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2019年2月2日

10440:ヘッジファンドの黄昏・昨年10年ぶり残高減:記事紹介

金融緩和が影響 リスク膨張続く

•          清澤のコメント:ここ数日「ついに始まった日本経済「崩壊」 (浜 矩子 著」」を読んでいました。「午前に株価が下がると、午後に日銀とGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)が買い支えに来る」と言われる日本の株式市場。この記事を見ると、同様のことが欧米でも起きていた様です。浜矩子氏は「行き着く先は、債権と株式の2つの市場の死の海化」と言っています。為政者の都合で恣意的に保たれた価格はやがて維持できなくなるという訳でしょうが、この記事も道筋こそ違いますが、同様の心配をしているようです。

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(2019/2/2付 日本経済新聞 朝刊 記事の要点抄出)

ヘッジファンドが黄昏を迎えている。業界全体の運用成績は10年連続で市場平均を下回り、運用資産残高も減少に転じた。「敗因」は金融危機後に世界にばらまかれた緩和マネー。リスクを取るプレーヤーが減れば、市場のダイナミズム低下を招き、次の危機につながる。

「リーマン・ブラザーズと共通点がある」と投資家アインホーン氏率いるヘッジファンドは電気自動車のテスラ株を空売りしたが、利益を上げられなかった。全てを覆い隠したのがカネ余り。

金融危機で一転

全世界で約350兆円を運用し約1万あるヘッジファンド。源流は下落時の損失を回避(ヘッジ)する投資法。多様な金融商品の「買い」だけでなく「空売り」で、下げ相場でも収益の確保を狙う。

00年代初めまで年20~30%の高リターンを上げ、世界の金融市場で存在感を高めてきたヘッジファンドに08年に転機が訪れた。金融危機だ。真の「危機」は危機後。日米欧の中銀がばらまいた1千兆円以上の緩和マネーが原因。誰もが勝てる「適温相場」でパッシブ運用が勢いを増す。個々の企業の割高・割安の判断を利きにくくした。

「預かり資産の2%の手数料」と「もうけの20%の成功報酬」だった高額報酬も値引きを迫られた。顧客として影響力を増した年金マネーは透明性や開示体制を求め、そのコスト増で悪循環に陥った。

市場の監視役不在

ヘッジファンド全体が輝いていた時代は終わったが、勝ち組もいる。自前でスーパーコンピューターを抱える一線級のAIファンド。トップ2社が上位20社の利益の半分をたたき出す「勝者総取り」。価格変動が増幅され一方向に雪崩を打つ動きの背景に彼らの集中売買が透ける。閉鎖するファンドも多い。緩和マネーが膨らんだ今、警告役不在の金融市場でリスクがたまり続ける。(山下晃、松本裕子)

清澤注:パッシブ運用:投資信託や年金などのファンドにおいて、積極的コストを支払っても超過リターンは得難いという考え方に基づき、市場平均と同程度の運用成績を目標とした運用スタイルのことをいう。市場平均を上回ることを目指して、個別証券等の割高や割安などを運用者が判断して売買を行う「アクティブ運用」に対して、運用者の判断を交えず、インデックスに追随することを目指した受動的(パッシブな)運用であることに由来する呼び名。

Categorised in: 社会・経済