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2016年9月19日

8143:東芝が不正会計処理に手を染めた理由、「事業ポートフォリオ」に原因:

jp_fac_201104_toshiba 日本の電機産業は、ありし日の輝きを失っている。--今回は、不正会計問題で揺れた東芝に焦点を当てる。なぜ東芝が不正会計処理に手を染めたのか。ーー

清澤のコメント: 企業経営者は従業員を路頭に迷わすようなことをしてはいけませんし、また不払いで取引先に迷惑をかけるようなことをしてもなりません。ゴーイングコンサーン(going concern)とは、倒産せず発展し続ける事を目指す経営という意味で、日本語にすれば、継続企業の前提。これは上場企業の経営者にとっては、会計監査を意識したものといえますし、そうでない会社であっても後継を意識するために使われています。東芝は不正会計で企業の存続が脅かされる事態となりましたが、その不正がなぜ行われたか?というのがこの記事の元記事の内容です。長大な記事の全文とまとめ部分を採録してみました。要するに日本の電機企業の粗笨力の弱さが原因だといいたいようです。

 日本のテクノロジー企業は、技術面で競争優位があっても、資金調達面で優位性に乏しいケースが多い。東芝の原子力事業や半導体事業も「設備投資や建設前の資金調達がカギとなる事業」であり、財務体質が強くない企業が継続的に取り組み続けられる事業ではない。前回のコラムで取り上げたシャープの液晶パネル事業とも共通する課題だ。

  --要点採録--
 改めて分析してみたところ、東芝の戦略として導き出された「事業ポートフォリオ」に根本的な原因があると思われることがわかった。それは同時に、日本の企業・産業を取り巻くマクロ的背景とも関係している。

 利益操作は株式市場において適切な判断を妨げることとなり、決して許されるものではない。なぜ東芝が不正会計処理に手を染めたのか?

【ポイント 1】
(1) 2000年度から15年度まで、東芝の営業キャッシュフローを歴代社長別に累計してみると、任期の長さを考慮すればどの社長の時代もほぼ同じ水準の営業キャッシュフローを計上している。ただし、06年の米ウェスチングハウス買収など、投資に積極的だった西田社長時代だけフリーキャッシュフローがマイナスになった。その後、08年にリーマンショック、11年に東日本大震災が起こった。

(2) 東芝の資金繰りはお世辞にも余裕があるとはいえないが、借り入れや増資によってしのいできた。キャッシュフローの観点では財務上の問題はない。では、なぜ東芝は利益操作をしたのか。

【ポイント 2】
(1) 東芝が不正会計処理に手を出した動機について、金融機関から融資を受ける際に付された「財務制限条項」、長期的な増資を狙った利益操作、ウェスチングハウス買収に伴う「のれん」の減損処理、といった指摘がなされてきた。しかし、財務データなどを分析すると、いまいち合点がいかない。

(2) あくまでも推測にすぎないが、東芝は11年度と12年度に関して「東芝単体の当期純損失」を避けたかったのではないか。利益操作の目的は、繰延税金資産の取り崩しを避けることだったと推測する。もし繰延税金資産を取り崩せば、純資産の大幅な減損により、財務制限条項に抵触しかねない状況だったのかもしれない。

(3) ソニーや日立製作所も、単体決算における3期連続の当期純損失によって繰延税金資産を取り崩し、3000億円近い当期純損失を計上したことがある。これは「日本のグローバル企業が国内事業の採算性に苦労している」ことを示しており、東芝の不正会計処理の背景になっているとも考えられる。

【まとめ】
(1) 東芝、ソニー、日立製作所は、ともに国内事業が成長せず苦戦している。リーマンショックから現在までの8年間で、ソニーの単体売上高は半減し、日立製作所も3分の2に減っている(事業売却による売上高減を含む)。国内事業の不振は財務体質を弱め、資金調達にも悪影響を及ぼす。

(2) そのため、国内事業で苦戦している日本のグローバル企業は、「国内事業として何を残し、海外でどんな企業を買収するか」という事業ポートフォリオをより注意深く検討する必要がある。

(3)日本のテクノロジー企業は、技術面で競争優位があっても、資金調達面で優位性に乏しいケースが多い。東芝の原子力事業や半導体事業も「設備投資や建設前の資金調達がカギとなる事業」であり、財務体質が強くない企業が継続的に取り組み続けられる事業ではない。前回のコラムで取り上げたシャープの液晶パネル事業とも共通する課題だ。

 ーー引用終了ーー

清澤注:財務制限条項
当社(東芝)が複数の金融機関との間で締結している借入れに係る契約には財務制限条項が定められており、今後東芝の連結純資産、連結営業損益又は格付けが財務制限条項に定める水準を下回ることとなった場合には、借入先金融機関の請求により、当該借入れについて期限の利益を喪失する可能性がある。

Categorised in: 社会・経済