お問い合わせ

03-5677-3930初診受付

ブログ

2019年4月1日

10602:都市への医師偏在と,眼科を含む少数科への医師偏在を論じてみよう

先日、仙台で開かれた同級会では、東北地方にある病院の病院長になっている医師たちが、地方に来る後輩医師の不足を嘆く声が出ていました。また科別の偏在も指摘されています。その際に、私が「東京では眼科入局者がすでに制限されている」と発言したら、それは「医師の都市部への偏在を是正するためであって、結果がそうであっても眼科を制限しているわけではない」との反論が県の医師会幹部になっている友人から有りました。しかし、東京で眼科医になろうとしている若手医師にとって結果は同じことです。

随分前ですが、私が留学生として学んだ頃の米国では専門学会(この場合はアメリカ眼科学会)が自分の科へ進む医師の総数を決定し、大学病院毎の分配もすべてを決めていました。その結果、眼科は既に非常に狭き門であり、しかも都市部の大病院の眼科レジデント席は非常に貴重なものとなっていました。その選別に出身大学はほぼ配慮されてはいませんでした。

下に引用する日眼会誌からのメルマガ記事は少なくとも事実を理解するのには役に立ちそうです。「平成30年度から東京、神奈川、愛知、大阪、福岡の5都府県では、初期研修を修了した後は、専門医の資格取得を目指す専攻医(=これまで後期研修医と呼んできた医師のこと)の数を制限(外科、産婦人科、病理、臨床検査の4領域を除く)し、これに連動して5都府県については、大学病院をはじめとする基幹研修施設の受け入れ人数に一定の上限が設けられることになった。すなわち、医師を目指す若者達にとっては、従来のような「希望どおりの入局」が必ずしも叶わない状況に様変わりしたわけ。むろん、施設間における極端な偏在を解消すべく、以前から各基幹施設の受け入れ人数には学会主導でそれなりに上限を設定していたわけだが、平成30年からはこれまでの自主的なルールとは無関係に日本専門医機構から直接、制限が加えられるシステムに変わったということになる。また、各施設で受け入れ可能な定員については、原則として過去5年間における専攻医の数の平均値をもとに機械的に決められることになった。(以下続く)―――」

 大学にも嘗て籍を置いたロートルの眼科医としては、「腕のいい臨床医」の育成だけではなく、「研究に興味を持ち、世界の眼科の進歩を牽引するような眼科医」の育成も大切ではなかろうかと思います。最近の風潮が、優れた臨床医の育成ばかりに向かっていることも憂慮の種です。

Categorised in: 社会・経済