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2016年11月20日

8341:「サラリーマン大家」の時代は間もなく終わる:記事紹介

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「サラリーマン大家」の時代は間もなく終わる
これから「貸家の家賃」は大きく下落する:東洋経済オンライン記事紹介
(http://toyokeizai.net/articles/-/145726)

眼科医清澤のコメント:
 最近、私もご近所でアパートなどの建設が多いと感じておりました。
 これは的を得た指摘のような気がします。人口が減り、ただでさえ住宅が余るのですから、お金を借りてアパートを建てたり、自宅用以外のマンションを買っても借り手は不足して、住宅用不動産の賃貸価格は下落するはずだと述べています。現在の低金利につられて、不必要な不動産投資をすることの危うさをも指摘しています。さらに、逆金利は社会のリソースの分配を歪める誤った誘導であるということでしょうか?

 夏目漱石の時代には官吏が退職金で貸家を買い、それからの収入で余生を送れたという話を聞いたことがあります。もうそんな時代ではなくなっているのですね。不動産は買うときは良いけれど、中古マンションを貸に出そうとすると、なかなか借り手が見つからずイライラすることもあります。まして、土地売却となればよほど条件が良くないと買い手がいくらでもいるとは考え難い昨今です。

  --記事の要点です--
中原 圭介 :経営コンサルタント、経済アナリスト 2016年11月19日

貸家を建てたり、不動産投資をしても儲かるのは最初だけかもしれない(写真:june/PIXTA)

◎いまから貸家をどんどん建設して大丈夫なのか

『中原圭介の経済はこう動く〔2017年版〕』

「サラリーマン大家」=「マンション1室か2室」?、「アパートやマンション1棟経営する」?

2016年に入ってからのGDP(国内総生産)の内訳を見ると、唯一好調さを保っているのは住宅投資の分野。貸家となるアパート、マンションなどの集合住宅の建設が大幅に伸びているため。2015年の貸家の着工戸数は前年比で4.3%増えたが、2016年の9月までの累計では前年同期比で9.7%増で、その勢いを加速。

 貸家の建設は、2015年の相続税増税で火が付いた。多くの資産家が貸家を建てて相続税評価額を引き下げる節税法を使ってきたが、相続税基礎控除額縮小で、納税する被相続人数が倍増。この節税法を使う人々の資産額のハードルが下がった。

2016年に貸家の建設が大きく伸びているのは、日本銀行のマイナス金利政策によって、借金が以前よりも容易にできるようになったため。銀行はアパート・マンション向けの融資を積極化し、アパートやマンションの建設に行き過ぎ感が表れている。

注意を払うべきは、貸家の需要が高まっていないのに、供給が増えているところ。人口減少社会に突入した日本では、全国で820万戸の空き家があり、その半数超は貸家。空き家が増え続けていくのは間違いないのに、供給過多の貸家供給が増え続ける。遅くとも10年後には、全国的に貸家の賃料が大きく値下がりする。

◎黒田総裁は、物価上昇が重要であると力説している。しかし、貸家建設の増加をマイナス金利の効果と主張するのは、将来の物価目標とも矛盾している。家賃が下落すれば、物価全体を押し下げる。持ち家でも家賃に相当する額を毎月支払っているとみなしている帰属家賃は、消費者物価指数全体の2割程度。

◎ 空室率の上昇が止まらない状況下でも、需給を無視した貸家建設が増える背景には、建設業者が提案する「サブリース方式」が関与。

「サブリース方式」のリスク:サブリース方式とは、建設業者が貸家を10年あるいは20年など、長期間一括で借り上げ、大家の家賃収入を保証するというもの。地主はこの提案をに、アパート・マンション経営には「リスクがない」と勘違いする。

サブリース方式の落とし穴:古くなってくると空室が増える傾向が強い。建設業者は、地主に約束した家賃収入を大幅に減額したり、サブリース契約を一方的に解除したりする。地主と争いごとになる事例が増えてきている。

◎マイナス金利の副作用を効果と偽っている。
将来の需要と供給のバランスを考えると、アパートやマンションの建設ペースはバブルの状況。貸家の供給が進むと、空室率が上昇し、家賃が大幅に下がる。たとえ相続税の評価額引き下げと歴史的な低金利の双方が魅力的であったとしても、アパート・マンション経営には将来多大なリスクが想定される。余剰土地を持つ人々は、自覚が必要。

◎貸家建設は将来の不良債権増加をもたらす懸念

先進国では家計支出に占める家賃の割合が高いので、帰属家賃という考え方が採用される。帰属家賃は実際の貸家の家賃から推計され、物価全体への下落圧力は大きい。米国では帰属家賃の割合が3割程度を占めているのと比べると、日本では2割程度。

米国では人口増加により帰属家賃が物価全体を引き上げる浮揚装置の役割を果たしている。人口が減少する日本では日本が米国並みに2%の物価上昇を目指すのは現実離れしている。

マイナス金利導入に伴う超低金利の温存は、投資マネーを必要以上に金融商品や不動産などに向かわせ、それらの需給関係を大きくゆがめる。実体経済の状況と将来の需給関係を無視して、金融商品や不動産などへのマネー流入が行き過ぎることは、短期的に見れば資産価値の向上やGDPの増額に寄与することができたとしても、長期的に見れば価格の長期低迷や不良債権の増加をもたらす可能性が高い。

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Categorised in: 社会・経済