お問い合わせ

03-5677-3930WEB

ブログ

2018年5月2日

9817:人間関係の質の低下 孤独の病、助長するSNS:記事紹介

(コラムニストの眼)人間関係の質の低下 孤独の病、助長するSNS デイビッド・ブルックス 2018428

清澤のコメント:今日の眼の話題(= コラムニストの眼)です。社会的な人間関係の重要さを主張した抄録記事を私が直截に更に短縮してみました。フェイスブックをはじめとするSNSの問題点はプライバシーが保護されない危険性ではなく、人々を孤立させることだと言いたいようです。私も、大学生になった子供も、先月までスマホは持ちませんでした。不便な点が無くはありませんが、結構それが健全だったかもしれないと納得しました。

―――

◎ロバート・ホール氏は、「実を言うと、どんな社会であれ、一番大切で、最も大きな価値を生み出す資源は、人間関係だ。人間関係は、生き延びて、成長し、栄えるための命綱なのだ」といった。

この数十年、人間関係の質が低下し続けてきた。80年代には、孤独を感じることが多いと答えた米国人は20%だったが、今や40%に増加。自殺率は過去30年間で最も高い。うつ病の割合は60年から10倍に増えた。

◎ビベック・マーシー氏は、医師としての経験を「私が一番多く目にした病状は心臓病でも糖尿病でもなく、孤独だった」といった。

患者たちは孤独を理由に、また、孤独によって病になったことを理由に彼を訪ねていた。社会的なつながりの弱さは、1日に15本のたばこを吸うのと同様の影響を健康に与え、肥満よりも悪影響が大きい、と彼は言う。

◎こうした傾向は過去5年間で急激に悪化した。2012年には、深刻なメンタルヘルスの問題を抱える若者の割合は5.9%だったが、15年には8.2%になった。

心理学者のジーン・トゥエンジ氏が「スマートフォンは一つの世代を破壊したのか」と題した記事を書いた。社会の崩壊が加速するさまを示した内容で、議論を呼んだ。

10代の若者はいつの間にか、デートをしたり、親の同伴なしに外出したりすることが少なくなり、大人がするような行為を先延ばしにすることが多くなった。彼らはより多くの時間をデジタル画面とともに1人で過ごし、画面を見ている時間が多くなればなるほど不幸だと感じる人は多い。ソーシャルメディアを長時間使用する中学2年生は、うつ状態になる確率が27%高い。

◎FBを取り巻く最大の問題はプライバシーではない。FBや他のソーシャルメディア企業が、孤独や社会的孤立という伝染性の病を助長しているということなのだ。インターネットを長時間使う人は、すぐそばの隣人と接して、世話をし合ったり、手を差し伸べたりすることがずっと少ない傾向にある。近隣住民の社会構造において、何か大きな変化が起きている。

◎英国の人類学者、ロビン・ダンバー氏は、人間社会が「クラン」(家族と近しい友人)、村(地域社会)、部族(より大きな集団)という三つの階層からなると述べている。今日の米国では、クランは分裂し、村は衰退し、部族は武器と化したと言えるだろう。

◎人間関係の質の低下を定量化して伝えるのは非常に難しい。しかし、社会的に豊かな人の多くが、自分たちとは違う境遇の人々の暮らしをよく知らないのは確かだ。

(〈C〉2018 THE NEW YORK TIMES) (NYタイムズ、4月16日付 抄訳)原文・https://digital.asahi.com/articles/DA3S13471668.html


Categorised in: 社会・経済