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2019年2月28日

10504:経済変調を示す金銀比価(GSR)がリーマン時と同じ高水準!記事紹介

 2019/2/20

清澤のコメント:世の中にはいろんなことに気が付く人が居るものです。今日気が付いた記事は経済変調を示す金銀比価(gold silver ratio:GSR)についての解説です。(⇒原文 https://media.rakuten-sec.net/articles/-/19599?page=1)前回のジムロジャースの話と同じ著者の論説です。

幕末の日本では金銀比価が10に対し、中国ヨーロッパではそれが20であったから、多量の金が日本から海外に急激に流出したという話を思い出しました。

・金銀比価GSRの上がり下がりは何を表すのか?現在のGSR水準は80倍超でリーマン・ショック時と同水準だという話です。

お話の要点は、

  • 久々のGSR露出

 「金銀比価(GSR)」は専門的な指標で、高値は経済環境に変化が起きているときに見られる。「金銀比価」とは同じ重さの金価格に対する銀価格の比率。新聞記事などは「金銀比価」だが、プロ間では「GSR」 (ゴールド・シルバー・レシオ)。現在、金の国際価格は1トロイオンス=1,340ドル前後、銀価格は1トロイオンス=15.9ドル前後で、GSRは84倍(1340÷15.9=84.2)。

 GSRは、金貨と銀貨の価値を決める指標として重要。GSRの上昇は、経験則上、地政学リスクが高まったときや、金融危機が深刻だった時期に多くみられた。

 湾岸戦争の1991年には過去最高水準の100倍に拡大。2008年のリーマン・ショックでは瞬間的に84倍まで上昇した。現在も2018年2月から80倍を超える水準が1年近く続いている。過去20年間の平均は60倍程度で、金が割高な水準が続いている。

② GSRの上がり下がりは何を表すのか

GSRが上昇するときは、計算式上は金が上昇するか、銀が下落するとき。また、GSRが下落するときは、金が下落するか、銀が上昇するとき。

 実際には銀は金と連動する値動きをする傾向があるため、GSRが動くときは金と銀の上昇スピードの違いや下落スピードの違いによって生じる。つまり、GSRが上昇するときは、銀に比べて金の上昇率が大きく、GSRが下落するときは金の下落率が大きいということ。

 ただし、金が上昇してもGSRが必ずしも上昇しない場合がある。2011年8月に金価格が1,900ドル台の最高値を更新したが、その時のGSRは40倍程度。金は、地政学リスクが高まると、「有事の金」として投資が活発になり、株安や金融不安が起こると通貨の信認が低下し「安全資産」として買われる。1,900ドル台に金が上昇したときは、ギリシア・ショックに端を発した欧州債務問題や米国債の格下げによって、欧米の中央銀行が金融緩和をしたことからドルの価値が低下し、金が上昇した。しかし、GSRは40倍と上昇しなかった。 

金の用途別需要を見ると、宝飾品や投資用の需要が9割で、銀は工業用が6割。景気変動の影響は、圧倒的に銀が受けやすい。金融危機が発生すると金は安全資産として買われ、また、金融危機のときには景気も減速することから銀の需要は減少し、銀の上昇は鈍くなる。この結果、GSRが上昇してくる。

 2018年前半は米朝首脳が言葉で攻撃し合い、北朝鮮問題の地政学リスクが高まるものの、6月の米朝首脳会談以降、地政学リスクは低下した。ところが夏場以降、今度は米中貿易摩擦が激しくなり、経済への影響が懸念された。この懸念増大から10月から12月にかけて株が大きく下がった。

 このように地政学リスクの高まりや経済減速懸念によってGSRの80倍近い水準が続いてきた。直近の株で米国金融政策のタカ派姿勢が後退したことや、3月1日交渉期限の米中通商協議の進展について楽観的な見方が高まってきたことから米国株は上昇している。しかし、GSRの水準は変わっていない。景気の減速はまだ始まったばかりかもしれない。

 GSRの高止まりは世界経済の先行き不安を反映し、その不安が続いていることを物語っている。80倍を超える水準が1年近く高止まりしていることから、指標としての役割や意味合いが変わったかもしれないが、引き続き警戒モードで臨んだ方がよさそう。

Categorised in: 社会・経済