抗がん剤治療を行った報告は、われわれが実施したものを含めてごくわずかです。実際には行われていないのが現状と思われます。
     腎機能を失った患者は、透析をしなければ数日から数週間で尿毒症を起こして亡くなってしまいます。
  •  ですから、透析はがんがあってもなくても、多くの場合は体の状態が許す限り続けられます。先月、公立福生病院で医師が患者に透析を中止する選択肢を示し、中止を選んだ女性が死亡したという報道がありました。――

「自身も透析を続ける東京腎臓病協議会事務局長は、『透析をやめますかと聞くことは<死にますか>と聞くことと同じ。その判断を身体的、精神的に追い詰められている患者に迫るのは酷なこと』と言われた」
■生きられる患者が亡くなっていくのを医師は黙って見ているのか
 報道にあるような「透析をすれば生き続けられる患者に対しても、透析をしない選択肢を提示した」ことが本当にあったのかどうか、私はとても疑問に思っています。

患者と医師とでは専門の知識が違います。――
 透析をしないでいると数日で尿毒症になり、苦しさのあまり透析の再開を希望する患者もいらっしゃるでしょう。――
 透析さえすれば助かり、日常生活が送れて長く生きられる患者が、透析しない選択をして、そして亡くなっていくのを、医師もスタッフも黙って見ているのでしょうか? 透析の中止は、がんの終末期患者が余命いくばくもない状況になって「がん治療中止」を選択し、緩和医療をするのとはまったく意味が違うと思うのです。――

 透析はーー長年続けてきたら、やめたくなる時は誰にでもあるでしょう。それでも、透析さえすれば長く生きられる、みんな我慢して治療を受けている……医療者が患者の心に寄り添いながら励ましてくれているから、患者は続けていると思うのです。――本人の意思や書面での確認も大切かもしれませんが、その前に、医療の原点は「命を最大限、尊重すること」だと思うのです。

 本コラム書籍「がんと向き合い生きて行く」(本書は日刊ゲンダイ連載『佐々木常雄 がんと向き合い生きていく』(2017年2月7日付~2018年12月26日付)に加筆したものを、新たに書き下ろした原稿とともに構成した、オリジナルのソフトカバー書籍です。)好評販売中

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