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2017年4月10日

8750;乳児ボツリヌス症で死亡=国内初、蜂蜜が原因-東京都

Clostridium-botulinum-sem
乳児ボツリヌス症で死亡=国内初、蜂蜜が原因-東京都

眼科医清澤のコメント:
 乳児ボツリヌス症で乳児が死亡するという痛ましい事故があったそうです。心からお気の毒に思います。自然界から採取される蜂蜜には微量のボツリヌス菌の芽胞が混入していることがあるらしく、一歳以下の乳児に与えることは勧められないのだそうです。

 眼科との関連では、眼瞼痙攣や眉間皺の治療に使われるA型ボツリヌス毒素(ボトックス及びボトックスビスタ)は、培養液から細菌自体を取り除き、微量の毒素だけを精製した薬剤です。基本的に今回の事故の様な腸内への細菌感染で見られる全身症状は出ないとされます。ですからボトックス治療は安心して受けていただいてよいものと考えています。

 下記の引用記事を見ますと、ボツリヌス症には「ボツリヌス食中毒」、乳児の大腸で増殖した菌が産生する毒素によって起こる「乳児ボツリヌス症」そして「創傷ボツリヌス」の3病型があるのだそうです。つまり今回のはちみつからのボツリヌス感染事故は生後6か月までの乳児にしか起きない特殊な病型であったということになります。その治療の要点は発症後の呼吸管理だそうです。

ーーニュース記事の引用ーーー
 東京都は7日、足立区の生後6カ月の男児が乳児ボツリヌス症で死亡したと発表した。離乳食として与えられた蜂蜜が原因とみられ、都によると発症データのある1986年以降、国内で同症による死亡事例は初めて。

 男児は2月16日からせきや鼻水などを発症。その後、けいれんや呼吸不全を起こして救急搬送された。乳児ボツリヌス症と診断され、3月30日に死亡した。

 男児は1月中旬からの約1カ月間で1日平均2回、離乳食として蜂蜜を混ぜたジュースを飲んでいた。摂取量は1日10グラム程度と推定されるという。

 乳児ボツリヌス症は、1歳未満の乳児が口からボツリヌス菌を摂取して感染する。腸内で毒素が発生し、便秘や筋力の低下などの症状が出るが、死亡するのはまれ。都は1歳未満の乳児に蜂蜜を与えないよう注意喚起している。 (2017/04/07-19:18)

◎乳児ボツリヌス症について詳しい記載が「倉敷市のせのお小児科」http://senoopc.jp/disease/botulinus.htmlさまのページにありました。

『1歳未満の乳児がハチミツを食べてはいけない理由
 ボツリヌス症はボツリヌス菌 Clostridium botulinum が産生した菌体外毒素の摂取により発症します。 ボツリヌス菌はグラム陽性、偏性嫌気性の芽胞菌で土壌や湖沼の泥の中で育ち、菌のいる土壌に生える植物は芽胞で汚染されます。

ミツバチは芽胞の付着した花粉を運ぶので、しばしばミツバチは芽胞で汚染され、ハチミツもまた汚染されることになります。 また、いろいろな芽胞により汚染された植物を食べることによって、芽胞から感染する可能性がありますが、通常は大腸の正常細菌叢により増殖できないのです。

ボツリヌス症には食品の中で増殖した菌の産生したボツリヌス毒素によって起こるボツリヌス食中毒、乳児の大腸で増殖した菌が産生する毒素によって起こる乳児ボツリヌス症、深部の傷にボツリヌス菌が感染し産生する毒素で起きる創傷ボツリヌスの3病型があります。

通常のボツリヌス症は汚染された缶詰や真空パックの保存食を食べることによって起こり、潜伏期は12~36時間です。

乳児ボツリヌス症は生後3週~6ヶ月の乳児に見られます。1歳を越えると、正常な大腸細菌叢が形成され、発症しなくなります。

症状と経過
 ボツリヌス症は神経麻痺症状が主で、対称性に麻痺が起こり、呼吸筋の麻痺にまで進行することがあります。突然の発症から、数日かかって徐々に発症する場合もあります。
乳児ボツリヌス症はボツリヌス芽胞を摂取し、腸管内で産生された毒素による発症で潜伏期間が3~30日と長いのが特徴です。

原因として菌または芽胞に汚染されたハチミツを飲み込むことで起こります。初期に便秘、活気がない、哺乳不良、泣き声が弱い、さらに筋緊張性低下、よだれが多い、首のすわりが悪くなった、眼球運動の麻痺、無呼吸などがでてきます。

診断
疑わしい場合、食品、便、血液からボツリヌス毒素を検出することで診断がつきます。(衛生研究所に検査を依頼)

治療
呼吸筋麻痺を起こすことがあるので、呼吸管理が必要です。ボツリヌス多価抗毒素血清を過敏症がないことを確かめて、できるだけ早期に投与します。

予防
ハチミツを1歳未満の乳児には食べさせてはいけません。』

Categorised in: 社会・経済