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2017年9月6日

9166:外国人患者受け入れの備えは十分か:記事紹介

medical-tourism2 外国人居住者の多い江東区では、外国人で日本語の得意とは言えない患者さんも多く、当医院にも多くの外国人が来てくれています。また、まれですがメディカル・ツーリズム目的の患者も来ます。

 今日気になったのがこの記事です。要点を半分程度に要約して採録してみます。筆者は、医療通訳の必要性を特に説いています。

当院では外国人の無保険私費診療はありますが、外国人であるが故の医療費不払いは経験していません。そういえば、記事にある財団が外国人の不払いを補清澤注:http://www.fukushizaidan.jp/501gaikoku/index.html)してくれることの通知を区の医師会からもらったことがありました。

(⇒この記事はネット検索で全文がみられます。http://www.igaku-shoin.co.jp/paperDetail.do?id=PA03238_03

医学界新聞第3238号 2017年9月4日

外国人患者受け入れの備えは十分か

堀 成美(国立国際医療研究センター国際感染症センター/国際診療部)

1990年代半ばは,滞在期限が切れたまま過酷な労働条件で健康を害し受診する人が目立った。この時代を経験している医療者には,外国人患者は「未収金になりやすい」といったイメージの人もいるだろう。

しかし,2016年末時点の在留外国人数は238万2822人で,前年末に比べ15万633人(6.7%)増加。アジア諸国を中心に増えている。留学や研修,仕事で長期に滞在する人は在留資格と健康保険証を持ち,短期滞在の旅行者は保険に加入していなくても日本での観光や買い物を楽しむレベルの経済力がある。観光客だけでなく,地域で日本人と共に生活する就労者,留学生,企業で研修を受ける実習生も増加している

分母としての外国人総数が増える中で,体調を崩し医療を求めて受診する外国人は増えており,受け入れの課題は特定の地域の医療機関に限った話ではなくなっている。

◎外国人患者にも安全・安心の医療を提供できるのか

言語や文化の異なる患者の受け入れ体制整備について考える際,①国籍や言語での地域特性,②医療機関の特性に注目する必要がある

体調不良で突然受診する人への対応が多い場合は,あらかじめオンデマンドで対応可能な「遠隔通訳」の確保が必要。当院は24時間対応の救急科では受診者の約11%が外国人,外来新規患者も約12%が外国人

新宿区人口の12%が外国人で,短期滞在者も多い。当院は,受け入れ体制整備に対する意識が高く,リスクや問題が発生した際の解決への動きも速い。

地方でも、受診の数がまだ少ない今をチャンスととらえ、費用や時間をかけずに体制を整えることを勧めたい。

◎簡単ではない医療通訳の整備

「外国人患者受け入れ体制整備」の中で一番の課題は通訳の確保。病状の把握,検査や治療の説明に同意確認はもちろん,未収金防止にも不可欠。当院は医療通訳について,診察室での医師の説明や患者とのやりとりを通訳する者を狭義の医療通訳者とし,その条件を内規で定めている。

医療通訳の確保は簡単ではない。ボランティアの善意に依存してプロとしての自立を妨げているような側面もある。

◎いち医療機関では限界,自治体への協力要請も急務

国や自治体の積極的な観光客誘致などの取り組みは前進している。しかし,命や健康の問題については出遅れ感。

医療者は,国や自治体に対して問題や対策について声を上げる必要。現場にこれ以上の負荷をかければ,事故やトラブルにもつながる。

医療通訳の共有システムの構築,運用予算や通訳への謝金確保の他,現在はまだ一部の自治体でしか整備されていない医療費未払い補てんの制度を整えることが急務である。東京都福祉保健財団の「外国人未払医療費補てん事務」では,医療機関が努力したにもかかわらず回収できなかった医療費について,一定の条件のもと都が補てんする。対応した結果の医療費の赤字までも病院が負担するのはおかしな話。

日本の良質な医療やホスピタリティが適切に外国人にも提供されるためには,耳当たりの良い掛け声だけではうまくいかないという現実認識とともに課題解決を進めたい。

ほり・なるみ氏 
15年4月より国際診療部医療コーディネーターを併任。


Categorised in: 社会・経済

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