保険医のための“旅行医学認定医“取得のすすめ !
千駄ヶ谷インターナショナルクリニック 篠塚 規
眼科医清澤のコメント:表記の記事が診療研究 536号 2018年4月号に出ていました。興味をひかれたので要旨を採録します。
◆日本の旅行医学とは?
広い分野をカバーするのが今日の旅行医学の実態。―般ツアー、留学生、海外赴任者の医学上の安全と快適性の向上のために最低限の知識を備えることが必要。
①海外での病院のかかり方を教え旅行用英文診断書、英文薬剤証明書などが作成できる。
②航空機搭乗の可、不可の判定も含め旅行前、留学前、海外赴任前の相談や検診ができる。
③必要なワクチン接種や持参すべき薬剤のアドバイスなどができる。
④帰国してからの発熱、下痢に対して、適切な診療アドバイスができる。
⑤一般ツアーでの高山病のアドバイスや予防薬の処方ができる。
⑥ダイビングの検診や中高年ダイバーに医療面の基本的アドバイスができる。
◆旅行医学の歴史
“旅“という切り□で各医学分野全体を横断する新しい医学分野。“ 旅行医学“はイタリアのリミニの医師 Wパッシーニにより初めて提示された。
日本旅行医学会認定医は専門医資格ではなく、広く深い旅行医学をマスターするための基本中の基本を共有するための制度。
1.飛行機の中の旅行医学 航空機フライト中に重症化あるいは死亡する可能性の高い人、乗客や乗員に危害や多大な迷惑をかける可能性のある人は搭乗不可。
1)感染症: 飛沫 (麻疹、風疹、結核、SARS、MERS)
2)フライト中に重症化や死亡する可能性の高い人。搭乗できない医療上の制限は航空会社共通。
3)循環器疾患を抱えた方の海外旅行
4)ロングフライト血栓症 (いわゆるエコノミー症候群)
【 ロングフライト血栓症の7つの基本予防策】 ①2~3時間ごとに歩く ②スペースを見つけ、下肢の屈伸運動をする。 ③水分を摂る ④ゆつたりした服装
⑤血行を悪くするので足は組まない ⑥不自然な姿勢で寝てしまうため、睡眠薬 は使用しない ⑦女性や高齢者は通路側に座る
2.旅行前検診と医療用英文書類
脳卒中と心筋梗塞対策が日本の旅行 医学のメインテーマ
旅行用の英文診断書も有用
3.一般ツアーでの高山病:、高山病予防薬ダイアモックスを処方することで、AMS(山酔い)が予防できる。
4.ダイビングの旅行医学
5.感染症の旅行医
◆旅行医学会認定医を取得した後は?
日本旅行医学会認定医の取得は、あくまでも“ 旅行医学の基本中の基本をマスターした“という、基礎の土台。
Categorised in: 社会・経済