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2017年9月1日

9154:これは経費で落ちません2 経理部の森若さん:読書印象録です

内容:経理部の森若沙名子、27歳。多くの領収書を処理する沙名子には、社内のいろいろな人間関係が見えてくる。周囲に与えた分以上のことは期待せず、されず、精神的にも経済的にもイーブンでいることを大切にする沙名子は、他人の面倒ごとには関わりたくないのだけど、時には巻き込まれることも。ブランド服、コーヒーメーカー、長期出張…それは本当に必要なものですか?

清澤のコメント:中規模の石鹸メーカー。そこの経理部には部長以下4人の社員が働いている。主人公は上記の通り27歳の女性で、外見は地味な中堅の社員。ポリシーとしては予定通りに人生を送りたい。人に貸も作らず借りも作らずでイーブンな関係でいたい。彼女の許には様々な領収書が持ち込まれる。その各々にはもっともらしい説明が付けられているが、慣れた目で見れば、なんとなくおかしな領収書が混じってくる。その謎を解こうとするわけではないが、出所を辿ってゆくと、大小様々な不正が見えてくる:というストーリー。

私的な利用を前提として購入され、当初の目的での一部使用後に、私物化される物品のお話。通常は認められないような備品の購入には現場主導権の奪い合いが隠されていたというお話。そして、おかしな領収書決済から気付かれた社外からのリベート隠しという犯罪などなど。

主人公の恋愛事情も絡めて、経理部というのが単に金品の授受や領収書保存をしていれば済むという部局ではない事にも気づかされる好感を持てる小作品です。

最近、接待費や旅費の経費処理をするパソコンソフトの宣伝を見ました。接待なら会食者が何人であったかによって一人当たり5000円以上ですと経費としては不算入になりますし、旅費であれば通勤定期に重なる部分は経費としての2重支払いは認められません。これらのポイントは、私のような個人事業主で有れば毎月の税理士さんとの折衝で必ず聞かれる内容です。それらの点は、将来税務調査が入れば、税務署員には当然突かれる点でもあるわけです。

本書の題名に含まれる「経費で落ちるか否か?」というのは、「社員個人が建て替えたお金を会社から支弁してもらえるか?」という個人的な事情を超えて、「会社という組織がどこまでを会社が負担すべきものと判断して日々の営業をしてゆく積りなのか?」という大きな基本的命題を問いかけているわけです。


Categorised in: 社会・経済