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2018年3月6日

9667:心肺停止後、5分は意識がある!? 最新の脳神経学で分かった「死」:記事紹介

心肺停止後、5分は意識がある!? 最新の脳神経学で分かった「死」

201836日(火)1930分 松丸さとみ

 

 

心臓が停止後も脳に動き

 

人は心臓が止まった後、35分は脳が活動しており、血流が再び流れれば蘇生できる可能性がある、ということが、最新の調査で明らかになった。

 

調査したのは、ドイツのシャリテ・ベルリン医科大学のイェンス・ドライヤー博士が率いる神経学者らのチームで、結果は神経科学誌「アナルズ・オブ・ニューロロジー」に発表された。

 

ドイツのベルリンと米国オハイオ州で、脳に大きな損傷を受けた9人について、亡くなる際の脳内の電気的な信号を調べた。9人とも家族などから「心肺機能の蘇生措置をしないで」という意思が示された患者だ。

 

英紙インディペンデントによると、今回の調査で、心臓が止まったり生命の兆しが見られなくなったりした後でも、脳内では35分間ほど脳細胞や神経細胞が活動していることが分かった。その後、「拡延性抑制」と呼ばれる電気的な波による活動が脳内で起こる。調査チームによると、これは脳が死亡に際して「シャットダウン」する前の最後の瞬間に起こる短い活動だという。

 

蘇生できる可能性が残っている

 

本誌米国版は、通常は「血流が止まれば、細胞に酸素が運ばれなくなる。細胞が機能するために必要なエネルギーを作り出すには酸素が必要で、このエネルギーがなくなれば細胞は死ぬ」のは既知の事実である、と指摘。

 

しかし今回の調査では、脳内の酸素レベルが低下しても、貯蔵されていたエネルギーを利用して脳細胞が数分間活動していたというのだ。そしてドライヤー博士によると、充電が切れたバッテリーのように、この間に血流が戻れば脳が再び蘇生できる可能性があるかもしれないという。ただし博士は本誌米国版にメールで、「この状態で脳がどれほど生存し続けられるかは今のところ不明」だと伝えた。

 

また、問題もある。英紙エクスプレスによるとドライヤー博士は、この脳波が通常の脳波計では記録されないと述べているという。また、アナルズ・オブ・ニューロロジーの論文によると、現在は臓器移植のために臓器が取り出されるのは心肺機能が停止して死亡が宣告されから210分後だ。

 

しかし今回の調査結果から判断すると、この時点では脳に血流が戻ればその人は蘇生できる可能性が残っているということになる。前述のエクスプレス紙はこの調査結果を伝える記事の中で、「死後も意識が残っている可能性がある」と報じた。実は別の調査により、これを裏付けるような結果が201710月に発表されていた。心肺が停止して「死亡」してもまだ意識が残っている可能性があり、自分の死亡宣告を聞く人さえいるのかもしれない、というショッキングな話だ。

ウェブメディア「ライブサイエンス」(2017104日付)によると、米ニューヨーク大学ランゴン医学部の医師たちがヨーロッパと米国で調査を行なった。心臓発作を起こして死亡が宣告された後に蘇生された患者を対象にしたもので、この類では最大規模だった。

チームの1人だったサム・パーニア博士はライブ・サイエンスに対し、通常、心臓が止まって脳に血流がいかなくなった瞬間に「死亡」と判断されると説明。脳に血が流れなくなるのとほぼ同時に、脳の機能も止まるとしている。しかしこの調査対象となった「生き返った」患者の中には、死亡が宣告された後に、自分の周りで何が起こっており、どんな会話がなされたかを見聞きしていたと話した人がいた。そうした発言の内容は合っていることが、その場にいた医療スタッフによって後に確認されたという。

 

https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2018/03/5-40.php


Categorised in: 社会・経済