不思議「錯視」、数式化で手軽に作製 広告や道路改良に応用
2017年01月06日 06時00分
手前の立体を奥の鏡に映すと視点が変わり、違った形に見える
(写真よりもこの動画ほうがリアル)
まず、眼科医清澤のコメント:
昨年末からこの方の錯視研究がマスコミに様々注目されています。この教授の見せるのは立体のようです。一方向から見ると、都合よく円柱だったり、他方から見れば四角柱だったりと脳が勝手に判断してしまう様です。
エッシャーの錯視というのは有名ですが、平面図での立体的な把握での錯覚です。
北岡 明佳 立命館大学 文学部 心理学専攻研究している錯視は、脳のV5を活性化させるような動きの関連した錯視です。
調べてみると、この方の著書にも多数があって、大きく2系統に分かれます。
1)理科系のための英文作法―文章をなめらかにつなぐ四つの法則 (中公新書)1994/11
の系統のものと:
2)不可能物体の数理 POD版 単行本 – 2005/7/1 杉原 厚吉 (著) を含む錯視の解説の二つの系統があるようです。
読みこなせるかどうかわかりませんけれど、まず、この本を取り寄せてみることにしました。
『不可能物体とは、一見すると立体が描かれているように感じるが実は立体を表していない絵を見たとき、心の中に人が思い浮かべる“立体の印象”のことである。錯視図形、変則図形、だまし絵などとよばれることもある。オランダの画家エッシャーがその作品の中で好んで用いた題材としても有名である。本書ではこの不可能物体を描いた絵を数理的な立場から眺める。したがって、心理学的側面や芸術的側面は扱わない。不可能物体が不可能である数理的な理由を明らかにし、不可能物体を分類・体系化することが本書の目的である。』
--記事の引用---
目の錯覚「錯視」を起こす立体を数学的手法で簡単に作製することに、明治大の杉原厚吉特任教授が成功した。視点次第で形が変わり人目を引き付ける広告物の作製や、ドライバーが上り坂に気付かないまま減速して渋滞を起こすような道路の構造改善などへの応用が期待される。
錯視は物の形、色、動きなどを脳が処理する際に何らかの「誤解」が生じて起きると考えられている。版画家エッシャーの「無限階段」など、だまし絵と呼ばれる美術作品にも古くから取り入れられ、心理学などで研究されてきた。
平面画像から奥行きを判断するセンサーの研究をしていた杉原氏は、立体に関する錯視に着目。人の脳が網膜に映った画像を立体として認識する際、経験的になじみ深い形状を思い浮かべるため、実際の立体と食い違いが生じ錯視が起きることを突き止めた。
この現象を応用し、実際の立体と目に映る画像との“ずれ”を数式化した「数理モデル」を構築、錯視を起こす立体を理論的につくり出す手法を編み出した。エッシャーらが経験に基づき絵画的技法を駆使したのに比べ、より容易に作製できるという。
杉原氏は角度により重なり合って見える円柱や、高い位置のボールが低く見え、重力に逆らって転がるように見える作品を3Dプリンターなどを使って作製。2016年の世界ベスト錯視コンテストで準優勝となるなど「不条理の世界に迷い込む」(杉原氏)作品を生み出している。
注目を集めることが求められる広告分野での活用のほか、上り坂なのに下りのように見え「お化け坂」といわれる道路での自然渋滞解消などへの応用も考えられるという。
杉原氏は「本当の形を知っていても錯視は起こるのが面白いところ。理性を超えた視覚の働きを数学で解き明かしたい」としている。
=2017/01/06付 西日本新聞朝刊= から:
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