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2019年3月26日

10581:悪徳雑誌への投稿注意喚起について

原文:http://jams.med.or.jp/jamje/attention_vicejournal.pdf

悪徳雑誌への投稿の回避の警告

清澤のコメント:有力な雑誌の採択率は5%とか15%とかと限られたもので有り、その場合にはインパクトファクターが比較的低い雑誌に再投稿をすることになります。最近は、論文の質が悪くなければ、優先順位によって切られることが少なく、読者からは購読料を取らないというオープンジャーナルも増えてきました。その雑誌に掲載される論文の質が担保されていれば良いのですが、投稿者から得る出版社の利益だけを追求して、内容に責任を持てない様な英文の悪徳雑誌(プレデトリアル・ジャーナルというそうです)が現れ、それに対する警告が日本医学会から公表されるに及んでいます。論文投稿にあたっては注意が必要です。

   ――抄出して引用―――

悪徳雑誌への注意喚起について

 オープンアクセスジャーナル*の普及に伴い、著者から徴収する論文掲載加工料による収入のみを目的とし、掲載論文や出版の質の管理が粗雑である悪徳雑誌(predatory journal)** への投稿を問題視する記事が、新聞紙上に取り上げられています。

* オープンアクセスジャーナル

著者が論文掲載加工料(Article Processing Charge: APC)を支払うことなどにより、掲載論文がインターネット上に購読無料で公開される電子ジャーナル。

** 悪徳雑誌(predatory journal)

ハゲタカ雑誌、捕食雑誌、粗悪雑誌などとも訳されていますが、本委員会では、「アジア太平洋地域の科学および医学分野における研究の健全性と倫理的な論文執筆・出版に関する東京宣言(2013年8月)」 の採択以来、「悪徳雑誌」と呼んでいます。

悪徳雑誌の増加は、学術雑誌への信頼を低下させるものであり、日本医学雑誌編集者会議の活動目標の1つである「医学雑誌の質の向上の寄与」に向けた動きに反するものであります。

以下に示す悪徳雑誌の特徴と悪影響、さらに悪徳雑誌への投稿の回避方法をご理解の上、論文の投稿誌は慎重に選定してください。

なお本文中の各種サイト、データベース、文献などURLへのHyperlink付きのものが、日本医学雑誌編集者会議 (JAMJE) のサイトの末尾に公開されています。

悪徳雑誌の特徴と悪影響

悪徳雑誌の特徴は、有名誌に似た雑誌名をつけ、論文掲載加工料や編集・出版方針を明確に公表せず、投稿された論文を十分な査読過程を経ないまま、ほとんどすべての投稿論文を発行して、論文掲載加工料を請求することが挙げられます。

悪徳雑誌は、研究者に投稿を勧める電子メールを頻繁に送付します。悪徳雑誌からの電子メールやサイトに記載されている自誌の評価や投稿後迅速に出版されるという誘いの言葉を鵜呑みにして悪徳雑誌に投稿すると、以下の悪影響を受ける危険があります。

・著者は当初想定していたより高額な論文掲載加工料を請求される。

・悪徳雑誌に論文が掲載されることで、著者や所属機関が否定的な印象を持たれる。

・学術文献データベースに収録されないため、掲載論文が広く流通せず、また業績評価の対象とならない。

・悪徳雑誌はサイトの管理に責任を持たないため、掲載論文の永続的な保存が保証されない。

・投稿した後に適切な査読手順を持たないあやしい雑誌であると気づいても、投稿論文を取り下げることができず、また一度発表された研究内容は他誌には投稿できないため、せっかくの研究成果が悪徳雑誌のサイトに埋もれてしまう。

医学雑誌編集者国際委員会 (ICMJE) は、そのRecommendations 2017以降で、投稿誌を評価するのは著者の責任であり、著者は悪徳雑誌の存在を認識し、悪徳雑誌を研究成果の投稿対象としてはならないとしています。また、投稿誌選定の際は、各種ガイダンスを参考にすることや、指導者や先輩など経験者に支援してもらうことを勧めています。研究室の主宰者などの指導者も、悪徳雑誌の存在などの情報を得て、責任を持って後進の指導に当たるべきです。

投稿誌選定の際のチェック項目

以下は、Think. Check. Submit. (日本語版) を参考とし修正したものです。これらの項目から全体的に評価してください。

(1) あなたや同僚はそのジャーナルについて、掲載論文を以前に読んだことがあり、最新論文を容易に見つけることができますか。

(2) 出版社名が明記され、メール、電話、郵便で連絡が取れますか。

(3) そのジャーナルはどのような査読を行うか明白ですか。

(4) そのジャーナルで掲載されるための料金の内容と、どの段階で請求されるかについて説明されていますか。

(5) そのジャーナルには編集委員会は設置されていますか。あなたは編集委員について知っており、編集委員は自身のサイトでそのジャーナルについて触れていますか。

(6) その出版社は学術出版業界で認められている以下の団体に加盟していますか。

・Committee for Publication Ethics (COPE)

・Open Access Scholarly Publishers Association (OASPA)

(7) そのジャーナルは以下のデータベースに収録されていますか。

・MEDLINE ***

・WHO Global Index Medicus (GIM)

・Web of Science

・Scopus

(8) そのジャーナルは以下のリストに登録されていますか。

・Directory of Open Access Journals (DOAJ)

*** MEDLINEとPubMedは収録内容が異なります。

Categorised in: 社会・経済