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2017年10月6日

9251:「レセプト高点数」、集団的個別指導は不公平:記事採録

「レセプト高点数」、集団的個別指導は不公平

健康保険法改正研究会、「1000万円自主返還」の事例も
レポート 2017年10月1日 (日) 配信 橋本佳子(m3.com編集長):
記事紹介
(記事本文はこちら⇒https://www.m3.com/news/iryoishin/559574)

清澤のコメント:先日このシンポジウムの聴講印象記を記載いしました(https://www.kiyosawa.or.jp/archives/54769738.html)が、より詳細な記事がm3に掲載されましたので概要を採録いたします。驚いたのは個別指導を保険医協会などの民主化を標榜する医療界の一部が問題にしているだけではなくて、日弁連(日本弁護士連合会)までもが現在のシステムが人権を侵害しかねないと考え始めているらしいことです。先の私の記事でも採録した行政冤罪という言葉が詳しく説明されています。

ーー抄出しますーーー         

「指導・監査・処分改善のための健康保険法改正研究会」は9月24日、「変革への大きな潮流」をテーマに第6回シンポジウムを都内で開催、同研究会の医師、歯科医師、弁護士らが、集団的個別指導の選定基準や個別指導の自主返還、診療報酬の施設基準に関する適時調査などに関する最近の事例やデータを基に講演した。個別指導については、フロアから約1000万円の自主返還を求められた内科クリニックの経験談が紹介されるなど、指導・監査は経営を揺るがす大きな問題であることが改めて浮き彫りになった。

「高点数の医療機関は問題が多いという根拠のない認識があるが、レセプト件数が少ない中小の診療所ばかりが繰り返し集団的個別指導の対象として選定されるのが現状」。こう問題視したのは、成田歯科クリニック(青森県弘前市)院長の成田博之氏だ。ーー(中略)ーー

集団的個別指導は、都道府県別、病院・診療所別(診療科別)に、レセプト1件当たりの平均点数が高い施設を対象に実施する指導。翌年度も高点数が続いた場合には、その翌々年度に個別指導の対象となる。

「指導・監査・処分改善のための健康保険法改正研究会」は2016年度のシンポジウムで、健康保険法、指導大綱・監査要綱の改正案を公表(『保険医の人権を守れ!指導大綱・監査要綱の改正案』を参照)。同改正案では、集団的個別指導の廃止なども盛り込んでいる。

指導・監査をめぐる最近の動きとして注目されたのは、日本弁護士連合会が2014年8月に「健康保険法等に基づく指導・監査制度の改善に関する意見書」を発表し、改善を求めたこと(『「保険医救済の大きな後ろ盾」、日弁連意見書』を参照)。フロアから発言した元日弁連副会長の橋本賢二郎氏によると、ーーー日弁連内に、医療に限らず行政処分全般について検討する委員会が発足、9月4日にまとめた答申では、処分決定後ではなく、処分が出るプロセスそのもので人権侵害が生じることから、「日弁連行政弁護センター」(仮称)の設置を提言。現在、対応体制の構築に向けた検討を進めている。

橋本氏は、「行政冤罪」という言葉を紹介、行政処分における人権擁護の重要性を強調した。「一度行政に目を付けられて、ターゲットにされると、その“冤罪”を晴らすのは極めて大変。晴れたとしても、会社が倒産したり、回復できない損害が生じてしまっているのが、“行政冤罪”とされている」と説明し、「指導・監査においては、不当な人権侵害を受ける医師、ひいては国民の医療を受ける権利も守りたい」と語った。

特定疾患療養指導料、「記載不備」で1000万円自主返還

発言したのは、糖尿病をメーンにした内科クリニックの院長。個別指導の対象となり、自主返還額は約1000万円に上るという。ーー

「自分としてはきちんと指導管理をしている。『やることはやっている』という自負がある。ただし、何らかの問題がある場合にはしっかり書いているが、検査結果が良好な場合などはあまりカルテ等に指導管理の内容を記載していなかった。個別指導の際は、30人分のカルテを持参した。記載が十分ではない例を過去1年分にさかのぼって点検し、自主返還するように求められた」

井上氏は、最近、指導管理料関係での自主返還が多いと指摘、自主返還の問題を「実体」と「手続き」に分けて検討すべきと提言した。「実体」とは患者に医療を提供したという事実、一方、「手続き」とはその行為を記録に記載すること。「記載がなければ、医療機関と患者との診療契約関係は無効になり、報酬は支払われないのか。指導を実施しているのであれば、カルテ等には後から追加記載をしてはいけないのか」などと、井上氏は問題提起した。

増加する適時調査、5年さかのぼって返還

「個別指導や監査はほぼ横ばいだが、適時調査は件数が増えており、返還金額も多い」と井上氏は指摘する。

医科医療機関の適時調査による返還金額は2011年度の55億8133万円から、2015年度は76億3351万円に増加。適時調査の対象は、診療報酬の施設基準を届け出た医療機関。ーー適時調査は人員基準を満たしているかなど外形的な確認が中心のため、事務官が行う。施設基準を満たしていないと判断された場合には、最大で5年間さかのぼって返還が求められる。井上氏は、今後は指導・監査だけでなく、適時調査への対策も重要になると注意を促した。


Categorised in: 社会・経済