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2017年5月30日

8896:新3D映像生成技術をNTTが開発

裸眼では2D映像がクリアに見える3D映像生成技術を開発(NTTニュース・リリース概要)

日本電信電話株式会社は、3Dメガネをかけない視聴者には2D映像がクリアに見え、メガネをかけた視聴者には3D映像が見えるというステレオ映像の生成技術を開発した。

この技術は、人間の知覚の仕組みを利用して、2D画像内に3D画像情報を隠して埋め込む。これまでの3D表示ではメガネ無しで見ると画質が低下するという本質的な問題があった。本技術は、既存の3D表示装置をそのまま用いつつ、メガネ無しで見ても画質が低下しないという、世界初の技術。この技術により、一つの表示コンテンツに対して、その場にいる視聴者1人1人が楽しみ方を自由に選択できるという「人にやさしい3D表示」が実現できる。
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研究の背景

2つの視点から見たときの画像間の視差に基づき、視聴者は画像内の奥行き(3D情報)を知覚する。こうしたステレオ画像は、2D表示との互換性がない。専用の3Dメガネをかけずに見ると画質が大きく低下する。そのため、視聴者は、表示方法を選択する必要がある。

研究の成果

人間が奥行きを知覚する際に働く視覚メカニズムの科学的知見を応用して、2次元表示との完全互換性をもったステレオ画像生成技術を開発した。

提案技術では、両眼のちょうど中間の視点から見た時の2D画像に対し、人間に奥行き情報を与える働きをする視差誘導パターンを加算/減算することで左目用/右目用画像を生成する。左右画像同士を足す視差誘導パターンが打ち消されて元の画像に戻るため、3Dメガネをかけない視聴者はクリアな2D画像を見ることができる。一方、メガネをかけた視聴者には、視差誘導パターンの効果でその画像に奥行きがついているように見える。

ステレオ画像は、既存の3D提示装置を使って表示できる。再現できる視差の制限内であれば、3D画像として知覚される。

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図1 提案技術によるステレオ画像生成の流れ

技術のポイント

ステレオ視は、左目と右目の視点の違いが生み出す網膜像の視差を、人間の脳が奥行きとして解釈した結果。提案技術では、この視差を持つ左右像を、一枚の映像に視差誘導パターンを足したり引いたりすることで近似的に作る。ここでは、位相の異なる2つの正弦波を足し合わせると、その中間の位相の正弦波になるという単振動合成の性質を応用する。

元画像の明暗の空間的な変化を1/4周期分ずらしたパターン(90度位相シフトパターン)を加算することで位置をずらし、左目用画像を生成(図3)。同様に、反対方向に1/4周期分ずらしたパターン(-90度位相シフトパターン)を加算することで右目用画像を生成。左右画像間の位置ずれの差が、両眼立体視に必要な視差に対応する。左右画像を足し合わせて合成すると、位相シフトパターンのみが相殺され、元画像に戻る。

人の視覚系は左右画像間の位相差を両眼視差として検出するメカニズムを備えているため、提案技術により生成されたステレオ画像を見ても、物理的に正しい本当のステレオ画像と区別することはできず、自然な奥行きを知覚する。

 

従来手法との比較

提案技術は、現在普及している3DTVがそのまま利用できる上、メガネ無しで見る2D画像の劣化をほぼ完全に無くすことがでる。また、元画像のコントラストの圧縮は必須ではない。

 

今後の展開

提案技術を使うと、映画館などで大勢の人が同時に2Dと3Dの映像を楽しむことができます。既存の3Dコンテンツを本技術の方式に変換することも可能。画像変換アルゴリズムのハードウェア化や、画像圧縮技術への応用なども今後の検討課題。

対外発表予定

T. Fukiage, T. Kawabe, S. Nishida, “Hiding of phase-based stereo disparity for ghost-free viewing without glasses,” To appear in: ACM Transactions on Graphics 36(4) (Proc. SIGGRAPH 2017, Los Angeles, USA).


Categorised in: 社会・経済