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2018年1月8日

9500:日本には見えていない、この10年ではっきりした世界の対立構造

reizei20180104日本には見えていない、この10年ではっきりした世界の対立構造:記事紹介

2018.01.05 by 冷泉彰彦『冷泉彰彦のプリンストン通信』

清澤のコメント:
2018
年、今年はどのような危機に襲われる可能性があるのか。冷泉彰彦さんのメルマガ『冷泉彰彦のプリンストン通信』の中で「2018年の世界、3つの課題と日本」と題し、現在の世界で起きていることを俯瞰的に考察・分析している。その要旨は:

   
グローバルとローカルコスモポリタニズムとナショナリズムという問題。単純化してみれば、金融・ソフトウェア・エンジニアリングといった最先端産業は、完全にグローバル化している。また、グローバルな「ヒト、カネ、情報」流通のインフラも整備されつつある。その中で、高付加価値産業高収入の職種という世界に属する人々の思考法は、コスモポリタン的になって行く。日本が、ローカルな世界に沈んでいくというのは非合理。

    国家財政と通貨という問題。バブルというよりも、「国家の信用力低下」というストーリー。日本の場合は「長期悲観」ということで「円の先安感」があるが、日本の国家債務は、国家全体、通貨圏全体で見れば不健全ではなく、円高要因がある

    現在の軍事状況は、ハイテク兵器が「高額過ぎて損失に耐え得ず」、「メンテコストが高額すぎて実用にならない」。抑止力兵器ではあるものの、世論の安心感を政治的求心力にするためのツールであり、また「モノという内需拡大のツールである。その出口はソ連で1990年に起きた破綻という形態を取る可能性が強い。

    現在、米国は過去70年間でもっとも疲弊している。貧富の差が広がって、QEによるインフレにより、生きていくのが困難な人たちが続出している。大きな金融政策の転換が近づいている。その転換が、単なる現在のドル高からドル安政策へのシフトとは限らない

米国に貧富の差が広がり、国が疲弊したから、米国のコス最適な政策が変更されるという場面に対し、我々一般国民がなしうる事には何があるのだろうか?

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2018年の世界、3つの課題と日本(短縮)

年の初めですので、俯瞰的に現在の世界で起きていることを考えてみたいと思います。

1点目は、グローバルとローカルコスモポリタニズムとナショナリズムという問題です。2010年代の現在、非常に単純化してみれば、金融・ソフトウェア・エンジニアリングといった最先端産業は、完全にグローバル化している。また、グローバルな「ヒト、カネ、情報」流通のインフラも整備されつつある。

そんな中で、高付加価値産業高収入の職種という世界に属する人々の思考法は、コスモポリタン的になって行く。

その一方で、モノの世界というのは、モノというものの「重さ」や「送りにくさ」「検疫」「関税」と言ったシステムで、ある意味ではナショナルな世界に属している。「モノに付加価値を乗せる」という第一次・第二次産業的な労働も、ローカルな世界に属している。

そんな中で、「高学歴、高付加価値労働、自由貿易、グローバル、コスモポリタン」というグループと、「低付加価値労働、保護貿易、ローカル、ナショナリズム」というグループが鋭角的に対立するというのは、構造的な宿命

 

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その意味で、北朝鮮危機というのも、ソ連型の自滅というシナリオに近い格好になるのかもしれない。その場合も、日本は「反日の統一韓国成立を警戒することへの警戒も必要かもしれない。

3つの危機、つまり①グローバリズムとナショナリズムの支持階層分化の問題、②国家財政と通貨の危機、③軍拡の危機という3点が恐らくは2018年の危機を見ていく上での重要な軸だと思う。

危機が1930年代のような大規模な破綻へ向かう可能性は低く、むしろ部分的にソ連崩壊のような破綻が起きるのではないか?

その一方で、極めて高い教育水準を有した分厚い人口を擁する日本が、ローカルな世界に沈んでいくというのは非合理な、自然の流れに反した話であると思う。産業構造の転換を図り、高付加価値産業の流出を止め、金融立国ができるようなカルチャーの修正をし、低生産性社会を止めるようにしなくてはならない。金が必要であれば、世界から調達すればいいのです。安倍政権に問題があるとしたら、高付加価値創造型の産業に対して理解がないということ。

2、2点目は、国家財政と通貨という問題です。ビットコイン問題は「国家財政が債務超過化する」こと、つまり「マイナス」を忌避してプラマイゼロに資金が流れてきているだけ

バブルという観点よりも、「国家の信用力低下」というストーリー。

日本の場合は「長期悲観」ということで「円の先安感」がある。「国内の個人金融資産」とオフセットできる日本の国家債務というのは、国家全体、通貨圏全体で見れば決して不健全ではなく、むしろ円高要因がある

ということは、日本は「世界でファイナンスをして資金を引っ張ってきて」最先端、つまりAIバイオ製薬、といった高付加価値の内容へと、企業をリストラ(再構成)する時期なのだ。

3点目は軍事という問題です。現在の状況は、一見すると1930年代危機の構造に酷似しているように見える。が、F35とか原子力空母といったものは、1930年代の兵器とは全く次元が異なり、構造的に実戦に向かないという欠陥を抱えている。「高額過ぎて損失に耐え得ない」ということと、「実戦運用時のメンテコストが高額すぎて実用にならない」。抑止力兵器ではあるものの、実戦に投入できない兵器である。

ハイテク兵器は、世論の安心感を政治的求心力にするためのツールであり、また「モノという内需拡大のツールである。軍拡競争に陥っても、その出口はドイツの1939年の破綻ではなく、ソ連で1990年に起きた破綻という形態を取る可能性が強い。

3、現在、米国は過去70年間でもっとも疲弊している。

貧富の差が広がるどころか、富の偏在がロングテール化しており、QEによるインフレにより、生きていくのが困難になっている人たちが続出している。つまり、大きな金融政策の転換が近づいている

その転換とは、単なる現在のドル高からドル安政策へのシフトとは限らぬ。遅くとも数年以内に歴史的大転換が起きるかもしれない。それほど米国社会は、行き詰まっている。2018年、米国は大きな金融政策の転換を実行するだろう。

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 著者/高城 記事一メルマガ

Categorised in: 社会・経済