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2017年4月12日

8755:厚労省、乳児ボツリヌス症死亡で注意喚起

images1歳未満の乳児、はちみつ与えないで 厚労省、乳児ボツリヌス症死亡で注意喚起
2017年04月11日 19:35
清澤のコメント:昨日この事故を取り上げましたが、詳しい解説が出ていますので採録しておきます。下に芽胞の解説をつけて置きます。
⇒先の当ブログ記事:https://www.kiyosawa.or.jp/archives/54726320.html

はちみつを与えられた東京都内の乳児が乳児ボツリヌス症で死亡したことを受け、厚生労働省は、保護者らへの注意事項をホームページに掲載した。1歳未満は罹患する可能性があることなどを挙げ、はちみつが入った食品を与えないよう呼び掛けている。【新井哉】
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 乳児ボツリヌス症の原因となるボツリヌス菌は、土壌に広く存在しており、菌が混入した井戸水などが原因とみられる食中毒が報告されている。ボツリヌス菌の芽胞(注)を1歳未満の乳児が摂取した場合、腸管内で菌が増殖し、その菌が産生した毒素で発症する。

 中枢神経系が冒され、弛緩性の麻痺や呼吸麻痺などの症状が出る。感染症法の4類感染症に定められており、診断した医師は直ちに最寄りの保健所に届け出ることが義務付けられている。

 厚労省などによると、乳児ボツリヌス症は、1986 年に国内で初めて確認された。これを含めて食中毒関連で3例、感染症発生動向調査(99年以降)で16例の報告があったが、死亡例は今回の報告が初めて。

 今回報告されたのは生後5カ月の男児。2月20日に呼吸不全などで救急搬送されて入院したが、3月30日に死亡した。発症の約1カ月前から離乳食として、市販のジュースにはちみつを混ぜたものを飲んでいた。東京都によると、検査の結果、患者の便と自宅に保管していたはちみつから、ボツリヌス菌を検出。足立保健所が「離乳食として与えられたはちみつ」を原因とする食中毒と断定した。

 こうした状況を踏まえ、厚労省は、保護者らに注意喚起を行う必要があると判断。ホームページに、ボツリヌス菌は熱に強いため、通常の加熱や調理では死滅しないといった注意事項を掲載した。

 具体的には、大人ではボツリヌス菌が体内に入っても腸内で他の腸内細菌との争いに負けてしまうため、通常は何も起こらないが、腸内環境が整っていない乳児では、腸内でボツリヌス菌が増え、便秘や哺乳力の低下などが起きる可能性があるとしている。
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注:芽胞 (ウィキペディアから抜粋)
400px-Bacillus_subtilis_Spore
枯草菌の芽胞(芽胞染色法により染色されたもの。菌体緑色の部分が芽胞)

芽胞(がほう、spore)とは、一部の細菌が形づくる、極めて耐久性の高い細胞構造。胞子膜、皮層、芯部からなり、胞子膜の外側に外皮を持つものもある。芯部には、DNA、リボソーム、酵素、低分子化合物などが含まれており、半結晶状態になっている。

芽胞を作る細菌は限られており、有芽胞菌あるいは芽胞形成菌として、細菌を分類する上での指標の一つにされている。

芽胞を作る能力を持った細菌が、栄養や温度などの環境が悪い状態に置かれたり、その細菌に対して毒性を示す化合物と接触したりすると、細菌細胞内部に芽胞が形成される。このとき、細菌の遺伝子が複製されてその片方は芽胞の中に分配される。芽胞は極めて高い耐久性を持っており、さらに環境が悪化して通常の細菌が死滅する状況に陥っても生き残ることが可能である。しかし、芽胞の状態では細菌は新たに分裂することはできず、その代謝も限られている。このため芽胞は耐久型、休眠型と呼ばれることがある。

生き残った芽胞が、再びその細菌の増殖に適した環境に置かれると、芽胞は発芽して、通常の増殖・代謝能を有する菌体が作られる。この通常の菌体を芽胞と対比して、栄養型、増殖型と呼ぶことがある。

芽胞の耐久性:芽胞は通常の細菌と比べて極めて高温に強く、100℃での煮沸によっても完全に不活化することが出来ない。芽胞を高温で完全に不活化するには、オートクレーブ処理(約2気圧の飽和水蒸気中で121℃15分以上)、乾熱処理(180℃30分あるいは160℃1時間以上)などの処理が必要。

また高温以外にも、消毒薬などの化学物質にも耐久性を示す。 一般的な消毒薬では次亜塩素酸ナトリウムがやや有効な程度。

芽胞を作る代表的な細菌:
バシラス(バチルス)属(好気性または通性嫌気性の有芽胞グラム陽性桿菌)
クロストリジウム属(偏性嫌気性の有芽胞グラム陽性桿菌、ボツリヌス菌はここに含まれる。)

関連する事項
細菌の芽胞を視覚的に鑑別するための簡便な方法としてWirtzの芽胞染色法がある。芽胞染色ではマラカイトグリーンにより芽胞は緑色に、その他の部位はサフラニンなど赤系色素でピンク色に染まる(上の写真参照)。

Categorised in: 社会・経済