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2017年7月21日

9038:ブロードマン没後99年に寄せて:医学界新聞記事

清澤のコメント:『ブロードマン没後99年に寄せて』河村 満(奥沢病院名誉院長):を読みました。ブロードマンの脳地図には私もずいぶんお世話になりました。第一次視覚領(V1)はエリア17、第二次視覚領(V2)は18、視覚連合領は19、前頭眼野なら8,角回なら39あたりまでは出てきますが、それ以上は思い出せません。
この記事はブロードマンマップが普及した理由を
3つ的確に挙げています。

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第3230号 201773日 医学界新聞から(http://www.igaku-shoin.co.jp/paperDetail.do?id=PA03230_03記事の概要を採録させていただきます。

 --要旨---

1918822日,49歳の若さでコルビニアン・ブロードマンは死去した。彼の名前の脳地図は,神経学,神経科学研究の基礎をなす土台となり続け,それは現在まで続いている。

n3230_05

形態と機能を結び付けた業績

この地図は,大脳の図が2枚1セット。これは左の図が脳の外側面,右の図が脳の内側面。記号を付して領野に分け,番号を振った。

大脳の神経細胞には形態と機能が異なるさまざまな種類があり,大脳皮質ではそれらが種類ごとに層構造を形成している。ブロードマンは6層に分けそれに名を付けた。

さらにブロードマンはこの6層構造が大脳皮質の場所ごとに異なることを発見した。層全体および各層の厚さ,神経細胞の密度が場所によって異なる。層構造を大脳皮質全体で調べ,層構造の共通するところ,異なるところで区分けし,52の領野に分けた。この情報を大脳の図にマッピングし,ビジュアル化したものがブロードマンの脳地図。

なぜこの図がその後の研究者たちの大きな道しるべとなったのか。それは,形態の差異が機能の差異に結び付いたから。

実は未完成の脳地図

意外にも生前のブロードマンは研究者として恵まれていたとは言えない。

26歳で医師資格を取得したのち、ドイツ精神医学研究所(現・マックスプランク精神医学研究所)に局所解剖組織学部門の長として招聘されたのは,急逝する4か月前のこと。

彼の脳地図は「未完成」。 脳地図をよくみると,いくつか欠番が存在する(12~16野,48~51野)。脳地図には1909年と,1910年の2種類が存在し、後者には変更が加えられている。さらに1910年の脳地図が1914年の総説に再掲されているが,そこにはなかったキャプションが加えられている。

なぜブロードマンだけが普及したのか?

大脳皮質のミクロ構造を調べ,領域を区分するという発想はブロードマンだけのものではない。キャンベルやフォークトも大脳を細分している。

数ある中で,ブロードマンの脳地図だけが普及した理由
1、領野に名前を付けるのではなく数字を振ったこと。誰もがどの領野か理解することができるの。
2、52という数は多すぎず,少なすぎぬ。親和度が高い数字。
3、インフォグラフィックは過不足なく伝えたい情報を読み手に理解してもらうこと。それに触発されて思考が動きだし,行動を起こしたくなるものがよいインフォグラフィック。ブロードマンの脳地図はそれであり、芸術作品の域にある。
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Categorised in: 社会・経済