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2016年9月23日

8157;拒絶反応ないiPS網膜の移植 サルで成功 理研:記事紹介

8157:拒絶反応ないiPS網膜の移植 サルで成功 理研

阿部彰芳

2016年9月16日07時47分
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眼科医清澤のコメント:この原著論文を記載したファーストオーサーは以前医科歯科大学で一緒に仕事をした杉田直先生、セカンドオーサーは医科歯科大学の大学院生でおそらくこの実験を中心的に行った岩崎裕子先生。このような世界に認められる優れた研究を続けているお仲間を持てたことを大変誇りに思います。
 理研のグループはiPs細胞が癌化しやすいことから、組織抗原を合わせた培養細胞の移植に大きく舵を切っているようです。
  ---元記事の引用---
 サルのiPS細胞から作った網膜組織を別のサルに移植し、免疫抑制剤を使わず拒絶反応を防ぐことに、理化学研究所の高橋政代プロジェクトリーダーらのグループが成功した。人への移植の安全性を裏付ける材料の一つになる。15日付の米科学誌で発表する。

 高橋さんらは2年前、目の難病患者に、iPS細胞から作った網膜組織を世界で初めて移植。このiPS細胞は患者自身の細胞から作ったため、他人の細胞が体内に入ると通常起きる拒絶反応は避けられるが、費用と時間が課題だった。

 このため、多くの人と免疫の型が合う健康な人のiPS細胞を使う臨床研究を準備している。患者と型が合えば、拒絶反応は起きにくいとみられている。

 サル2頭に、型の合ったiPS細胞から作った網膜組織を目に移植したところ、6カ月後も免疫抑制剤なしで拒絶反応が起きないことを確認した。型を合わせずに移植した5頭では、数カ月以内に拒絶反応が起きた。

 免疫抑制剤は感染症やがんなどのリスクがあり、使わずにすめば患者の利点になる。グループは加齢黄斑変性の患者の免疫の型を調べる作業を進めており、杉田直(すなお)・副プロジェクトリーダーは「実際の患者でも型が合えば免疫抑制剤を使わなくても、うまくいくのではないか」と話している。

<アピタル:ニュース・フォーカス・その他>

http://www.asahi.com/apital/medicalnews/focus/(阿部彰芳)

参照:報道発表資料 2016年9月16日
理化学研究所 日本医療研究開発機構
iPS細胞由来網膜細胞の免疫拒絶反応モデルの開発
-iPS細胞ストックを用いた網膜疾患の移植治療への一歩-

原論文情報

•Sunao Sugita, Yuko Iwasaki, Kenichi Makabe, Hiroyuki Kamao, Michiko Mandai, Takashi Shiina, Kazumasa Ogasawara, Yasuhiko Hirami, Yasuo Kurimoto & Masayo Takahashi, “Successful transplantation of retinal pigment epithelial cells from MHC homozygote iPS cells in MHC-matched models”, Stem Cell Reports, doi: 10.1016/j.stemcr.2016.08.010.

•Sunao Sugita, Yuko Iwasaki, Kenichi Makabe, Takafumi Kimura, Takaomi FuTAGSami, Shinji Suegami & Masayo Takahashi, “Lack of T-cell response to iPS cell-derived retinal pigment epithelial cells from HLA homozygous donors”, Stem Cell Reports, doi: 10.1016/j.stemcr.2016.08.011.

Categorised in: 社会・経済