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2018年11月24日

10293:ゴーン逮捕で仏マクロンの謀略を潰した日本政府:記事紹介

先日、ゴーン会長が逮捕されたときに、その説明をある新聞記者と話すことが出来ました。私が、所得税脱税でなく、有価証券取引法違反という理由での逮捕に疑義を述べ、米国の意図が働いたのではないか?と尋ねたところ、記者氏は「フランス大統領マクロンに押されて、ゴーン氏が日産三菱をルノーに吸収させるという決断をしたことに日産役員が反旗を掲げたという事だろう。」と説明してくれました。今回の田中氏の記事はもう少し深く状況を説明しています。

 ―記事の概要――

田中宇の国際ニュース解説 から 2018年11月22日 http://tanakanews.com/

日産・三菱・ルノーの会長ゴーンの11月19日の逮捕は、フランスのマクロン大統領の謀略を阻止するための、経産省が主導する日本政府による対抗策である。マクロンはフランス政府が大株主であることを利用して、ゴーンと喧嘩しつつルノーに経営介入してきた。仏大統領になったマクロンは、これまで提携関係にあった3社をルノー主導で合併して「世界最大の自動車会社」に仕立てるとともに、フランスの雇用拡大や経済成長につなげたかった。

フランスは、ドイツと並ぶEUの主導役だが、ドイツが経済力においてフランスより優勢で、フランスは脇役に甘んじてきた。野心家マクロンは、今年2月、ゴーンがルノーの会長の任期を更新できるかどうかという時に、ルノーの最大株主としてゴーンに、日産三菱との株式の持ち合い関係を、ルノーが日産三菱を併呑する形に進ませることを条件に、ゴーンのルノー会長続投を了承した。ゴーンはそれまで、ルノーによる併呑に消極的だったが、今年2月以降、日産三菱を併合する方向に進み出した。

日本政府は、マクロンがゴーンを使って日本企業を食い物にしようとしたので阻止した。日産と三菱はゴーンを非難しつつ会長職から外すが、仏政府はゴーンをルノー会長から外させないし、ゴーンを擁護し続けている。

ルノーの生産性は日産の半分しかない。ゴーンが逮捕されなければ、来年春に日産と三菱がルノーに食われて「フランスの会社」になっていた。日産と三菱の側では、ルノーに併呑されることに抵抗があったはずだ。今回のゴーン逮捕が、日産が検察に頼んでやってもらった事件であるなら、異例の手口でゴーンを潰していることに説明がつかない。これは、もっと上の、安倍首相自身を含む日本政府・官僚機構の上層部が、ゴーンを逮捕して併呑謀略を阻止し、日産と三菱を日本企業のままにする防衛策をやろうと決めない限り、事件にならない。

米国がトランプになって覇権放棄に邁進し、既存の米国覇権の世界体制が揺らぐなか、安倍首相は、日本の外交政策において、対米従属一辺倒の外務省には雑用しかやらせず、戦略立案を経産省にやらせる傾向だ。経産省は安倍政権の事務方として、日産三菱がフランスに食われて日本の国益が損なわれることを阻止した。

オランダにあるルノーと日産三菱の合弁会社でも、ゴーンが犯罪行為を行った疑いがある。この合弁会社は、ルノーが日産三菱を併呑する際に使われる可能性があった。日本の捜査当局は、ここも標的にすることで、ルノーによる日産三菱の併呑を妨害しようとしている観がある。

だが、米国覇権の自滅と、きたるべき米国発の金融大崩壊により、いずれ米国覇権は終わり、中露の台頭など世界の多極化が進む。日本は、対米従属以外の国家戦略を用意せねばならない。安倍政権が、米国抜きのTPP(日豪亜)の発足を急ぎ、中国との経済関係強化、日露和解などを急いで進めているのは、対米従属の終わりに備えるためだ。

世界中が、同盟関係や国際秩序や資本関係より、自国の国益を優先し始めている。

ゴーンは保釈後、ルノーの会長に戻るかもしれないが、日産と三菱からは排除されていく。日産は、株の買戻しなどで、ルノーとの関係を切っていく可能性が大きい。マクロンの謀略は失敗した。

Categorised in: 社会・経済